蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

野球ゲームのリアリティ

2012年07月13日 | 野球
野球ゲームのリアリティ

7月10日のロッテ戦で約2カ月ぶりに勝利投手になった日本ハムの武田勝投手を評した7月11日付の読売新聞の記事が面白かった。(以下、一部引用)

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4月29日以来、実に2カ月以上遠ざかった白星。2点台前半の防御率が示すように、内容は悪くない。その間、「調子は悪くないので、いつかは勝ちはついてくる」と言い聞かせるように何度も口にした。もちろん、悔しくてたまらなかった。自宅に戻れば、自らも登場する野球のテレビゲームで、「武田勝」を操り、勝つまで試合を繰り返した。心が折れそうになったが、球場では、投手陣のリーダーとして毅然と振る舞った。
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プロ野球選手でも野球のビデオゲームを熱心にやったりする、しかも、自分自身ロールで、というところに驚いた。
まあ、そういう状況でも違和感がないほど、最近の野球ゲームのリアリティはすごい、ともいえるのだろう。

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グラゼニ

2011年09月13日 | 野球
グラゼニ

「グラゼニ」という野球マンガがあって、先日単行本(1巻)を読んだが、とても面白かった(絵がナニなのは残念だが)。

グラゼニは「グランウンドには銭が落ちている」の略で、年棒という観点からみたプロ野球界を描いている。
主人公の中継ぎピッチャーは、引退後の生活を視野にいれて、常に年棒を気にしながらプレーしている。自分より年棒が低い相手には強いがそうでない打者には打たれる。しかし、非常に高年棒の打者にも強い。

実際、プロ野球の世界でも上場企業の部長クラス(1500~2000万くらい?)を超える年収を得ているのはほんの一握り。厳選されたエリートだけが入ることができる(プロになるのは東大を出て高級官僚になるより難しそうだ)世界で、現役期間が短くて、常にケガの危険と隣り合わせ、なのに金銭的見返りとしてはイマイチなのかもしれない。


それで、思いついて9月10日のソフトバンクとロッテの先発メンバー(投手除く)の推定年棒を調べてみた。(宝島社の「選手データ名鑑2011」による。伊志嶺とカスティーヨは私の憶測。単位万円)

ソフトバンク
1川崎(24000)2本多(11000)3内川(17000)4松中(20000)5小久保(30000)6松田(4200)7長谷川(4000)8福田(950)9山崎(2800) 合計(113950)
ロッテ
1伊志嶺(1000??)2岡田(1000)3角中(700)4カスティーヨ(2000??)5井口(18000)6福浦(10000)7里崎(12500)8根元(2330)9早坂(1350) 合計(48780)

うーん、3倍まではいかないけど、大きな差。
この試合は大差でソフトバンクが勝ったし、ソフトバンクは首位でロッテは最下位だけど、まあ年棒だけ見てたら、うなずけるよなあ。なにしろ、ソフトバンクのベンチにはこの他にもカブレラ(18000)や多村(18000)までいる。
レギュラーはほんの一握りで、大半の選手は1000万円未満だから平均年棒にすると差が小さく見えるけど、試合に出てるメンバーで比較すると格差は大きい。
だいたい、ロッテの合計より、ラミレスやダルビッシュの方が年棒高いってどうよ。
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愛しのマリーンズ

2010年11月13日 | 野球
私は、1カ月に1回くらいは球場へ見に行って、BS12の中継があればほぼ欠かさず見て、勝ち試合は残らず新聞をスクラップする、という程度には熱心な千葉ロッテマリーンズファンである。

マリーンズは決して裕福なチームではなく、特に今年はコスト削減圧力がかかったと見えて、選手も含めた日本最高級の給料を払っていた監督を(かなり無理して)クビにし、長年チームのエースだった投手(年棒もトップクラス)をほぼ無償に近い(見返りの選手があまりにも不釣合)トレードで放出し、レギュラークラスのキャッチャーをFAで出し、クローザーだった外国人投手は年棒でもめて契約せず、さらにはシーズンはじまってから有力な中継ぎ投手を金銭トレードで出した。これじゃ今年は最下位かいな・・・と思えたのも無理はなかった。
シーズン前に、他球団をクビになった、どうみてもロートル(失礼)の選手をかき集めていたのも、なんか貧乏くさくていやだった。

ところがシーズンが始まってみると、あっと驚く快進撃。
故障者が出て失速し夏場に7連敗して、ああやっぱり今年はズルズル最下位か・・・と見えたが、なんとか踏みとどまり首位に肉薄したがまた連敗。
最後の3戦で3連勝しないと3位になれない土壇場では、「勝ってください」と言っているオリックス相手にフラフラよろめきながら何とか勝ってCS出場。(岡田監督はCS絶望になったので「邪魔はしない」という物分りのよさを発揮してくれてエースを登板させなかった。あそこで金子がでたらCSに行ってたのは間違いなく日ハムだったろう。むかし、抗議で試合時間を引き延ばしてまで優勝争いをするチームにいやがらせしたロッテの某監督となんという人間性の違い!)

