飛騨の山猿マーベリック新聞

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◆<東京新聞社説>自公国減税合意//財源確保避ける粗雑さ

2024年12月14日 09時55分16秒 | ●YAMACHANの雑記帳
 自民、公明、国民民主3党が、所得税が課される「103万円の壁」について、来年から「178万円を目指す」ことで合意した=写真。非課税枠の引き上げは手取り額の増加が期待できるが、税収減対策が放置されたままだ。政権維持と成果誇示を優先した合意は粗雑さを指摘されて当然だ。
 生活必需品の値上げに歯止めがかからない中、非課税枠の引き上げが実現すれば家計の手助けになる。パート従業員らの働き控えが減り、人手不足の緩和につながる可能性もある。
 しかし、非課税枠を178万円にまで広げた場合、政府は、国と地方合わせて7兆~8兆円の税収が減ると試算している。巨額の税収減による行政サービス低下を避けるには別途財源が必要だ。
 政府・与党は近年、当初予算と補正予算の主要財源を国債発行に頼ってきたが、日銀が利上げ方向にかじを切り、利払い費の大幅増加に直結する安易な国債増発がもはや許される状況ではない。
 安倍晋三政権による経済政策アベノミクスが円安と株価上昇をもたらした影響で、一部の大企業は実力に見合わない好決算を出し続け、潤沢な資金を保有する一部富裕層も多くの投資利益を得た。
 アベノミクスの影響で実質的に減少した手取り額を増やすために必要な財源を、大企業や富裕層への課税を増やすことで確保することは理にかなう。政府と3党は大企業がため込んだ内部留保への課税や、金融所得課税の強化などの財源確保策を検討すべきだ。
 3党はガソリン税に上乗せしている暫定税率廃止も合意した。ガソリン消費を増加させ、脱炭素に逆行するとの指摘はあるが、ガソリン価格上昇が燃料費高騰を通じて中小事業者や家計に打撃を与える現実も直視する必要がある。
 ガソリン税は暫定税率を廃止した上で、使途を脱炭素対策に限定するなど知恵を絞るべきだ。
 税金の在り方を決めることは議会制民主主義の根幹だ。不条理な格差を是正するため、自公国3党だけでなく、国会で幅広く議論するよう求める。少数与党の石破茂内閣ならそれが可能なはずだ。

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