マネーロンダリング入門(橘玲 幻冬舎新書)
タイトルが「マネーロンダリング入門」で著者が橘玲さんなので、合法的あるいは法律スレスレのノウハウが書いてある本かと思ったのですが、大半は実際に発生したマネロン絡みのいくつかの犯罪の概略を紹介した本です。
私が橘さんの著書が好きなのは、そのクールで多少アイロニカルな語り口にあるのですが、この本では、先に述べたように、過去の事件の紹介が多く、そのせいか平板で説明的な文章になりがちで、ちょっと興ざめでした。
読んでよかったと思えたことは、北朝鮮への金融制裁がどのように行われたのかがわかったことでした。なぜ、マカオにある小さな銀行の口座をアメリカが効果的に凍結できたのかがよく理解できました(銀行の外為業務の知識がある人なら誰でも知っていることだとは思いますが・・・)。
ところで、日本では政府、法人、個人問わず相当の米ドル預金(もしくはドル建て資産)を持っています。それらのドル預金等を凍結することは(北朝鮮への金融制裁と同じ方法で)アメリカ政府にはとても容易なことです。
本当はその事実の方が、物騒な近隣国の存在よりやっかいなことであるとも言えるような気がします。
タイトルが「マネーロンダリング入門」で著者が橘玲さんなので、合法的あるいは法律スレスレのノウハウが書いてある本かと思ったのですが、大半は実際に発生したマネロン絡みのいくつかの犯罪の概略を紹介した本です。
私が橘さんの著書が好きなのは、そのクールで多少アイロニカルな語り口にあるのですが、この本では、先に述べたように、過去の事件の紹介が多く、そのせいか平板で説明的な文章になりがちで、ちょっと興ざめでした。
読んでよかったと思えたことは、北朝鮮への金融制裁がどのように行われたのかがわかったことでした。なぜ、マカオにある小さな銀行の口座をアメリカが効果的に凍結できたのかがよく理解できました(銀行の外為業務の知識がある人なら誰でも知っていることだとは思いますが・・・)。
ところで、日本では政府、法人、個人問わず相当の米ドル預金(もしくはドル建て資産)を持っています。それらのドル預金等を凍結することは(北朝鮮への金融制裁と同じ方法で)アメリカ政府にはとても容易なことです。
本当はその事実の方が、物騒な近隣国の存在よりやっかいなことであるとも言えるような気がします。