【政界地獄耳】立憲、国民 略称「民主党」にこだわる滑稽さ 問題は政策の実現性や妥当性
★19日、立憲民主党は常任幹事会で夏の参院選で用いる略称を「民主党」と決めた。15日の会見で同党代表・泉健太は「立憲と国民民主党がそれぞれ『立憲』『国民』の略称にした場合、別の政党が略称『民主党』を届け出る可能性もある」と妙な理屈をつけた。確かに自由民主党、社会民主党は略称を民主党にすることも可能だが、それが心配、民主党という名を守りたいがためにとなると、この党は何かがおかしいと思う。
★昨年秋の衆院選では比例票で「民主党」は362万6320票あったが立憲、国民ともに略称が「民主党」だったために立憲に約295万票、国民に約66万票が案分票として割り振られた。立憲内部では「相当数の票が国民にとられ、勝てるはずの候補者の落選につながった」との声が出た。そもそも両党は民主党という名前にアレルギーすら持っており政権時代の失敗や負の遺産を忘れたいがために民進党などと党名を変えて民主党と別の政党であることを強調してきた。
★両党は踏み込んだ政策や野党の覚悟が薄れて、提案型政党などと野党の役割すら放棄し、なんでも反対はしないなどと寝言を言い出したのは、民主党時代に実現できなかったマニフェストへの国民の批判に正面から答えることから逃げたことに起因する。政策はできそうなことしか書かず、与党に賛成することで批判をかわそうとした体たらくの表れだ。国民に至っては予算案に賛成し与党にすり寄った。有権者はその経緯を知っているからこそ、民主党にこだわる滑稽さを感じる。問題は略称ではない。両党が参院選で堂々と有権者に訴え、政策の実現性や妥当性、与党とは違う手法でのアプローチに魅力を感じさせられるかだ。有権者がうっかり民主党と書くことを当てにするのは、今の両党が記憶に残らない政党ということに他ならない。民主党に頼るな。(K)※敬称略
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