教室・自然いろいろブログ

グループ彩雲の創作活動と身近な自然の観察記録

10月末 森の彩り

2022年10月31日 | 自然

もう10月も終わり。気がつけば蚊に刺されなくなっており
会う昆虫が減り森歩きのスピードはどんどん遅くなっています。

先日見たかった光景にようやく出会えました。


水辺の樹上でハート形になったオオアオイトトンボのカップル♪
オスの腹部の付根にある副性器にメスが腹端をつけ精子を受け取っているところ。

こちらの気配を察して飛んでしまいましたが


枝につかまるオスはメスの首を腹端でがっちりつかんだまま。
これから樹皮に産卵するところが見られると期待していましたが
この時はさらに高いところに避難されてしまいました。


腹端のふっくらとしたメス。そろそろ会えなくなります。

近所の森で秋に出会うのを楽しみにしているキノコがあります。


傘の表がオレンジがかった黄土色、裏が紫色のこのキノコ。
以前ウラムラサキシメジではないかとキノコ好きさんが教えてくれました。


毎年出るのは杉やクマノミズキなどが生えている暗いところ。
今年はたくさん見られました。


こんな派手な緋色のキノコも!
ベニチャワンタケモドキなのかな。


コナラやクヌギ、エノキなど広葉樹の生えた地面に
たくさん出ていたこのキノコ、若いものはまるで栗饅頭♪


裏はこんな感じ。。いかにも美味しそうです。
シメジの仲間なのかなと本で探しましたがよくわからず。
そういえばキノコ好きさんはキノコをさいたり傷をつけて変化をみたり
香りを嗅いだりして確かめ、周辺の植生もよく見ていたっけ。
私は傘の裏の様子を撮影するだけでいつもそれをするのを忘れてしまう。

だんだん飛ぶ虫が減ってきました。


夕暮れの森で眠りにつこうとしているのか接写しても動きません。
ハラナガツチバチの仲間でしょう、グレーの眼が美しい。


ジュズダマの群落にクロコノマチョウがとまっていました。


この時はもう日没後で実際はかなり暗く、チョウは黒く見えました。
秋型のオスでしょうが、クロコノマチョウの彩りには個体差があって
出会うたびその複雑な味わいに感動します。
本格的な冬が来る前にまだ何度か会えるかもしれません。

晩夏から初秋に会えると期待してまだ会えていない動植物はたくさんあるのに
明日から11月とは。季節の移ろいがはやく感じられます。


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10月最後の教室 越冬トンボ

2022年10月29日 | 教室風景

そろそろ色づいてきたかな?
数か月前から楽しみにしていたノササゲを見に行くと


サヤがうっすらと紫色にそまっていました♪


ムラサキシキブの実は落ち始めているようです。


咲き残るタマアジサイにはアブがやってきていました。
緑色が褪せ始めた森の中で美しい紫色は目に飛び込んできます。

10月最後の教室日でした。


一日晴れるという予報でしたが午前中は曇りで肌寒く暖房をつけるほど。
小鳥の歌と子供たちの歓声を聞きながらの制作はリラックスできます。


この日も黙々と根気強く地道な作業を続ける皆さん。
作品は変わっていないようで2時間後には次の課題が見えています。

太陽が顔を出したのは14時頃。
お昼休みはまだ曇っていましたが少し暖かくなりました。

オオアオイトトンボがいるはずなのにな~とウロウロしていると
か細い糸のようなものが目の前を横切りました。
そーっと近づくと


ホソミイトトンボのようです♪
成虫越冬するタイプのトンボです。


とても華奢で儚げ。背面からも撮影しようとそっと近づくと飛び立ち、
ずっと目で追っていたにもかかわらずわからなくなってしまいました。

前回はアサギマダラが飛来しタテハチョウたちが飛び交っていた野原は


だいぶ枯色が目立ち、ようやくウラギンシジミメスに会えた程度。
カマキリにも会えず。


小さなハチやアブたちが咲き残るセイタカアワダチソウの蜜を集め


このトリバガの仲間に度々会いました。
とても小さい蛾ですが思わず引き込まれる姿かたちです。


ケヤキはやや黄色味をおび


メタセコイヤも秋色になってきました。

葉を残す木は多く冬支度はまだまだこれから。
刻々と彩りが変わってゆきます。


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久しぶりの海へ

2022年10月27日 | その他

カラッと晴れた朝。久しぶりに134号線を南下しました。


海は凪できらきら・・

この日は父の命日で久しぶりのお寺へ。
新型コロナの外出自粛もありこのところお参りする回数が減っていました。


あっという間の15年・・綺麗好きだった父に謝りながらピカピカに。

辺りにはナツアカネやアキアカネ、ウラギンシジミなどが飛んでいて
父が様子を見に来たのかな~と思ったりしました。

以前はお墓参りの後、必ず貝拾いをすることにしていたのが
コロナ以後は控えていました。
この日久々に南下してみると、あてにしていた海岸の駐車場は閉鎖、
辺りの様子はすっかり変わっておりガックリしました。


予定変更して訪れた海岸にあまり貝はなかったけれど


母は楽しそうで、やっぱり来て良かった♪

カニがいるよ!


