蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

平和島

2007年03月21日 | Weblog
今日の総理杯の優勝戦。植木が01でフライング。恵まれの濱野谷が00のタッチスタート。最もスタート遅かった三嶋でも06だった。

かなり昔、野中(和)が(たしか住之江の賞金王だと思ったが)「起こした後、2、3艇(フライングを)切ったと思って、ゆっくり回った」とコメントしていたこと思い出した。
結局、このレースは誰もフライングではなかったので、このコメントは強がりだったのかもしれないが、エンジンイマイチだった井口とか三嶋とかは、(当然かなり早いスタートだということはわかったはずなので)思い切って落としてみる、という勝負の仕方もあったんじゃないか、と思った。

私は、ほとんど吉田と三嶋絡みの券だった。スタート時点で終わってしまっていたので、悔し紛れの感想なのだが。

それにしても植木は平和島と相性が悪い。今村の住之江みたいなものだろうか。
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図解プロ野球「新・勝利の方程式」

2007年03月21日 | 本の感想
図解プロ野球「新・勝利の方程式」(田端到 講談社)

セ・パ12球団の監督の2006年の指揮ぶりを分析した本。えーと、プロ野球にある程度興味を持っている人になら、まあ常識の範囲かなあ、という事実が並んでいます。

私にとって目新しかったのは「ここ2年間、中日のエース川上は土日に登板していない(消化試合を除く)」ということ。
その理由は、
① 週なかばにエースが長く投げれば中継ぎが休める。
② 週の前半の3連戦、後半の3連戦のうち、重視する方に投げさせられる。
③ デーゲームが多い土日に投げると調整が難しい。
と、推測されるという。
記者へのコメントをほとんどしない等、落合監督の(興行面は軽視した)勝利至上主義はある程度知っていましたが、ここまで徹底していることは思いませんでした。

私がプロ野球を球場まで見に行くのは年2~3回で、ほとんどは土日のデーゲーム(子供連れなので)。大半の観客の来場頻度はこれくらいではないでしょうか。応援するチームのエースは絶対に土日に登場しないことが事前にわかっているというのは、そんな典型的な一般ファンにとってなんとなくしらける事実のような気がします。抜群の成績を残しながら、中日のフロントが監督続投にためらいがちだったのも、理解できるというものです。
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河岸忘日抄

2007年03月19日 | 本の感想
河岸忘日抄(堀江敏幸 新潮社)

「いつか王子駅で」が気に入ったので、堀江さんの本をもう一冊読んで見ることにしました。
フランスの河岸に浮かぶ船に住んでいる主人公の日常を描いています。
繋留された船での生活というと、貧乏くさい感じになりそうなのですが、内装や家具は年代ものの立派なもので、暮らしぶりはとても優雅。

主人公は、一日中、本を読んだり、レコードを聞いたりしてすごし、気が向くと買い物にいったり、料理をしたりします。話し相手は郵便配達夫と大家で、日本の知り合いとは文通をしています。

こうした設定は「いつか王子駅で」と共通する部分が多いのですが、この本の方が内省的な感じがしたし、フランスという舞台になじみがないせいか、「いつか王子駅で」に比べると読みにくくて、少々つまらなかったように思いました。
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邂逅の森

2007年03月17日 | 本の感想
邂逅の森(熊谷達也 文藝春秋)

大正―昭和初期の東北地方を舞台にマタギ(猟師)の一生を描く。
主人公はマタギとして一人前になった頃に地元の資産家の娘に手をつけたことを理由に故郷を追放され、銅鉱山で働くことになる。鉱山でも力量が認められるが、密猟をしていた同僚に刺激されて、自分の天職はマタギだと気づき、その同僚の故郷の村で再びマタギとなる。

印象的なエピソードを並べると・・・
①マタギは、真冬の山岳地帯で少数の仲間と野宿しながら長期間獲物を追いかける。
②雪の中でも数時間身じろきもせずに獲物を待つことができる。
③猟で鉄砲を使うことはあまりなく(銃弾が高価であるため)、多くはワナにかけたり、棒で叩き殺したりする。
④使用後の銃弾の薬莢は回収して、薬莢がまともな形をしている間は銃弾は自作する。しかし、薬莢は何度もつかうと狙ったところに行かなくなる。

昔のマタギの狩猟法や習慣が詳しく、生き生きと描かれているが、ストーリー展開ももたつくことはなく、テンポ良く進むので、とても読みやすい。二つの主要な文学賞を受賞していることにも素直に納得できる内容。

主人公は、日露戦争で狙撃兵であったという設定になっている。兵士としての物語は全く語られないが、「スゴ腕のマタギの狙撃兵」というテーマでの小説をぜひ読んで見たい。
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兵士を追え

2007年03月06日 | 本の感想
兵士を追え(杉山隆男 小学館)

自衛隊に同行取材して、隊員のインタビューを中心に構成したドキュメンタリーシリーズの第三弾。レンジャー部隊の訓練に加わったり、F15や潜水艦に乗せてもらったりと、至れり尽くせりの取材協力があるようなので、内容はどうしても自衛隊寄りにならざるを得ない。

「兵士を追え」では、実際の任務につく潜水艦や早期警戒機P3Cに乗り込んでのルポが中心。印象にのこったことをあげると・・・

・潜水艦の搭乗員は、長期間密室に閉じ込められるので燃料や調理の臭いがしみついてしまい、陸にあがると地元の人には正体がバレてしまう。

・潜水艦の操縦の中心は、操舵手ではなくて、バラストタンクの注排水を担当する人。

・潜水艦の搭乗員の航海中の楽しみは食事。で、運動不足のため皆肥満気味。

・アクティブソナーが使用されることはめったにない。

・浮上する時に上に船がいなかどうかを確認するのはソナーが頼り(当り前といえばその通りなのだが、今時はある程度の近距離なら眼で確認できるような機械があるのだと思っていた)

また、P3Cが「海上警備行動」(事実上の実戦)に出動するとき、基地施設からP3Cへ移動する車の運転手(いつも無言)が、別れ際「頑張ってください」と言ったという場面と、生まれて初めての実戦(実際、不審船の前方に爆弾を投下した)に臨んでも自衛隊きってのベテランチームであるP3Cのクルーはほとんど緊張しなかった(いつもの訓練を繰り返す感じだった)という場面が印象的だった。
後者の方は見栄もはいっているのかもしれないが、日夜訓練を職業としている人ならありえることかもしれないと思った。
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