いちよう:二千和会だより

 会報「いちよう」を通して、人生がさらに豊かに広がるよう「今も青春!」の心がけで楽しく交流しながら散策しましょう。

13の会

2008年05月31日 | 会報お役立ち

 楠会長が企画されていたという「鎌倉文学散歩」に二千和会から、Yoshi.K,Chi.S,Syk.Oの3名がゲスト参加した。(鎌倉文学館へのアプローチのトンネルと開催中のバラまつりの庭園)

 
 昨年二千和会で実施したときとは、逆のコースとなっている。鎌倉駅下車、町を北進して「吉屋信子記念館」に。ここは一年に数回しか開かないので、開館時に合わせての13の会開催。作家、信子女史の書斎が素晴らしい。北向きの落着いた雰囲気で視界が静かに広がる大きな窓、藤棚を通してその先の木々の緑や山々が借景にもなり思考が限りなく広がっていきそうな…、私はこの部屋が気に入っている。
 13の会と二千和会に所属の、立派な方がお出でなのに「いちよう」のためには、原稿をなかなか寄せてくださらない。「この文机に座って書いてください」などと、冗談めかして、本音を述べて笑った。
 

 文学館では、企画展・田村隆一~詩人の航海日誌~を開いていた。プロローグには彼の詩が写真とのコラボレーションで表現。言葉が胸にジーンと来た。

   心が眠りたいのに 肉体が眠っていない
   肉体が眠りたいのに 神経が眠っていない
   神経が眠りたいのに……(…精神が眠っていない?だったかな…)

 あとずっと続く詩だが、しっかりとは覚えていない。それを読みながら「そうよ、そうなのよ…」と、YKさんと頷く。そういう似た体験はあっても、言葉でうまく表現できない。とくに短詩系文学はズバリその個性で、真似は決してゆるされない表現法で、その感覚を煌かせながら言葉にする訳で、作るのは難しい。読み取る方は、心の奥底で鑑賞できるし、しみ込んでくる言葉たちだった。
 ここの芝生でお弁当を頂く。鳶がゆっくり飛んでいる。…と、私のそばで鳶の羽音。急降下して、隣の方の卵焼きをさらおうとしたのだ。鳶は惜しくも卵焼きを落として飛び去って行ったが、獰猛という言葉が浮かぶほど怖いと思った。
 
 「かまくらやみほとけなれど釈迦牟尼(しゃかむに)は美男におはす夏木立かな 晶子」
 確かに確かに…。
 
 前回は6月中旬だったので、ハンゲショウが見ごろだった光則寺。重兄が素敵に写真に収められたけれど、今回はニオイバンマツリが、寺中を芳しい甘い香りに包んでいた。
 長谷寺、成就院、極楽寺を回って帰路に着いた。二千和会と大きく違うところは長い距離を、すべて乗り物に頼らないで歩いたこと。家に帰って足を見たら、ソックスのゴムがきつかったせいもあると思うが、膝から下が浮腫んで更にゴム跡付近の一部が鬱血?内出血というべき?!
え~っ。こんなこと初めてだ!日頃歩いてないのがよく判った。いやいや、メタボリック防止でガードルの締め付け?の影響もあるかと独り反省した。
 
 所々、故楠重夫氏の在りし日の思い出が蘇ったシーンがあった。四十九日法要も終わって、もう極楽に辿り着いたのでしょうか? きっとあちらでもニコニコなさっていることでしょう。(合掌
 
        上:長谷寺のお地蔵様群・そこからの眺望  下:成就院、極楽寺
 紫陽花で有名な寺・寺だがまだまだその花時には早い時期。けれど、道すがらの可愛い花が賑わいを添えていた。