斉藤うめ子ブログ

新しいニセコの街づくりにとりくみます

三鷹市の公募委員制度

2014-01-15 22:21:49 | 政治
今年に入ってから何度か公募委員制度について取り上げてきました。
三鷹市では2010年に市民会議や審議会などの応募委員を無作為抽出
方式で募集する全国初の試みをスタートさせています。
三鷹市の広報誌を元にその手法について紹介させていただきます。

その選出方法は
1.無作為に抽出した市民に「市民会議等公募委員候補者名簿」
 登録の案内文書を送ります。
2.同意しなければ返信は不要です。同意した場合公募委員候補者
 は就任を希望する分野を選び返送します。
3.委員の改選の際、候補者名簿を元に市の担当部局から委員
 就任を依頼します。
4.承諾を希望しなければ、その旨を伝え就任を見送ります。
5.承諾した場合公募委員として、会議の委員として参加します。

この制度に期待されている成果として考えられることはこうした機会
により、これまで関心のあまりなかった町民や、気持ちがあっても
自ら応募することへためらいのある町民にも参加する機会の可能性が
広がります。

○町政への関心・意識の高まり
○行政がより身近な存在となる
○町政に参加するよい機会になる
○町の施策を知ることができる
○町に対する理解が深まる
○町の良い面を知る機会になる

日本での施行の経緯
2005年施行実験
2006年本格的に開始
2007年~全国市町村レベルで急速に普及
2010年末、NPO法人市民討議会推進ネットワークの調査によると
北海道網走市~鹿児島県指宿市まで合計156の事例
2012年3月末時点で216件:
 関東地方113事例で全体の4分の3(72%)を占めている。

民主主義の基本となる公平・公正・平等な町民主体の
まちづくりを推進するために有効な手法と思います。

ニセコ町の地域性・状況をよく調査して適正な方策をよく
検討してさらに進化させても良いのではないでしょうか。

朗読とチェンバロの調べ

2014-01-13 11:57:28 | 町の行事
11日有島記念館で朗読とチェンバロの演奏があると知り、ぜひとも
聞きたくて、寒風極まる吹雪きの中、有島記念館へ出かけました。

朗読はHBCアナウンサーの田村英一さんよる有島武郎の「ある女」、
ホイットマンの詩を訳した「冬の蒸気機関車」、三浦綾子の「塩狩峠」、
最後は「「カインの末裔」から「『まだか、この名は村じゅうに恐怖を
播いた。・・・』」に始まるクライマックスの最終章でした。
ガラス張りの会場であるアートホールからの雪景色はこのシーンに
ぴったりとマッチして、時折激しい吹雪で雪が巻き上げられ一瞬何も
見えなくなることもあり、当時も今も変わらない自然の厳しさが
朗読とともに伝わってきました。

ラジオで何度か朗読を聞いたことはありますが、生で朗読を聞く機会は
珍しく、しかも一番前の席でその距離はほぼ2メートル位で、感情を
込めた朗読からその場面の表情が響くように伝わってきました。
チェンバロの調べが所々の場面で奏でられ朗読をより引立ててくれます。

チェンバロの演奏は昔から何度か聞いたことがありますが、こんな近くで
演奏を聴き、また楽器について演奏者の明楽(あけら)みゆきさんから
演奏の合間にチェンバロの歴史から楽器のことについて詳しい説明があり、
鍵盤にふれさせていただいたのは初めてのことです。
形がピアノに似ていますが、楽器の構造が違うので音色も全く違います。
またピアノの鍵盤は88鍵と決まっていますが、チェンバロの鍵盤数に
決まりはなく各々違っています。

チェンバロの歴史は古く、数千年前の竪琴が起源になっているそうです。
現在の原型となるチェンバロは15世紀から18世紀のヨーロッパにおいて
重要な鍵盤楽器であり、フランスではルイ14世、15世、16世の頃、
ベルサイユ宮殿で盛んに演奏されていた様子が語られ絵画にもみられますが、
王侯貴族の楽器として、ルイ16世のフランス革命では真っ先にこの
チェンバロが破壊の対象となり、歴史に翻弄されながら、変遷をたどり、
20世紀に復興され、今日では広範に演奏されるようになってきている
ようです。日本ではチェンバロの演奏者は20名位とのことです。

