中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

狂気の殺人

2013-02-24 10:36:26 | 身辺雑記

  大阪市阿倍野区で昨年1月、飲食店経営のネパール人のダマラさん(42歳)を路上で暴行して死亡させた22歳の白石大樹被告と知人の23歳の白石美代子被告の裁判員裁判がこのほど始まりました。両名は当日はかなり酒を飲んでいたなどと主張し殺意を否定しました。一連の暴行は防犯カメラがとらえていましたが、その映像は凄惨なもので、無抵抗の被害者の頭や顔を多数回殴る蹴るなどした上、自転車を頭に投げつけ、脳が腫れ上がる「外傷性急性脳腫脹」で殺害したとされています。検察側は「たまたま通りかかった被害者を無差別に狙い、面白がって暴力を振るった」と指弾しています。 

 被害者のダマラさんは経営しているネパール料理店の店を閉じ、甥や従業員らと帰宅する途中で加害者たちに襲われました。まず美代子被告がダマラさんの甥の顔を殴り、大樹被告の共犯伊江被告が膝立ちになったダマラさんの首を後ろから絞め、大樹被告は甥とは別の従業員を殴るなどしました。伊江被告が逃げるダマラさんを捕まえて路上に引き倒し、大樹被告とともにダマラさんの脇腹や肩、頭などをけったり、殴ったりした。さらに、大樹と伊江両被告は、ピンク色の自転車(重さ約17キロ)を「いっせいのーで」などとタイミングを計り、頭を目がけて投げました。ダマラさんは起き上がって逃げましたが、先ほどの現場から約30メートル離れた路上で、さらに暴行を受けます。美代子被告は「コイツ」などと叫びながら、横たわるダマラさんの顔を踏みつけました。大樹被告も黒い自転車(重さ約15キロ)を投げたり、近くにあったカラーコーンで殴ったり、執拗(しつよう)に暴行を加えた末に路上に放置し、ダマラさんは死亡しました。狂気の沙汰というほかはありません。 

 裁判では例によって弁護人が被告をかばうような発言をしています。曰く「被害者らに対する強い恨みはない」(大樹被告の弁護人)、曰く「被害者とは初対面で殺す理由がなく、死んでもいいとは思っていない」(美代子被告の弁護人)など。また当時の被告の状態について「テキーラを一気飲みするなど、かなり酒を飲んだ。人を殺す計画はなかった」(大樹被告の弁護人)、「事件の2日前に覚醒剤を使用したことに加え、当日はビールとテキーラを5杯以上飲んで泥酔し、前後不覚だった」(美代子被告の弁護人)としています。さらに、自転車を投げつけたことも「頭ではなく、体付近を目がけた」(大樹被告の弁護人)と傷害致死罪にとどまると主張。美代子被告の弁護人は「大樹被告らが自転車を投げたところは見ていない」とすらしています。 

 私は犯人はもちろん、このような弁護をする弁護士に強い不快感を覚えます。彼らは何が何でも罪を軽減しようと弁を弄し、被害者やその家族の心情を思いやることはないようです。殺害の動機がなかったとか、傷害致死にとどまるとか、いったい弁護士とは何者なのでしょうか、あれこれ弁解などせずに潔く罪を認め刑に服するように諭すことは弁護士の役目にはないのでしょう。 

 私はあまり飲酒しませんのでわからないのですが、泥酔して前後不覚になっている者がこのように殴ったり、自転車を投げつけたりできるものでしょうか。それに飲酒していたと言えば罪が軽くなるとでも思っているのでしょうか。むしろ飲酒の上でなら刑を重くしてもよいとすら思います。 

 ダマラさんは親日家で、ネパールの文化を日本に広めようと努力し、甥にも日本とネパールは違うのだからとよく注意していたようです。日本人として、まったく恥ずかしく思います。タマラさんは故郷で荼毘に付され河に散骨されました。彼の店は奥さんが継ぐようです。 

 この裁判はどう言う結果になるのかは分かりませんが、裁判員諸氏が日本社会の恥として厳しい姿勢で臨むことを希望します。ダマラさんの甥が希望しているような死刑は無理でしょうが、無期懲役を含むかなりの長期刑をこの連中に科すべきだと思います。まったくこの下劣な男も女もまともな人間とは思えません。長く社会から隔絶すべきです、