母に指さされた方を見ると羽毛のように軽やかに浜を移動する生き物が!

必死に追いかけ、ようやく石の横に止まってくれました。


小さくて綺麗。。見事な保護色で目を離すと見失ってしまいます。
帰宅後検索してみると、ミナミスナガニという名前のよう。

帰りは姉の運転だったので助手席から見える景色を堪能しました。


富士山と江の島


材木座あたりだったかな。。。


稲村ケ崎周辺はいつもの通り渋滞していましたが
おかげで富士山をゆっくり拝めました。


日暮れの江の島


シーキャンドルもくっきりはっきり見えました。
江の島内はしばらく歩いていませんがかなり観光客がもどり
混みあっているようです。

ずっと海風をうけつづけた爽快な一日♪
森より海が好きな母の満面の笑みを見て、この冬はまた
近場で貝拾いの旅に出ようと話し合いました。


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Aさんの新作日本画(069)

2022年10月25日 | 教室風景

Aさんは春の情景を描かれました。


「雨後の朝」 日本画 P10

花散らしの雨が降った翌日は晴れ。咲いても散っても情趣に富む
桜の古木に深い感銘を受け、花びらと雨水がつくり出した模様と
朝陽の煌めきを描き留めました。春の喜びと詩情に満ちた作品です。

近づいてみました。


敢えて色数を絞り桜色の彩度も抑え明暗差を強調したことにより
花びらの輝きと流れが浮き立ちました。深山を思わせる背景や
年月を経た桜の力強い表現が見るものを別世界に誘ってくれます。

大胆かつ繊細に幅広いモチーフを描いてこられたAさんの
過去の作品はHP「上郷森の家絵画教室及川みほクラス」内の
作品集の中のAさんのページに制作順に掲載されています。
ぜひこちらもご覧ください。


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10月四回目の教室 アサギマダラにカトリヤンマ

2022年10月22日 | 教室風景

清々しい秋晴れの朝、森で素敵な出会いがありました。

日射しが強く気温が上がってきたのでトンボが飛ぶだろうと上空を
見上げると、大きなチョウがものすごいスピードで滑空していました。
きっとアカボシゴマダラだろう、と眺めていると


アサギマダラだっっ♪
ロープで保全された野原の向こう、かなり遠くですが嬉しい!

じっとしておらず、花から花へビュンビュン飛びまわるので
久しぶりに会えた一頭を追い長靴でドタドタ走りました。

だめだ・・
時間もないし引き上げようと諦めかけた時


目の前の花にひらり、数秒飛来してくれました。ありがとう♪
アサギマダラのメスのようです。


南への長距離飛行に備え懸命に栄養を蓄えているように見えました。
この森で産卵してくれれば嬉しいけれど。。

アサギマダラの幼虫の食草といわれる


コバノカモメヅル


キジョラン

など時々チェックしていますが卵はもちろん幼虫の食痕は
まったく確認できません。お母さん蝶に旗を振って場所を教えてあげたい。
お昼休みに再びアサギマダラを探しましたが会うことはできませんでした。

10月4回目の教室日でした。


窓からの風が心地よく冷暖房もいらない最高の制作日和でした。
滲みどめのドーサ引きや下地作りにぴったり。快調に作業が進みます。


午後にAさんが日本画作品を完成させ撮影することができました。
後ほどご紹介いたしますのでお楽しみに☆

朝のアサギマダラに続き、昼休みにも嬉しい出会いがありました。


足元をホバリングするヤンマが!


