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◆自衛隊が米軍指揮下に 米軍「主権の一部切り離せ」と要求 衆院予算委 志位議長が告発

2024年04月23日 10時14分48秒 | ●YAMACHANの雑記帳

赤旗電子版紙面

自衛隊が米軍指揮下に

米軍「主権の一部切り離せ」と要求

衆院予算委 志位議長が告発

首相、否定するが根拠示せず

 日本共産党の志位和夫議長は22日の衆院予算委員会で、10日の日米首脳会談でバイデン米大統領が「日米同盟が始まって以来、最も重要なアップグレード(更新)」だと絶賛した米軍・自衛隊の指揮統制強化をめぐり、自衛隊が米軍の事実上の指揮下に置かれ、米側は主権の一部まで切り離すよう公然と求めている実態を告発しました。岸田文雄首相は「自衛隊は独立した指揮系統だ」などと繰り返しましたが、根拠は一切示せませんでした。(関連記事)


写真

(写真)質問する志位和夫議長=22日、衆院予算委

 志位氏は、「しんぶん赤旗」日曜版が情報公開請求で入手した敵基地攻撃実行の際の「日米共同対処」のサイクル図を示し、「指揮統制」で日米が緊密な協力を行うことが明記されていると指摘。指揮統制は、情報・装備等で圧倒的に優越的な立場にある米軍主導で行われ、「自衛隊は事実上、米軍の指揮統制のもとにおかれることは明らかだ」と迫りました。

 さらに「目標情報から米軍頼みになる」「自衛隊にどの敵基地を反撃するか把握する能力はない」など軍事専門家の指摘をあげ、敵基地攻撃は米軍に全面的に頼ることになるとして、「独立した指揮系統」というならその保障をあげるよう追及。首相は「自衛隊は独立した指揮系統だ」「憲法、国内法の範囲外にでることはあってはならない」などと繰り返すだけで、具体的な保障は一切示せませんでした。

 日米首脳共同声明は米軍と自衛隊の「シームレス(切れ目のない)な統合」を明記しています。志位氏は、敵基地攻撃とミサイル防衛を同時に行う「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」の基本方針として、米インド太平洋軍は「IAMDビジョン2028」で「同盟国とシームレスに統合する能力を備え」ると明記していると指摘。自衛隊のIAMDは、米軍のIAMDと「シームレスに統合」していくのかとただすと、首相は「米軍のIAMDとは別物だ」などと強弁しました。

 志位氏は、米太平洋軍IAMDセンター所長のサベージ大佐が同ビジョンの公式の解説論文で「IAMD能力を米国が単独で高めるのは実行不可能」と主張しており、「首相がいくら自衛隊とは『別物』と言っても、連携相手の米軍が『シームレスな統合』が絶対不可欠だと言っている」と厳しく批判しました。

 さらに、解説論文は陸海空、宇宙、サイバー、電磁波などすべての領域情報を一元的に統合し「攻撃すべき目標」等を迅速に決定するシステム「統合全領域指揮統制(JADC2)」にインド太平洋地域のすべての同盟国を組み込むと述べていることを指摘。その中で、同盟国に「主権の一部を切り離させる…政府をあげてのアプローチが必要」と明記しているとして、「これが米軍の求める『シームレスな統合』だ。日本の主権まで米国に差し出すなど、まぎれもない憲法違反だ」と強調。「日本が進むべき道は軍事的対応の強化の道でなく、東アジアの平和を構築するための憲法9条を活かした平和外交にこそある」と提起しました。

図

米軍指揮下に自衛隊 まぎれもない憲法違反

予算委質問 志位議長が会見

 日本共産党の志位和夫議長は22日、国会内で記者会見し、自身の衆院予算委員会の質問に対する岸田文雄首相の答弁について「岸田首相は自衛隊は独立した指揮系統で行動する、日本国憲法のもとにあると繰り返し述べたが、その実態的な保障はどこにあるのかといくら聞いても、保障を一つも示せなかった」と批判し、「自衛隊が米軍の指揮統制のシステムの中に丸ごと組み込まれていく。これが今やられようとしていることだ。まぎれもない憲法違反だ」と本質を語りました。

 志位氏は、日米首脳会談の中心点が米軍と自衛隊の指揮統制のかつてない連携強化に踏み込んだことにあると指摘。「自衛隊は独立した指揮系統」と繰り返し答弁する岸田首相に対し“その保障はどこにあるのか”と聞いたが答えはなかったとして「保障はない。つまり、米軍の指揮下に自衛隊が事実上組み込まれていくということだ」と強調しました。

 志位氏は「そうすると憲法上の重大な問題が出てくる」と指摘。「自衛隊は建前上は日本国憲法のもとで活動することになっているが、無制限に武力の行使を拡大し、先制攻撃をする米軍の指揮下に組み入れられれば、まさに憲法違反の事態が生まれる。このことが非常に明瞭になった」と述べました。

 志位氏は、さらに注目すべき点として、米空軍が発行する統合防空ミサイル防衛(IAMD)の公式の解説文書では、米国と同盟国との「シームレス(切れ目のない)な統合」が強調されていると指摘。同文書は「シームレスな統合」とは、米国防総省が進めている「統合全領域指揮統制(JADC2)」システムにインド太平洋のすべての同盟国を組み込むとしており、「JADC2のシステムに自衛隊がそのまま取り込まれていく。これが今やられようとしていることだ」と述べました。

 さらに、同文書には、JADC2に域内すべての同盟国を組み込むために、同盟国に「主権の一部を切り離させる…政府をあげてのアプローチが必要だ」とまで明記されていると指摘。「まぎれもない憲法違反だ。そして国の独立を投げ捨てる行為であり、こうした方向に進むことは絶対許されない」と批判しました。

 志位氏はこの問題を今後も厳しく追及していくと表明し、「憲法9条を生かした平和外交によって東アジアの平和をつくる。この道を選択すべきだと強く求めていきたい」と述べました。


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