新型コロナ感染者の国内初確認から、15日で丸3年を迎えたが、第8波のコロナ死者数は過去最悪だ。岸田首相は年頭記者会見で「今年こそ平時の日本を取り戻してまいります」と決意を見せたクセに、経済活動を最優先してコロナ患者を“見殺し”にしている。
全国の新規感染者数(1週間平均)は14日時点で、約14万6000人。前週同曜日の約15万2800人を下回り、頭打ちの傾向を見せている一方、厚労省の集計によれば、コロナ死者数は14日、1日の発表数としては過去最多となる503人に上った。
第8波の死者急増は異常だ。昨夏の第7波は死者数がピークを迎える1カ月間、新規感染者における死者の割合が約0.1%だったのに対し、直近1カ月の割合は約0.2%。第8波の致死率は第7波の2倍にあたる。
「対策強化宣言」は2県どまり
なぜ第8波で死者が急増しているのか。昭和大医学部客員教授の二木芳人氏(臨床感染症学)がこう言う。
「考えられる大きな要因は、感染者数を正確に把握できていないことでしょう。いわゆる“隠れ感染者”を含めれば、現在の新規感染者数は公表されている数字の倍以上に上っていても不思議ではありません。したがって、数字以上に感染リスクの高い状況が続いていると考えられます。実際、救急搬送困難事案や医療にアクセスできない患者さんが急増しています。高齢者施設でのクラスターも増えています。とにかく重症化、死亡リスクの高い人への感染拡大防止が大事です。抗インフルエンザ薬の予防投与のように、コロナでも予防投与できる薬の普及がクラスター発生防止に必要です」
病床使用率が50%を超えた場合、自治体は外出自粛やワクチン
接種を呼びかける「医療ひっ迫防止対策強化宣言」を発令できるが、今のところ発令した地域は岐阜県と静岡県の2県にとどまる。
「政府も自治体も経済活動優先です。表立って言わないまでも、『ある程度の犠牲は仕方ない』というスタンスなのでしょう。米国からの変異株の流行がますます懸念されます」(二木芳人氏)
これから先、政府の掲げる「ウィズコロナ」に何人が犠牲を強いられることになるのか。
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