蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

地面師たち(TVシリーズ)

2024年12月14日 | 映画の感想
地面師たち(TVシリーズ)

ハリソン山中(豊川悦司)率いる地面師グループは、並の案件には飽き足らず、高輪の寺が持つ100億円規模の土地を狙う。グループの交渉担当の辻本拓海(綾野剛)は、かつて自分と父親が地面師詐欺の被害にあっていたが、今はハリソンの忠実な部下となっていた。辻本は寺の住職の尼様がホスト狂いであることを突き止め・・・という話。

流行りはじめ?の頃のオレ詐欺が、なかば笑い話(そんなのに騙される人いるの?)的に扱われていたように、昔は地面師詐欺もそれ系の、(語弊があるが)騙される方が悪い、と思われていた時期があると思う。
しかし、オレ詐欺が今や社会を揺るがすような深刻さとなってきたように、地面師詐欺も、本作のモデルとなった事件以来、重大な犯罪として認知されたように思う。

本作でも語られているように、デベロッパーとしては大手とはいえなかったS社には、焦りがあって、普通なら当然行う地主本人の内偵も近所での聞き合わせも行わず、「社長案件」として強引に社内稟議を通したことが、まさかの結果をもたらしたようだ。

しかし、事件以上に(私が)スゲエな、と思ったことが2つある。
一つは、詐欺案件の土地は事件後すぐに別の大手が買い取ってさっさとマンションを建ててしまったこと。
もう一つは、詐欺にあった案件の担当者の後ろ盾だったS社社長が、その後の社内抗争で(中興の祖といわれ強権をふるっていた)会長派に勝ってしまったことだ。

詐欺の裏側を描いたコンゲーム的なエンタメ作品なんだろうなあ、と思って見始め、最初の小さな案件のあたりまではその通りだったのだが、だんだん血生臭くなってきて最後はヤクザ映画みたいになってしまったのがちょっと残念だった。
豊川悦司は、最近はやさしいお父さん役とかI気がいい?部長役など穏やかな役柄が多くなってきたような気がするが、やはり本作のような陰がある悪役がバツグンに似合っているなあ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« グレイスは死んだのか | トップ | 私はヤギになりたい »

コメントを投稿

映画の感想」カテゴリの最新記事