蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

千葉ロッテマリーンズ 2019年シーズンを振り返って

2019年11月04日 | 野球
千葉ロッテマリーンズ 2019年シーズンを振り返って

弱いチームのファンとしては、優勝なんて大それた望みは抱いておらず、なんとか5割程度を維持して大型連敗をしなければ満足、といったこところです。ですので、今年の結果に不満はありません。
月ごとに見ても毎月ほぼ5割で、ある意味ファン心理としては非常に安定したシーズンだったとも言えます。(以下、敬称略)

2018年は、荻野がスタメンにいるうちは調子よく、彼が故障してしまうと成績がガタオチになりました。今年はほぼ通年出場でき、さらに3割越えのアベレージを残したのですから、これがチームの安定感の大きな原因だったと思います。来季反動がきそうですが、これまで故障が多かったから使い減りしていない、とも言え、できるだけ長く活躍してもらいたいです。

① 投手
吉井コーチのシーズン全体を見通したリソース管理のおかけで、何回も崩壊しかけた先発もブルペンも際どいところで踏みとどまったように見えました。
開幕早々先発陣総崩れで、どうなることかと暗然とした気持ちになりました。当時、吉井コーチが「まだ4月だし」みたいなコメントをしていたのですが、キャンプの負荷が軽かったという評判を聞いていたこともあり「そんなにのんびりしてて大丈夫か?」と心配でしたが、ちゃんと先が見えていたのですね。多分。

先発陣は涌井の衰えが激しく、明らかに世代交代の時期です。種市、岩下といった、ロッテらしくない、自家育成かつパワー系の若手投手のめどはたちつつあり、昨年の今思えば奇跡のようなボルジンガーの活躍の反動を埋められました。
西野の復活にもけっこう驚きました。首脳陣に見込まれたのか、オープン戦で打たれても打たれても投げさせたり、シーズン半ばで先発に転向させるなど、試行錯誤がいい結果に結びついてうれしかったです。
個人的に小島クン(高校時代からずっと応援していたので「クン」をつけたくなります。ロッテに入ってくれてうれしかった)がお気に入りなので、来年も先発として活躍してもらいたいなあ、と祈っています。

救援陣は、益田が最後までクローザーとして力を発揮できたのが、とても大きかったと思います。FAするつもりでがんばっているんだろうなあ・・・と勘ぐっていました。申し訳ございません。
シーズン後半は「魔の8回」といった感じでセットアッパーに課題を残しましたが、先発同様、シーズンの頭と終りではガラッとメンツが変わってしまった割りには結果はまあまあだったと思います。東條の進化が印象に残りました。

② 捕手
田村は故障もあったのか、出たり出なかったりの時期があり、その時に吉田が故障してしまい、どうなることかと思っていたら、柿沼がまさか(失礼)の活躍でカバーしてくれました。
田村はもともと打てる選手のはずですし、年々アベレージも上がってきていりうので、来年あたり3割近く打ってくれないでしょうか。森ほどでなくても捕手がアンパイでないと、それだけで随分打線の迫力が違うので。

③ 野手
頑張ってもがんばっても冷遇される鈴木、今シーズン初はついにポジションを失ってしまったのですが、外野までやらされながらキャリアハイの打撃成績を残したことには頭が下がります。残留してもらいたいのですが、これまでの仕打ちを考えると難しいかもしれません。

井上はまあまあだったのものの、中村は1シーズン限りの開眼だったのでしょうか。不運な当たりが多かったような気はしますが・・・

プリンス平沢の敵に見えるせいか、ロッテファンからも非難を浴びることが多いように見える藤岡ですが、守備は他のチームのショートと比較しても遜色ないと思います。平沢は多分送球イップス気味ですよね。それが打撃にも影響しているように思え、外野専念に踏み切るべきかと。

レアードはジキル博士とハイド氏みたいな成績の乱高下で、同じ人とは思えませんでした。見かけと違って?実年齢はさほどのトシでもないので体力的なものとも思えないのですが。
外人にもよりますが、DHは角中がいいかと。DHと決め打ちしたら本人も覚悟を決めて集中力が高まるように思います。

