蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

メトロポリタン美術館と警備員の私

2024年12月20日 | 本の感想
メトロポリタン美術館と警備員の私(パトリック・ブリングリー 晶文社)

著者は大手出版社に勤務していたが、やりがいのない仕事に倦んでいて、兄の若死をきっかけに美術館の警備員(展示場に立って見張りをする人)になる。警備員の経験とメトロポリタン美術館の収蔵絵画の素晴らしさを語ったエッセイ。

美術館の警備員ほど展示されている絵画を時間をかけて見つめられる職業もないだろう。著者のように、絵心があり(本作にも自身によるスケッチが収録されている)、浮世に嫌気が差した人が回復する場所としては、この上ない機会だったようだ。

メトロポリタン美術館に行ったことはないが、本書を読む限り、収蔵品は多岐にわたり、野球カードなんかもあるそうで、博物館に近いものがあるのかな、と思えた。

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