ライトフロウズ ノウト:Lightflowz-Note

音の和 彩の波 響き合う
五感豊かなひとときを♪ 

【十二ヵ月の山際の詩:七月 吉野賛歌Ⅱ / 八月 夏の影の奧】

2024-09-16 | 十二か月の月の詩

ライトフロウズノウト新しい1ページのようこそ♪

 

朝夕やや涼しくなりましたが

お昼は生駒界隈もまだ真夏の気温

虫の声の合唱はしっかり秋なのですが

皆様どうぞ日々気をつけてお過ごしください

 

一回よもやま話を書きたいなと思いつつ

月の詩のページばっかりになっておりますが

まずはなんとか更新を、ということで

七月と八月の分…

もしよければお付き合いください

 

【七月の山ぎわの詩:吉野賛歌Ⅱ】

山は緑に
照り映えて
連嶺さやかに
雲の影写す

河は碧く
悠々と流れ
白波巻いて
川音清く木霊する

その渓谷に
神龍住むとも
人は言う

太古の海の
記憶を深く
地に抱きつつ
古里守り
客人迎え

大和の国の
来し方行く先
見護り給う




【八月の山ぎわの詩:夏の影の奧】

午後の陽光は
明度を落とし
影は少しずつ
長くなる

日々の色彩を
親しく映す
山々の稜線の上に
夏の形の綿雲と
共に浮かぶ
羽のように薄い雲

夏至からそろそろ二月が経つ
緩やかに過ぎる
季節の名残を
瞼の裏に探そうとして
目を瞑るとき

手に触れる何もかもが
砂粒になり
散り去る幻をみる

その儚さは
幸せ 
それとも不幸せ

この世の持ち物を
皆 捨てたとき
どんな姿に
なっている?

夏の影は
その手を広げて
視界の向こうを
遮っている


【十二ヶ月の山ぎわの詩:五月 朝の唄 / 六月 雨音のドーム 】

2024-07-31 | 十二か月の月の詩

ライトフロウズノウト 新しい1ページにようこそ♪

 

再度のお久の更新、それでも

訪れてくださった皆様,、また新しく

読みに来てくださった皆様に感謝しています。

 

どこか特別具合が悪いことは私自身には

なかった…けれど7月は中間頃に

家族約一名コロナ罹患がありました。

おかげさまで6日ほどで復活しましたが

症状ピーク時はやはりちょっと緊張しますね。

皆様もどうぞお気をつけて。

詩の作成も遅いのに今回は

一年のタイトルがなかなか決まらなくて

ふた月も遅れてのアップになり

季節がずれてしまいました。

 

一年のテーマもしくはキーワード

今回は”山際”(やまぎわ)

山 鳥 森…なかなかピンと来ず

それらが入っていて今の住まいに近い言葉

ということでこれに落ち着きました

もし良ければお読みください…

 

【 十二ヶ月の山際の詩:五月 朝の唄 】

春の夢から覚めた
鳥たちが
朝の唄を歌う

それぞれの色で
軽やかに輝く
無垢の声が

日に透ける
木々の葉の緑を
振るわせて
音の環を作り
響き合う 

風は今
稲蔵の神道を
吹き抜けて
新しい季節の
通り道を掃き
清める

 

 


【 六月 雨音のドーム 】

降り続く雨

雨粒がガラス窓に
半透明のベールをかけて
外の景色を滲ませる

緑の山も今日は霞んで
低い雲の中

部屋は雨音に包まれて
小さなドームに
籠もっているよう

言葉は出口を失って
想いは重なり

意識は次第に
心の海へ


何かを探しに
来たかと思う

深く 
より深く
潜っていくと

仄白い小さな光が
奥底に見える
あともう少し

でも届かない
今はまだ
息が続かない


降りしきる雨の
優しい音に
引き戻されて
元の部屋の中

振り返る
束の間の記憶

しばらくは
雨はやまない
小鳥の声も 
聞こえない

 


【 十二ヶ月の夢の詩:三月 凍える影…夢の向こう 四月 夢の空旅 】

2024-05-07 | 十二か月の月の詩

ライトフロウズノウト新しい1ページにようこそ♪

 

