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◆<東京新聞社説>安倍元首相きょう国葬 静かな追悼阻んだ独断

2022年09月27日 11時51分34秒 | ●YAMACHANの雑記帳
 故安倍晋三元首相の国葬がきょう、東京・日本武道館で営まれ、国内外から約四千三百人の参列が予定されている。
 安倍氏は首相を憲政史上最長となる通算八年八カ月務め、今年七月、民主主義の根幹である選挙の遊説中に凶弾に倒れた。
 政策や政治姿勢には賛否両論があるにせよ、安倍氏を政府や自民党が関与して悼むことに大きな異論はなかったはずだ。
 しかし、野党第一党の立憲民主党役員らが欠席し、武道館周辺や全国各地で国葬に反対するデモも予定される。とても故人を静かに送る環境とは言えまい。
 そうした状況を招いたのは岸田文雄首相が独断で決めた「国葬」という形式にほかならない。
 首相は安倍氏の死去十四日後の七月二十二日、国葬実施を閣議決定した。自民党保守派への配慮もあり、手厚く弔いたいという判断だが、法的根拠を欠いていた。
 政府が国葬の法的根拠に挙げる内閣府設置法は、国の儀式に関する事務を内閣府が担当すると定めるに過ぎない。同法を根拠に国の儀式としての国葬を、政府の一存で営む裁量権まで与えられていると解釈するには無理がある。

◆決定手続きにずさんさ

 戦前戦中に国葬を行う根拠となっていた国葬令は敗戦後の一九四七年に失効し、その後、国葬を定義した法令は存在しない。
 首相は当初、国葬を「故人に対する敬意と弔意を『国全体』として表す国の公式行事」と位置付けていたが、国民の反対が強まると「国全体」の表現は消え、国民への弔意表明の要請も見送った。
 国を挙げた追悼が難しい状況にもかかわらず、国葬として実施する意味があるのだろうか。
 政府が国葬と決めたから国葬として行うというなら、国家の名の下で安倍氏を顕彰しようという思惑が際立つだけだ。これでは、いくら弔意を強制しないとしても国民の反発を招くのは当然だ。
 国葬実施の決定に至る手順もずさんだった。
 国として故人を悼むなら、国権の最高機関であり、国民の代表で構成する国会の関与が不可欠のはずだが、首相は実施も予算も国会に諮らなかった。法的根拠のない国の儀式を行政権の行使として行うこと自体が乱暴極まりない。
 首相が衆参両院の閉会中審査に出席して説明に応じたのは国葬閣議決定の一カ月半後。しかも従来の説明を繰り返すにとどまり、逆に反対が強まった。国民の理解を得られないまま国葬を当初の予定通り営むことが妥当なのか。
 六七年、吉田茂元首相の国葬が行われた。戦後唯一の前例だ。当時の佐藤栄作首相は国葬に反対する野党第一党、社会党の説得を衆院副議長に非公式に依頼。社会党はこれを前例としないことを条件に委員長代理が出席に応じた。
 七五年に佐藤氏が死去した際、当時の三木武夫首相は法的根拠の乏しさや野党の反対を考慮して国葬を見送り、内閣、自民党、国民有志による「国民葬」とした経緯があり、八〇年、在職中に亡くなった大平正芳首相以降、首相経験者の公的葬儀は内閣・自民党合同葬の形式がほぼ定着している。

◆合同葬の慣例をも破る

 今年一月に亡くなった海部俊樹元首相の葬儀が「公費を使う合同葬などは辞退する」との遺族からの申し出で近親者のみで執り行われたように、内閣と政党による合同葬にも明確な法的根拠や基準はなく、税金支出や弔意要請の是非という問題もあるが、安倍氏の国葬ほど大きな反対はなかった。
 岸田首相は歴代政権が積み上げた慣例を破り、首相経験者の公葬を政治問題化したことになる。
 安倍氏の死去後、自民党と旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との深い関係が明らかになったことも国葬反対が強まった要因だ。森友・加計学園や桜を見る会を巡る問題への批判もやまず、歴史的評価の定まっていない首相経験者の国葬を行う危うさを示す。
 立憲民主党の支持母体の一つである連合の芳野友子会長は出席を「苦渋の判断」と述べた。招待者に出欠の決断を迫り、その理由を説明せざるを得ないような賛否渦巻く国葬が、故人を悼む儀式にふさわしいとはとても思えない。
 首相は国葬を巡り「国の行事を考える際に役立てられるようしっかり検証する」と言明した。首相経験者らにはどんな公葬がふさわしいのか。今回の教訓を踏まえ、一定の基準や国会関与の手続きを定めておくことも検討に値する。