腰が細い。カトリヤンマのようです。
明るいところで撮影しようと体をずらすのですがどうしても陰に。
暗いところが好きなようです。


美しい。。
8月9月に会ったことはあっても10月下旬には初めて。
ネットで検索すると11月頃まで見られるそうなので
これからも期待できます♪


朝アサギマダラが飛んでいたセイタカアワダチソウ周辺には
昼、キタテハやセセリチョウ、ハチやアブが飛び交い


ウラナミシジミも美しい翅色を見せてくれました。


鈍色の空の下ではあんなにくすんで見えた木々の緑も青々として夏のよう。

でもひと風吹けば葉やドングリがばらばらと落ちてきて帽子は必須。
やはり季節は進んでいるなぁとしんみりしました。




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Kさんの新作日本画(020)

2022年10月20日 | 教室風景

Kさんは壮大な光景を描かれました。


「空と海」 日本画 F6

澄み切った小笠原の海にザトウクジラの親子、空にはカツオドリ。
楽園を思わせる豊かな世界を確かな筆遣いで克明に生き生きと
描き上げました。重厚でありながら透明感のある力強い作品です。

近づいてみました。


クジラの親子周辺に滝のように流れる海水の表現には胡粉を使い
何度も流しかけ水滴を散らしました。様々な青を使い分け綿密に
表現された海は深く空は広く動き続けているように感じられます。

どの主題にも真摯に向き合う姿勢が作品の強さとなっているKさんの
過去の作品はHP「上郷森の家絵画教室及川みほクラス」の
作品集”の中のKさんのページに制作順に掲載されています。
ぜひこちらもご覧下さい。


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10月三回目の教室 秋めく森

2022年10月18日 | 教室風景

明るい曇りで時折雨が降る不安定なお天気で
朝から蒸し暑く小さな蚊が活動していました。


タマバエに寄生された実がほとんどだというノブドウに
食べられたような痕がありました。
人間が調べる場合は実を割るだろうしリスだったら実をもぐだろうし
いったい誰の仕業だろう。。顎の丈夫な昆虫でしょうか。


二週間前に探したとき一株しかない!と驚いたイヌセンブリは
他の株もあるのがわかり、蕾もたくさん。安心しました。

10月3回目の教室日でした。2回連続あいにくのお天気。。


近くの森で小鳥が歌い遠くで子供たちが歓声をあげているのも聞こえます。
環境の素晴らしさに感謝しながら心穏やかに新作に取り組みます。


乾き待ちの時間がもったいないので、2つの作品を同時進行するか
1つの作品でも作業の組み立てをよく考えて待たない工夫をするか。。
他のメンバーの作業を見学したりして雨の日ならではの過ごし方をします。

朝も昼も歩いている時は傘をささずにすみました。


セイタカアワダチソウが満開、木々が秋色に変わり始めました。

キタテハ、ヒメアカタテハ、ホウジャク類がビュンビュン飛び回り
なかなかとまってくれません。

ようやくモデルになってくれたのはチャバネセセリ


愛らしいオジロアシナガゾウムシ
成虫越冬なのだそう。


ヤマトシジミは幼虫越冬。。


黄金色のクモの糸に雨粒がついてまるでハチミツ♪

そんな糸をたどっていくと


巣の中で獲物がかかるのを待つアオオニグモらしき美しいクモが。


軟体部分が黒いカタツムリがいました。
白っぽいベージュ色の体を見慣れているのでおやっと思いましたが


ふたたび会えたカタツムリも黒っぽい。そんなに珍しくはないのかな?

梅雨に逆戻りしたような森は活気に満ちていました。


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10月二回目の教室 コシオガマ咲く

2022年10月15日 | 教室風景

10日前は黄緑色の蕾をたくさんつけていたコシオガマ。
花盛りを見逃したかもしれないと心配していましたが


間に合った♪
以前コシオガマを発見した場所は根際からの草刈り、密生を繰り返し
今は草ぼうぼうの為コシオガマの存在が確認できなかったのですが
昨年にロープで囲んでコシオガマを保護している場所がわかり
そこでの開花を楽しみにしていたのです。


優しい風情ですが半寄生植物。
葉緑体を持っていて自分で光合成ができ自力で生きていくことができるけれど
水や無機栄養分を他の植物の根から分けてもらうこともするそう。