今年のロッテのクライマックスはCS第一ステージ第一戦9回表だったろう。8回裏4点とられて「もうあかん」とTVを切ってしまった私は深く後悔した。なんと9回表、自らクビにしたシコースキーを打って同点!(もしかしてシコの恩返しだったのか???)
これで、怒涛の勢い、里崎風にいえば台風級の追い風が吹いて、一気に日本シリーズ制覇・・・ファンからしてみると夢を見ているような結末でいまだに現実のものとは思えない。

西岡や井口の活躍はもちろんだが、ドロナワ的補強だった戦力外選手(的場、秋親、今岡、川越)も支払った給料からしたら十分すぎる働きをしたのも妙にうれしかった。特に的場がいなかったらチームは大崩れしたにちがいないと思う。

日本一になったとたん、西岡、小林と主力選手が早々に離脱表明。給料が高い彼らを引きとめようという気がさらさらないというのも、相当にさびしい(つーか、貧乏所帯に何のかわりもない(というより成績がいいと選手を出さないといけなくなる)のが悲しい)のだけれど、まあ、ファンとしては日本一でほぼ腹一杯。あと3年くらいはもちそうなので、その頃にはまた帰って来るかも・・・(やっぱり雇いきれなくなって放出した薮田は戻ってきたし、藤田も出戻りくさいし、もしかしたら小林(雅)も・・・)。

と、いうことで、今年は5年ぶりにシーズンを最後まで満喫できて幸せでした。来年は荻野、清田、岡田(もしくはイシミネ)で固めた外野(サブローはDHで体をいたわってもらう)が見れれば成績はどうでもいいか・・・という感じ。(敬称略)
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投手のリズム

2010年04月10日 | 野球
投手のリズム

土曜日の午後、試合終了までの放送が保証された(NHK)プロ野球中継をぼけっと見ているときが、私が最もリラックスできる時間かもしれない。
ひいきチームでない方がよりぼんやりできるが、今日(4月10日)は、ひいきの巨人の対中日戦で、しかも先発転向した山口が投げていて、ちょっとハラハラしなければならなかった。

8回裏、巨人の攻撃。
4-3と巨人が1点リード、ワンアウト1塁でマウンドは今季絶好調の中日救援陣の一人、鈴木。バッターは8番エドガー。2ボールノーストライクとなったところ。

9番はピッチャーの越智。8回表2アウトからの登板でクローザー不在の中、9回も続投が予想されたので、中日ベンチは敬遠を指示。
しかし、キャッチャーは外角にはずせという仕草をしたものの立ち上がらず、敬遠の指示が鈴木には伝わらなかった。
鈴木は何度も1塁ランナーを気にしている。たまりかねて森野が「敬遠だぞ」と伝えにいった。

1塁が空いているわけではないので、鈴木は意外だったのだろう。また敬遠の指示を見逃した動揺みたいなものもあったのかもしれない。次の越智への投球は明らかにぎこちなく、どうみても当たりそうにないスイングの越智(プロの一軍で打席にはいったのが確か6回目)に外野まで持っていかれ、前進守備の頭をこされてしまった。

テレビ解説者も、さかんにリズムの崩れを強調していたが、本当にピッチングって微妙な均衡の上に成り立っているのだということを見たような気がした。
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山井投手の交代について

2007年11月02日 | 野球
今日、週末の居酒屋ではお父さん達が、日本シリーズ第5戦について熱く語りあっていそうです。中日の(突然変異的な)強さについてでも、ダルビッシュのピッチングについてでもなく、9回の投手交代について。

落合監督は、パーフェクトピッチングを8回まで続けた山井を9回の、それも頭から交代させました。
中日はここまで3勝1敗、エース川上、好調の中田を温存しており、このゲームはもともと捨てるつもりだったであろうにもかかわらず、です。

これを知った時の私の最初の感想は「落合監督の度胸はすごいな」でした。9回に投げる岩瀬へのプレッシャーはものすごいものになるはずで、万一、逆転でもされようものなら、一気にシリーズの流れが変わってしまうかもしれない。
8回が終わった時点で凡人なら「このゲーム、山井が打たれて負けてもダメージはほとんどない」と考えてしまうところです。そういう意味では慎重な采配というより、むしろ勝負をかけた積極的な決断であったとも思います。

この交代についての一般的に想定される評価を最もうまく表現していたのは、日経新聞の浜田さんの記事でしょう。「(この交代は)“野球的”には正しい。しかし、“エンタテインメント的”にはどうだろうか」
もともと落合監督は興行面を軽視して勝負にこだわる監督です。だから「黄金時代」といえるほどの成績を続けながらフロントにはいい感情をもたれていないようです。(もっともどちらかというと投手交代は遅めで、時には温情的な続投もあったように思うのですが)

私が気になったのは、山井投手のこれからです。
彼は交代を命じられて素直にそれに従ったようです。
プライドあるプロ選手なら、あの場面で「交代だ」といわれたら、「冗談じゃない」と激怒して続投を訴えるのが普通なのではないでしょうか。
そうしなかった選手は、天狗になるほどの意気と度胸が必要なエースになることはできないような気がします。

もし、これが、若い時の星野(仙)投手や(現役なら)工藤投手だったら・・・いや、落合監督自身が同じようなシチュエーションに選手として立たされたら・・・彼らは監督やコーチの制止を振り切ってでもマウンドにあがろうとするに違いないでしょう。
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