蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

駈込み女と駆出し男

2016年03月18日 | 映画の感想
駈込み女と駆出し男

江戸時代末期の縁切り寺(東慶寺)に駈込んだ女性たちの人生模様と東慶寺の御用宿で働きながら戯作者見習いをする男の恋を描く。

何人もの人物のエピソードが並行して描かれるので、前半はやや話がわかりにくかったが、終盤になってうまく収束されていた。

ストーリー展開よりもセットや美術の美しさに目がいった。映画村のセット風の映画やテレビでよくみるようなお仕着せ?の江戸時代の風景はほとんどなく、浮世絵や古い写真などで見かけたような景色が多く、御用宿のセットもかなり凝ったデザインになっていたように見えた。

本作のエンディングによると東慶寺は2000人余もの離縁を実現させたそうである。厳しい身分制・男女差別の中でもラストリゾートは確保し、縁切りまでのプロセス(本人や縁者からの聴取→2年間の寺修行→男性側から形式的に離縁状を出させる)も非常に民主的で?改めて江戸の行政機構の精妙さを感じさせられた。
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真田丸 第8回 調略

2016年03月18日 | Weblog
真田丸 第8回 調略

大河ドラマはだいたい3回目くらいで見るのをやめてしまうことが多いのですが、今のところ「真田丸」は毎週欠かさず見ています。
こんなことは「龍馬伝」以来で、単に三谷さんの脚本が好きなだけかもしれませんが・・・
そういう贔屓目を割り引いても第8話「調略」は特によかったです。とてもややこしい筋をあんなにわかりやすく説明したうえに、策謀をめぐる信繁の微妙な心理もうまく描けていたように見えました。

その「龍馬伝」が(香川さんの怪演?により)いつの間にか「弥太郎伝」になってしまったように「真田丸」が「徳川丸」になってしまいそうな予感がします。

どうも信繁のコイバナや奥方の浮き方がウザくてぱっとしない真田家(あくまで私見です。ただし、昌幸は別格。何十年か前の幸村役の好演がいまだに強烈に印象に残っているせいでしょうか。私のような年寄にはこのキャスティングはこたえられません)に対して、徳川側の家康自身や家中(といっても今のところ本多正信・平八郎(忠勝)、阿茶局くらいしか出てきませんが)の方が断然面白いんですよね。

正信は(これまで陰惨なイメージしかなかったのですが)近藤さんの剽軽さがなんとも良く、藤岡さん演じる平八郎は「きっとこんな人だったに違いない」と思えるほどハマっています。
そうした二人に翻弄?される家康は、内野さんがダンディさを振り捨てて?気弱で優柔不断な姿を演じています。最後までこういう家康でも面白いし、だんだんと鉄面皮な狸おやじに変貌していくという展開でもよいです。(後者になると思えますが、個人的には前者希望)
また、平八郎は(信之の舅になるため)今後も重要人物として出続けるはずなので楽しみです。

私としては「徳川丸」になってしまっても全く構わないのですが、視聴率のためには真田方が悪者っぽい信州争奪戦は早めに切り上げて、関ケ原以降を多くした方がいいかもしれません。
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