Mさんが描かれた尾瀬の連作をご紹介いたします。
「尾瀬の白樺」 水彩画 F4
遠くの山々は靄で銀鼠色にかすんで見え、手前の湿原に
佇む白樺の緑がより瑞々しく浮かび上がって見えます。
白樺はもちろんのこと、様々な植物の枝ぶりが表情豊かで
味わい深く、作品の大きな魅力となっています。
近づいてみました。
生き生きとした細やかな筆遣いで枝ぶりや葉を描いてから
刷毛で水っぽい絵の具を全体にかけ、その作業で
流れてしまった細かいところをまた描きおこしました。
その繰り返しをへて奥行きと広がりのあるこの優美な作品が
完成しました。
「尾瀬の朝もや」 水彩画 F4
次に描かれたこの作品も同じ場所で取材されました。
木々の間に横たわる靄は臨場感にあふれ、しっとり
とした空気がこちらにも流れてくるようです。
静かな風景のなかに明るさとエネルギーを感じます。
近づいてみると
踊るような枝葉、勢いのある刷毛の動き、
やわらかな山の端に湿原。大胆さと繊細さの同居した
タッチが素晴らしくとても見ごたえがあります。
気持ちと筆先が一体の、躍動感みなぎる作品です。
今までの作品とは明らかに違う空気感を持つ上の連作。
Mさんの新たな世界が展開されつつあるのかもしれません。
過去の作品はHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の中の
Mさんのページに掲載されていますのでこちらもぜひご覧ください。