④ 編成・用兵
投手のところで述べたように、吉井コーチのシーズン全体をにらんだ起用が素晴らしかったと思います。

積極的な走塁はどうなってしまったのでしょうか?西武の強さって、打撃と走塁の相乗効果によるところが大きいと思います。

毎年そうかもしれませんが、「ここで勝てば波に乗れる」といいう試合で脆かったですね。大逆転した中日戦の次の試合とか、ここ3タテしたら優勝まで見えるかも、と真夏の夜の夢を見かけた8月上旬のソフトバンク3戦目とか。

観客数は今年も12球団最下位。やはりスーパースターといえる野手がいないせいでしょうか。ただ、個人的にはもうこれ以上球場が混雑しないでほしい、というのが本音。昨年黒字だったそうですから、今年もそこそこの経営成績のはず。楽天とかDeNAと比べると球場内外のムード作りはやや劣る感じですが、昔と比べるとずいぶんよくなりました。なので、まあ、今のままくらいでもいいのかも。
人気NO.1のチームのファンより人気最低のチームのファンの方がかっこいいですよね。(そんなことないか??)

⑤ 来季の展望
レアード&マーティン?が今年のように活躍してくれないと、ガタガタになってしまいそうな心配があります。活躍してくれるという前提に立ったとしても安田、藤原あたりの上積みがないとなかなか上位に行くのは厳しそうです。ヤクルトの山田&村上みたいになってくれないものかしら。
来年もBクラスだとさすがにクビが寒くなりそうなので、来年は勝利にこだわった采配になりそうで、ガマンして若い人を使い続けるというのは現実的ではないかもしれませんが。

来年は涌井を8回か9回に使うのはどうでしょう。西武では10試合連投連続セーブとかありましたよね(それがイヤで出たのかもしれんけどね)。長い回を投げないと調子が出ないとかは、気分の問題として割り切り、思い切った決断をしてもらいたいなあ、と思います。あの江夏だってリリーフになったんだから。


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新感染 ファイナル・エクスプレス

2019年11月04日 | 映画の感想
新感染 ファイナル・エクスプレス

冷徹なファンドマネージャであるソ・ソグは離婚して娘のスアンを引き取り、自分の母と3人暮らし。スアンが母に会いたいとせがむので、釜山行きの急行列車で連れていくことにする。その列車には感染すると狂暴化し、他人に噛み付いて感染を拡大しようとするウイルスの保有者が乗っており・・・という話。

「新感染」という邦題はいかにもベタすぎないだろうか。原題は「釜山行き」とのことなので。

私の妻も娘も韓国ドラマが大好きで、録画を撮りためては二人でワイワイ観ている。チラリ見しただけでも、あまりに画一的な展開(イジメぬかれた主人公がついには・・・)にゲンナリする。
さらに(私は)ゾンビ映画もキライなのだけど、いきつけのツ●ヤの旧作?ランキングで上位にあり、かつ未見のものは本作くらいだったので、観てみることにした。

ゾンビ映画の文法をふまえてはいる(ただし、感染→発病のリードタイムは異常に短い。また、グロいシーンが抑制気味なのはよかった)ものの、韓国風?全開で、邦題さながらのベタベタな内容だった。
ところが、本作ではゲンナリするどころか、クライマックスで主人公が娘と決別するあたりではジーンとしてしまった。

普段は家族が観ているのを盗み見する程度だから韓国ドラマの良さを理解できていなかったのかもしれない。先入観を持たずに没入すれば違う世界が開けてくるのだろうか??
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罪の声

2019年11月04日 | 本の感想
罪の声(塩田武士 講談社文庫)

京都でテーラーを営む曽根は、入院中の母親から頼まれモノを自宅で探すうち、英文で埋められた不審なメモ帳とカセットテープを見つける。メモ帳の内容は世間を震撼させたギン萬事件の計画を記したもののように思え、テープには事件で脅迫に使われたセリフが録音されていた。その声は曽根自身のもののように思われた。曽根は亡父が事件にかかわっていたのではないかと疑い、亡父の友人とともに、父と、過激派だった叔父の消息を探ることにするが・・・という話。

