ライトフロウズノウト今日の一頁にようこそ♪
爽やかな風 明るい陽射し
春の気持ち良い日が多くなりました
桜の時季のあと 春の彩り豊かに
ツツジ 牡丹 山吹 藤 咲き始め
百花繚乱の季節
近くを歩くだけでも 道端~ 庭先の景色
目が楽しませてくれます
花水木も普段通る道沿いにあるのですが
つぼみが膨らんで花びらゆるみ
もうじきあの四つの花弁の花のかたちに
開花しそうです^^
そういいつつ今日の午後のように
急に春の嵐が来るときもありますね
一日のどかで静かな日の数は案外少ないかな
と思ったりします。
さて、前回blogの後
やはり万葉集の英訳 が気になり
『 英語で読む万葉集 』岩波書店
『 Man'you Luster 』(= 万葉の艶)ピエ・ブックス
を購入しました。
『 英語で読む万葉集 』は
リービ英雄著 全米図書賞を受賞された
同氏の万葉集の英訳 より選ばれた約50首の対訳と
ご自身による解説・エッセイ付き
『 Man'you Luster 』のほうは
英訳:リービ英雄 日本語現代語訳:中西進
写真:井上博道 アートディレクション:高岡一弥
で120首ほどがそれぞれの歌にちなむ
美しい写真付き 半分が写真のページ
いずれもまた味わい深く読み返しています
もう一冊他の英訳者の本を発注していますが
まだ手元に来ずでこれは来てのお楽しみ
先月より 朗読のご縁で桜の歌を探すため
万葉集を通しで読み始めた私で、
(なぜだかPC検索では気が済まず)
全巻20巻が文庫4巻(中西進博士編)に
なっているおかげで
とにかくも全体目を通すことができたのですが
その過程で気づいた
『 万葉集 』のスケールの大きさ
100年ほどもかけて複数の編纂者
により形成された歌集で、歌の作者は
天皇・貴族から市井のほぼすべての階層の
人々(半数は作者不詳)
場所は奈良の都から地方の国・国境の果て
で詠まれたそれぞれの歌からは
その当時の大和の国に生きていた
ひとびとの視点の高さ視野の広さ
思いの温かさが 今平成を生きる私の
心にリアルに入ってきます
また収録数4516首、
そのうち1首と数える中に短歌より長い
長歌なども300首ほどは入り
それぞれ万葉仮名の掲載もあり
また そして、5巻で万葉集事典があるのですが
各巻一覧から年表・系譜図,万葉仮名一覧・
地名人名動植物名 解説など
奈良時代にタイムスリップしたレポーターが
いたのでは?というほど細密な解説があり
(真の文学者・研究者のかたがたの偉業と
いうべきか)
そこからイメージがまた膨らみます
万葉集 英語題はそのまま
ten thousand leaves ですが
本当に 一万の葉の中に埋もれそうな
あるいは言葉の大海の中に沈みそうな
そんな感覚におちいりました
おそらく 本好きなかたには
共感いただけるかと思うのですが
これはとても深く心地よい感覚で
そのまま言葉の世界で迷子になって
本の虫になり
一日部屋にこもって気になる処を
読んだり写したりしたいと思ったのですが
お仕事あり主婦業ありで
そうもいかない毎日なのでした
『 英語でよむ万葉集 』の著者
リービ英雄氏は英語を母語としながら
日本語でも小説を書かれるかたで
日本での文学賞も多数、
現代文学をリードする小説家のかたと
私も同じ、と軽々しくいってよいものでは
ないのですが
万葉集とこの春新たな出会いをした
私の不思議な感覚を私が的確に文章で
表現できたならこう、という
さすがの文章が何か所もあり
ここで一部を引用させてください
日本だけではなく、世界の古代文学の中で
これだけのスケールと多様な表現による
抒情詩集が他にあったのだろうか
日本語そのものがはじめて文学のことばに
なった時代の、またかまたかとおどろく
新鮮さ に触れ続けて「古典」としての
日本語よりも可能性としての日本語
に目覚めたのである
今日は一首だけ万葉集のご紹介を
天を詠める
天の海に 雲の波立ち 月の船
星の林に 漕ぎ隠る見ゆ
柿本人麻呂の歌集の歌の一首
訳 天の海に雲の波が立ち、月の船が星の林に
漕いで隠れていくのが見える。(巻7・1068)
【 Man'you Luster より写真とも】