蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

人間動物園

2008年06月09日 | 本の感想
人間動物園(連城三紀彦 双葉文庫)

政治家の孫娘が誘拐され身代金を要求されます。
父母は離婚しており孫娘は母親と二人暮らしで、母親宅には犯人があらかじめ多数の盗聴器を仕掛けて監視しており、警察は対応に苦慮。
警察は、母親宅の隣家の協力を得て、盗聴器で聞きとられないよう手紙で母親とやりとりします。
父親が政治家から預かった身代金を母親宅まで運んできますが、到着して中を見てみるとそれはただの紙切れで、やむなく犯人の要求通り紙切れを車で運ぶことになりますが・・・

連城さんの「黄昏のベルリン」は面白かったなあ。あまり評価されていないような気がするけど「どこまでも殺されて」も良かった。最近あまり新作を見かけないような気がするけれどどうされているのでしょうか。

多作で売れっ子作家は、どうしても作品の基本構造みたいなのが画一化しがちだと思うのですが、連城さんの場合は、作品ごとにテーマやパターン、語り口が違ってきらびやかな才能が感じられました。

この作品はタイトルから、私は、誘拐をめぐる人間関係のもつれみたいなのを描く心理ドラマ、と想像したのですが、連城さんとしては珍しい、けっこうハード系のミステリでした。
終盤で舞台がガラリと入れ替わってストーリー風景がいっぺんに変わってしまうような意外感があり、楽しめます。
コメント
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