葉緑素を持たずススキなどのイネ科に依存する寄生植物、
ナンバンギセルもまだ咲き残っていました。

10月2回目の教室日は霧雨が降ったりやんだりのすっきりしないお天気でした。


暑くもなく寒くもなく冷暖房いらず。快適な気温で気持ちよく描けますが
湿度が高いので乾き待ちの時間が多く、のんびりペース。


雨が上がった午後、Kさんが日本画作品を完成させました。
のちほどご紹介いたしますのでお楽しみに☆

森は静かでした。一か月前まで蝉時雨でにぎやかだったのに。

あちこちでこんな美しい網が見られました。
雫をたたえた蜘蛛の糸の先をたどっていくと


ビジョオニグモでしょうか、見事な網の作り手が葉の中の巣で
呼び糸に神経を集中させて獲物がかかるのを待っていました。

小さなホウジャクの仲間が狭い道を行ったりきたり。
後をついていくと


ホトトギスの花で吸蜜していました。


キマダラオオナミシャクにも会えました。
前回の出会いは梅雨の最中の6月末、その時も雨に濡れていましたっけ。


盛りを過ぎたアザミの花にマルハナバチ


シリアゲムシのオスが葉の上でじっとしていました。
終齢幼虫で越冬するということですから、そろそろ眠りにつくころ。。

森の緑色がくすみ、黄色がかってきました。


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猛毒カエンタケを食べるセンチコガネと紫色の花々

2022年10月13日 | 自然

ナラ枯れ病がまん延し多くのコナラやクヌギやシイが伐採された森。
朽ちてゆく木々の周りでカエンタケが発生していました。


朱赤の指が地面から出ているようでいかにも毒々しい。


触れただけで激しい皮膚炎、小指の先ほど食べれば死に至るという
カエンタケがこんなにたくさん!

出始めの真っ赤なもの、オレンジ色のものといろいろある中で


傷んで崩れ始めたカエンタケにかぶりつくセンチコガネが!
大丈夫なのだろうか。。
カエンタケはキノコであるがカビに近い仲間だそう。

このセンチコガネが本当に食べているか観察しましたが
元気よく頭を上下させていました。今思えば動画を録ればよかった。


近くの切り株で別のセンチコガネがこんな体勢で静止していたのが
気になりました。まるで漂う香りを嗅いでいるような。。

やがて眠りからさめたように動き出すと、上のカエンタケへ一直線。
根元の方で動かなくなったので撮影できませんでしたが食事しているよう。
センチコガネにとって傷み始めのカエンタケがご馳走とは!


こちらは同じ森で出会ったオオセンチコガネ。
頭楯が長めの台形、背部中央の線が前の方まで伸びています。
前出のセンチコガネは頭楯が半円形、背中の線は半分。

見分けるためにいつも顔まわりを撮ろうと努力するのですが
センチコガネ類はすぐ土の中に潜ろうとするので難しい。

10月中旬の森には紫色の花がいろいろ咲いていて


トリカブトの花が見ごろ


トラマルハナバチが花から花へ飛びまわっていました。

人間にとっては毒のものが他の生き物には問題ない例は
たくさんあると知っていても何だか心配になります。


セキヤノアキチョウジ


リンドウ


イワシャジン


ノコンギクの仲間

紫色の秋の花は増えていましたが木々の紅葉は始まっておらず
食べられるキノコは見つけられず。秋の森の楽しみはこれからです。


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10月の森の白い花々

2022年10月10日 | 自然

午後2時頃から雨が降り出すという予報でしたが
朝は青空が出ていたので丹沢方面の森に行きました。

さっそく、薄暗く湿った小道で


きれいなキノコ!
はじめツチグリの仲間なのかと思いましたが
家にある本で見たり検索するとフクロツチガキであるように思えました。

今は白い花が目立っていて


ホトトギスの白花


マツカゼソウ


蕾が淡いピンクで愛らしいイヌショウマ


イヌショウマではハナバチが花粉を集めていました。

数多く咲いていたのが


カシワバハグマ


カシワバハグマの花に来ていたツチバチの仲間を撮っていたら
後ろに枯葉のようなものが引っ掛かっているのに気が付きました。

あらためてよく見ると


小さなホウジャクでした!ホシヒメホウジャクのようです。
気温が下がって雨も降りそうだったから静止していたのかな。

ビックリさせないよう少しずつ近づいて撮らせてもらいました。


右背後から


お腹側から
飛んでいるときは速すぎてわからない体の凹凸まで
じっくり見させてもらいました。

今日ここに来てよかった~♪
満足の吐息をついて立ち上がり、ふと冷静になると
湿った道で数分しゃがみこんでいた!という事実に気づきました。

おそるおそる足元を見ると


やっぱり!
まだ小さいヤマビルが猛スピードで長靴を上がってくるところ。

急ぎ明るくひらけた所に出て帽子や上着、靴下など総点検したら
長靴に小2匹、膝に大一匹。幸い吸血されておらず
麓に連れ帰ることのないよう棒でこそげ落としました。

次回こそ塩を持とう。嫌だけれど虫よけも持とう。
蚊、ヤマビル、マダニ。晩秋までは油断ができません。


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