9月11日
○『論語』の中でも有名な「巧言令色鮮し仁(こうげんれいしょくすくなしじん)ということばがある。「たくみなことばやたっぷりした表情の人間には仁(ほんとうの人の心)は少ないのだ」(陳舜臣氏解説)という意味だが、このことばを見るといつもどうしても今をときめく橋下徹氏のことを思い出してしまう。彼には仁があるとは思えない。こんな人物の巧言令色にどうしてマスコミなどが騒ぎたて、大阪人をはじめとする庶民が酔ってしまうのだろう。
○近所に評判の良い魚屋がある。毎日主人が明石の市場まで出掛けて、新鮮な魚を仕入れてくるが、夕方にはほとんど売れてしまう。サンマの季節になったので頼んで刺身にしてもらった。人によっては好まないこともあるようだが、なかなかおいしかった。焼いたものも食べたいが、家で焼くことができない。焼いたサンマのはらわたの苦みが大好きだ。
9月12日
○国民新党の松下忠洋金融・郵政民営化担当相(73)が自殺した。今のところ理由はよく分からないが、今日発売の『週刊新潮』の新聞広告によるとこうだ。
「73歳『松下忠洋』痴情果てなき電話と閨房」と大見出しでその後に小さい文字で短い文章があるのだが低劣なので取り上げない。本文ではどんな記事なのか分からないが、おそらく氏の自殺とは無関係ではないだろう。同誌編集部は「亡くなられたと聞いて驚いています。お悔やみ申し上げます」とコメントしたそうだが、自社の記事で一人の死を招いた可能性もあるのに、白々しい他人事のようなコメントだ。これが週刊誌というものなのだろう。
松下氏がどのような性格の人物かは知らないが、暴露記事掲載には耐えられなかったのだろう。このような気弱だと思われる人がいる半面、やはり週刊誌でかつての女性関係を暴かれても、当座は神妙にしていたがマスコミの追及がないと、たちまち何事もなかったようにしれっとして、新党だ国政進出だと相も変わらず騒がしい橋下徹大阪市長のような人物もいる。やはり今の政治家の資質には「鉄面皮」ということも必要なのかも知れない。
○川崎市の路上で自転車に乗った母親と1歳8カ月の男の幼児が乗用車に轢き逃げされて幼児が頭を打って死亡した。母親は男の子を英会話教室に連れていく途中だった。まだ幼いのに痛ましいと思う。子どもに小さい時から英語を学ばせるというのがその母親の方針だったそうで、この子の兄も習っているようだ。それは母親の教育方針だから自由だが、そんな小さい子どもに英語を学ばせる必要があるのだろうか。幼児の時には親がそばにいていろいろ教えることが大切で、ことばにしても英語よりもまずきちんとした日本語を教えるべきなのではないだろうか。僅か1歳8カ月の命。可愛い盛りのこの子が哀れだ。