ギン萬事件というのはグリコ森永事件をモデルにした脅迫犯罪のことで、曽根の探索行と並行して大手新聞社の記者:阿久津が事件のあらましを(グリコ森永事件の史実に忠実に)語っていく。
この二重構造が本書の魅力でもあるのだが、現実のグリコ森永事件をよく知る現在の50才台以上の人(私も該当)には阿久津のパートが若干退屈に感じられるかもしれない。逆にこの事件をリアルタイムで経験していない人にとっては、この部分こそが最も魅力的なのかもしれないとも思えた。
それくらいグリコ森永事件は、事実は小説より・・・を地でいく劇場型犯罪だったんだよなあ、今さらながら。

犯罪者としての経験が豊富?そうで狡猾な犯人が身代金を奪取しようとは思っておらず、グリコなどの上場株式の空売りで儲けようとしたのではないか、というのは当時からよく指摘されていたところ。
その犯人たちが別の会社の脅迫をした時には身代金獲得に躍起になったことから全くの別グループの模倣犯か、犯人グループが分裂したのではないか?との推理も多かった。
本書も概ねこの方向でストーリーが進展する。
類書と違うのは、脅迫に使われた録画音声が子供のものだったと思われることから、犯人たちの係累であるはずの子供たちの運命に思いを馳せた点なのだが、メインストーリーが終わってから展開されるのでとって付けた感があったのと、お涙頂戴的な幕切れだったのがちょっと残念だった。
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イエスタデイ

2019年11月04日 | 映画の感想
イエスタデイ

ジャック(ヒメーシュ・パテル)は、歌手としてメジャーデビューを目指しているが芽がでなかった。全世界的な停電が起きた時、彼は車に轢かれて意識を失う。目覚めて友達からギターをプレゼントされたお礼に「イエスタデイ」を披露すると、友達が誰もこの曲を知らないことに気づく。半信半疑ながらビートルズの曲を地元のケーブルTV?で歌うと、その曲に感心したエド・シーラン(本人が演じている)が、自分のライブの前座に出てみないか、と言い出し・・という話。

話の結構としてはありふれたパラレルワールドものなのだが、パラレルワールドが「ビートルズが失われた世界」である、という発想が斬新で、ジャックが歌うビートルズの聞き慣れたはずのナンバーがとてもみずみずしく感じられた。

本作の柱はジャックのマネージャ役だったエリー(リリー・ジェームズ)との恋バナなのだが、どうにもエリーの方が素敵すぎていけなかった。おいおいジャック(パラレルの方でない世界に生きている方ね)なんかより君に似合いのいい男がいるだろ、と言いたくなる。

今やワールドクラスのスターシンガーであるエド・シーランが出演(それもカメオ的なチョイ役ではなく)してくれたのだから、どうせならジャック役をシーランにすればよかったのに!(あ、ジャック役の人が良くなかった、という意味ではありません)
そしてシーラン役は全くの別人が演じるというのもおしゃれな感じだ。
まあ、主役をできるほどの時間はなかったんでしょうね。
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ファースト・マン

2019年11月04日 | 映画の感想
ファースト・マン

役者やスタッフがいずれも有名人でスピルバーグ総指揮、テーマは月着陸という鳴り物入り?の作品にしては(少なくとも日本では)あまりぱっとしなかったようで、あまり期待せずに見ました。そのせいか、むしろ、かなりいい作品だった印象です。

テーマからするとアメリカの勝利を高らかに歌い上げる・・・みたいな内容かと思いこんでいたのですが、実際はアームストロングの苦悩や葛藤を描くやや内省的なものでした。
しかし、アメリカの勝利パターンの映画は見飽きた感もあり、むしろ新鮮な感じで楽しめました。

本作を見ているとアポロ計画ってけっこう危なっかしいものだったようです。
アメリカの示威のためとはいえ、初回の着陸を全世界にテレビ中継したのは、すごい度胸だったなあ、と思えました。陰謀説(映像はニセモノ)が出るのも無理もないかもしれません。
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