安倍元首相の国葬、疑問や課題は消えないまま…岸田首相、かたくなに「内閣の一存」は問題なしと主張

 岸田政権が27日に執り行う安倍晋三元首相の国葬。岸田文雄首相らは、さまざまな疑問や課題について最後まで国民の納得を得られる説明をできず、国葬が近づくほど報道各社の世論調査で反対が増える事態を招いている。首相は「国を挙げて」と位置づけたが、かけ離れた状況だ。(坂田奈央、山口哲人)

◆G7首脳の来日ゼロ

26日、閣議に臨む岸田首相

26日、閣議に臨む岸田首相

 「今なお『説明が不十分である』との意見、批判があることは、真摯しんしに受け止めなければならない」。首相は22日、訪問先の米ニューヨークでの記者会見で、国葬への理解が国民に広がっていないことを認めた。
 疑問が解けない最大の理由は、なぜ国葬なのかの根拠が曖昧なことだ。
 首相は当初、安倍氏の歴代最長の在任期間や内政、外交の「功績」を強調したが、国民の支持が広がりを欠くと「各国が弔意を示している」と外的要因を強調。さらには「元首・首脳レベルを含む多数の参列希望への、国としての礼節だ」と「外圧」頼みのような説明へと変遷した。
 だが、カナダのトルドー首相が内政優先で欠席を決めたことで、先進7カ国(G7)からの首脳本人の出席はゼロ。国葬ではなかった大平正芳、小渕恵三両元首相の葬儀には現職の米大統領らが参列している。松野博一官房長官は26日の記者会見で、国内世論が影響したのではないかと問われ「政府としてコメントする立場にない」と答えるにとどめた。

◆法的裏付けや国会関与足りないまま、強引に

 法的裏付けや国会関与の乏しさも、国葬への疑問に拍車をかけた。
 内閣府設置法は、内閣府が「国の儀式」を所管すると定めており、閣議決定すれば「行政権」で国葬を実施できるというのが政権側の説明。首相は「内閣の一存」で行うことに問題はない、との主張をかたくなに変えなかった。
 だが、国葬に関する具体的な法律がないことは首相も認める。「国」「国家」として行う国葬なのに、憲法が「全国民を代表」と明記する国会に諮ることもしなかった。国葬を閣議決定したのが7月下旬だったのに対し、首相が初めて国会で説明したのは9月に入ってからで、野党からは「国葬の決定は誤り、強引だ」(立憲民主党・泉健太代表)などの批判が噴出した。

◆説明尽くさずに正当化

 なぜ安倍氏だけ特別扱いなのかという疑問も、最後まで氷解しなかった。
 戦後、国葬が行われた首相経験者は1967年の吉田茂氏だけ。当時も批判があり、その後は内閣と自民党などによる合同葬の形式が主流になった。長期政権を築き、沖縄返還を実現してノーベル平和賞も授与された佐藤栄作氏は内閣、自民党、国民有志合同の「国民葬」だった。
 なぜ安倍氏は国葬なのか。首相は「その都度、政府が総合的に判断する」と説明を尽くさず正当化した。
 物価高で国民生活が厳しさを増す中、国葬には概算で約16億6000万円が投じられる。安倍氏は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関わりも指摘される。直近の報道各社の世論調査では、国葬反対が6割超という結果も目立ち、欠席を決めている共産党の小池晃書記局長は26日の会見で「首相は批判を真摯に受け止めるというなら、今からでも中止の決断をすべきだ」と主張した。

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