まだスローペースがなおりませんが

やっと3月と4月の詩ができました。

最近の私の良くないところは

完成したのにすぐにblogに書けてないところ

ですが、不思議なことに日が少し経つと

言葉も変わったりします。

今一応”確定”はしたので…

もしよければどうぞ

よもやま話も近いうちに… 

 

 

【 三月の夢の詩:凍える影…夢の向こう 】

春はまだきの
冷たい空気は

日ごとに明るい
鳥達の声に温められて

草木のつぼみは
ふくらみ始める

桜の便りも
もうすぐ聞こえて
南から北へ
あらゆる場所をその花色で
染めていくだろう

ただ
悲しみが
あまりに深く
刻みこまれた

遠い彼の地では
冬の影たちが
凍えたままで去り難く
留まり続けて

新しい季節の息吹を
夢の向こうに
隠そうとする

流れる時間
囚われた記憶

その距離は
動かないまま
取り残されるか

あるいは
乖離し続けるのか

それでもなお
ひたむきに祈りを捧げて
その地を守る人々に
幸いあれと
ひとえに願う

 

 

【 四月の夢の詩:夢の空旅 】

弥生の末の
不意の別れは

過去に訪れた
悲しい知らせの
記憶を幾つか呼びおこす

縁の巡りは
この世の習いと
わかっていても
少なからず心は揺れる

おりしも地上は
桜咲く時

あのひとは今
現し身の衣を脱いで
天翔ける
鳳のように

花色の霞の野山を
高い空から
見ているだろうか

どうぞ
今ひとときの休息を
忙し過ぎた日々を忘れて
夢の空旅を
楽しめますよう

また会う日までと
見送る言葉を
はらはら舞い散る
花びらに寄せる

 

 


【十二ヶ月の夢の詩:二月 淡い日差しの中の夢】

2024-04-21 | 十二か月の月の詩

【 十二ヶ月の夢の詩 :二月 淡い日ざしの中の夢 】

昼下がりの淡い日差しを
小さく振るわせる
鳥の声に誘われた微睡は

閉じた瞼の裏に映る幻と
寄せては返す遠い波のように
繰り返して響く声に引き込まれて

次第に深くなっていった

幻影は形を成すと見せて
また別の姿に移ろう

声たちは呼びかけか
無心のリフレインなのか
言葉達は聞き取ろうとすると
遠ざかる

輪郭は意味を為さない

夢の奥底の
更に深くへと誘う
優しい青と銀色の闇


息を忘れてでも
その奥に潜る
勇気があるなら

海の底よりも深くで待つ
伝え手に会うことが
できるだろうか

行き着く術を
知っていると思う
そこに始まりがあることも


けれど思い切る力が足りない
躊躇ううちに
歌い続ける鳥の声に
呼び戻され
陽の光が瞼に広がり
目覚めれば
リフレインは遠ざかる

春の歩みは遅い
新しい季節の彩りは静か

夢の旅は
いつかまた始まる
命綱は真実の言葉


【十二ヶ月の夢の詩:1月 みいさんの夢】

2024-04-12 | 十二か月の月の詩

ライトフロウズノウト 新しいページにようこそ♪

 

ずいぶん久しぶりの更新になりました。

留守中にも読みにきてくださったかたがた

ありがとうございます。感謝

 

そしてやっと1月の詩を載せます

ずいぶん前にできていたのです。

2月のと一緒にと思ったのですが、

いつものと少し違うのと長いので

まずがこれ一つで載せてみます。

 

ずいぶん前にblogで書いたことある

お話なので覚えていらっしゃるかたも

おられるかもしれません。

もしよければお付き合いください

 

 