この日有島記念館で演奏されたチェンバロは10年ほど前に久保田彰さんにより
制作されたもので、素材は鍵盤のある木の箱は道産の桂の木で作られ、
内部には美しい花の絵が描かれ、ふたの内側にはラテン語の文字が描かれて
いました。あしの部分がナラ材でこれもまた美しい彫刻が施され、4年間かけて
作られたもので日本人の制作が一番繊細だそうです。
重量は45キロほどで、ピアノの10分の1ほどなので大人2~3人で運ぶことが
できるのでご自分の車に積んで演奏会場に持ち込むことが可能です。
気になるお値段ですが、一般のグランドピアノの約9倍ほどとのお話でした。
演奏はバッハやヘンデル、カッチーニの曲の他に、日本のなつかしい曲にも
似合うそうで「この道」や「からたちの花」などの演奏もありました。

演奏を聴きながら、中世のヨーロッパの王朝の世界にタイムスリップしたかの
ような雰囲気に満たされました。
ロンドンにいた頃、自宅から車で15分ほどの所にあるヘンリー8世と6人の妻たちが
居城としていたハンプトンコートパレスがとても懐かしく思い出されます。

ニセコの冬

2014-01-10 23:55:24 | 自然の驚異
雪のお蔭で今日は一日中家に籠っていました。

やりたいこと、やらなければならないことがいっぱいありますが、
この吹雪の中を出かける気にはまったくなりませんでした。

ニセコ町の中でも市街地と郊外では雪の降り方が全く違って
くることがよくあります。

雪が小降りになったと思って出かけても途中から猛吹雪に巻かれて
視界が閉ざされ、一瞬恐怖に襲われることもしばしばあります。

吹雪く日はストーブに当たりながら降りしきる雪の美しさをながめるのは
雪国ならではの至福のひと時です。
しかしそれはほんのひと時のこと、冬はまさしく雪との闘いの毎日です。

ニセコの冬の雪に魅せられて移住してきましたが、年々その厳しさを
実感させられるこの頃です。

予算公開ヒアリング

2014-01-09 23:57:56 | 政治
昨日8日から2014年度の町予算編成公開ヒアリング始まりました。
今年はまだ傍聴に行っておりませんが、過去何度か
傍聴に行ったことがあります。

傍聴席には確かに説明書が用意されていますが、
初めは簡単すぎる説明書で(確かにないよりはましですが)
さっぱりよくわからないもので、特に関心ある問題について
余ほどこれまでの経過や内容について事前に把握しておかないと
ただ聞いていればわかるというものではありません。

これまで何度か説明資料に関してクレームをつけたこともあり、
年々わかりやすくなってきているように思います。
今年の説明書はどのようになっているか、明日から機会を見て
傍聴したいと思います。

町外の方も自由に傍聴できますから、ぜひ出席されてみては
いかがでしょうか。



無作為抽出方式による住民参加について

2014-01-08 23:52:23 | 政治
予てから審議会の委員の人選について裁判員制度における裁判員の選定
のように住民基本台帳からランダムに町民を選んで政策に参加してもらう
方法がないかと考えてきました。
これまでの審議会では委員の偏り、固定化、男女の比率、年齢層に
関して<公正><公平>さに欠けているように思われてきたからです。
審議会の情報公開請求をこれからする予定でいます。

前にも書きましたが、12月の議会定例会一般質問で町長答弁から
現在審議会は32あること、公募制を採用している委員会が31%、
公募委員の割合は12%、充て職35%、男女の比率は81%対19%、
年齢層では40歳未満9%、40~60歳未満52%、60歳以上39%である
ことがわかりました。

この無作為抽出について調べていく過程で、この方式を活用した住民参加の
構想はかなり前からあることがわかりました。
プラヌーンクスツェレ(Planungszelle:計画細胞、PZ)と呼ばれる構想は
1960年代終わりにドイツで開発され、1970年代にアメリカで開発された
市民陪審は裁判における陪審制を政策決定に応用したものです。
イギリスでは1990年代に始まり、カナダ、オーストラリア、ハンガリー、
スペインと欧米諸国で広がり実施されています。
日本では2005年に東京都千代田区で試行実験され、三鷹市では「2010年に
市民会議や審議会などの公募委員を無作為抽出方式で募集する全国初の試みを
スタートさせています。」とあります。
現在日本各地の政令指定都市・市区町村でこの方式を取り入れ、行政領域への
住民参加の方策を導入している自治体が広がっています。

「おまかせ民主主義」から「参加型民主主義」へ、実のある民主主義を
実践するために有効な方式であり、ニセコ町のような人口4,700人の
小さな町でも検討してより<民主主義>を前進させるために意義あるものと
考えています。

「<無作為抽出方式>は私の価値観として相いれないものがある。」という
町長個人の独断で決めつけてしまうことこそ「民主主義とは相いれないものがある」
のではないでしょうか。