羊の目(伊集院 静 文藝春秋)
浅草のやり手のヤクザの親分に育てられた捨て子が主人公。
育ての親の親分からのものなら、どのような命令でもこなす主人公は、やがて都合のよい鉄砲玉として利用され、刑務所で覚えた必殺技で、親分の敵を次々に殺害する。
えーと、評価している書評もありましたが、伊集院さんの作品としてこちらが期待するものとはだいぶ較差があったように思います。
説明的な文章が多いし、主人公があまりにオールマイティだし、筋はありきたりでご都合主義的(戦地で助けた外人が実はマフィアの大親分で、その大親分が占領地に進駐して来た時、偶然自分を助けたのが主人公であることを知り、それから随分時を経てアメリカで殺人を犯した主人公を恩返しとして匿う・・・って、いくら小説でもありえねーって感じ)。
主人公の必殺技が、千枚通しで心臓を一突き、という仕掛人みたいなのも、なんかしらけちゃいます。
もちろん、普通のエンタメ小説としてなら、リーダビリティも高く、起伏があるストーリーで楽しめるのですが、私としては、伊集院さんには、なんというか、もうすこし格調がある香り高い小説を期待したいところです。
浅草のやり手のヤクザの親分に育てられた捨て子が主人公。
育ての親の親分からのものなら、どのような命令でもこなす主人公は、やがて都合のよい鉄砲玉として利用され、刑務所で覚えた必殺技で、親分の敵を次々に殺害する。
えーと、評価している書評もありましたが、伊集院さんの作品としてこちらが期待するものとはだいぶ較差があったように思います。
説明的な文章が多いし、主人公があまりにオールマイティだし、筋はありきたりでご都合主義的(戦地で助けた外人が実はマフィアの大親分で、その大親分が占領地に進駐して来た時、偶然自分を助けたのが主人公であることを知り、それから随分時を経てアメリカで殺人を犯した主人公を恩返しとして匿う・・・って、いくら小説でもありえねーって感じ)。
主人公の必殺技が、千枚通しで心臓を一突き、という仕掛人みたいなのも、なんかしらけちゃいます。
もちろん、普通のエンタメ小説としてなら、リーダビリティも高く、起伏があるストーリーで楽しめるのですが、私としては、伊集院さんには、なんというか、もうすこし格調がある香り高い小説を期待したいところです。