【十二ヶ月の夢の詩:1月 みいさんの夢】

お昼寝のあと からだが重くて
いつもの時間に起きられなかった
もうすぐ”お帰りなさい”の時間なのに

しかたないので
そのまま寝ていた

ふと目覚めたら体は軽くなっていて
ほんのり明るい場所にいた
少し先に座っている
小さいときに別れてしまった
お母さんと兄弟たち
会えて嬉しい

みんなの姿は丸い光の中にあって
大きい小さい 欠けた円のもあるけれど
それぞれ綺麗な色をしている

お母さんが「よくがんばったね」と
優しく笑って言ってくれたの

そう、がんばったのよ
とても暑い日は川のそばの木陰
凍える日には建物のすみ
風が避けられるひみつの場所
小さくなって我慢した

たいていはお外の仲間と
車がとまる広場にいたの
本当は車が動くとあぶないのだけど
ちゃんと見て避けた
天気のいい日は日向ぼっこできた

お友達のクロシマちゃんと
近所の家の散歩もしたよ

嵐の日には
お庭の屋根の下に
運んでくれるひともいた
仲間もひとつずつ運んでくれた
ちょっとの間でも嬉しかった

毎日のごはんはあったの
広場のすみに
入れ物にいれて出してくれて
お水もあった



小さなお皿に一杯ほど
それだけあればゴミを触ったり
悪さなんてしない 
たまにごはんが遅いときは
おててを揃えて座って待ってた
お行儀いいので私のことをお
”お客さん”というひともいた

嵐の日の屋根の下は
いつも少しの間だけ
晴れたらまたお外、でも
優しいおばさんと
その場所が好きだった けれど
ある時そこはこわされていった
機械と人が来てくずしていった

でもまた新しいうちができるのを
見たことがあったので
一生懸命待っていたの
車の下から見えるので
いつできるのか
ちょっとの雨ならがまんして
毎日毎日みていた

そのうちに ご飯の場所が
お向かいの家の車をとめる
お外のへやに変わっていった

そこの奧は雨風こなくて
しっかり隠れて安心だった

だってそれまで
カラスにご飯をとられた
こともあったのよ

前のおうちのおばさんは
もういなくなった
寂しかったけど しかたない

ある時いつもとちがって
ちょっと狭い箱の中に
ご飯を置いてた

少し心配だったけど
お腹が空いて
つい食べに入った

そしたらがしゃんと
とびらがしまって捕まって
しまったの

怪しいものに
よく気をつけてた
いつでもお母さんの
いいつけ守ってたのに

わたしは怒って
ご飯の皿をビリビリにしたけど
どうにもならない



誰かに箱ごと
運ばれた

でも次に着いたのは
犬や猫たちと人が
一緒にいる部屋、
怖い人はいなかった



わたしは優しい手つきのひとに
網に入れられて運ばれて
白い服の人にあちこち
触られたり見られたり

怖くなかったので
静かにしてたら
かしこいね、とほめてもらった
人が好きなのかな?
とも言われた

そして猫がたくさん
いる場所に来て
わたしはしばらく
小さい箱の中でくらした
優しいひとはてんしゅさんと
呼ばれていた

そのうち
てんしゅさんのお家に来たの



箱からも出して貰った
ここがおうちよ、と
言われてとても嬉しかった
みいさんと名前もできた

本当はずっとおうちの中で
暮らしたかった
お家の中の猫たちをみて
私もそうならと思ったりした

どこではなれたか
忘れたけれど
ほんの小さい時にはそこに
いたと思う

優しいてんしゅさん
夜に目があいて
どこにいるのかわからなくて
鳴いてしまっても
おこらない

大丈夫よと
教えてくれた

てんしゅさんが大好きに
なったので
てんしゅさんが毎日出かけて
帰る夕方にお部屋の戸のそばで
おかえりなさいとお迎えしたの

みいさん、ただいまと
笑って頭を撫でてくれた

そういえば
おかえりなさいの時間なのよ
私さっき起きられなかった

てんしゅさんはどこ、とさがすと
下にほうに見えてとても悲しそう
私の体を撫でている
少ししてまわりを綺麗なお花で
飾ってくれた

体を置いてきてしまったの
ごめんなさい、もう戻れない

ありがとう
おうちでとても幸せだった

前をみると
まあるい光の中に
お母さんと兄弟たち
みんな待っててくれたの

いつの間にか
くろしまちゃんや
広場で会ってた他の子もいる

一緒にいくね
明るいほうに

 

※みいさんは16年の猫生のほとんどをお外ですごした三毛猫でした。小さな体で賢く強くお外でがんばり最後の半年
優しいひとのおうちの子として暮らすことができました。外猫としては長生きしたのは小さなころどこかで
飼われていたからかもしれません。見守りのある地域で生まれた年を知っている人が近所にいました。