今を盛りに咲いている…雑草かも知れないが薬草とも言われて、独特の匂いもあり、草を抜き去っても根が残ってしまうので、またいつの間にか生えていて、なかなか取りきれない…どちらかというと、あまり好きではなかった植物、それはドクダミ。またの名を十字草とも言う。それがこの白い花を見ていると…!?
昔、同じ公務員宿舎に住み、お花の免許皆伝の立派な木製の看板を、しかしドアの中にひっそり掲げていた友達がいらした。子育ても少し手が離れて、主婦同士のお付き合いができる年頃になって、友達の輪を広げてきたころのこと。
ある日、花をたてましょう(活けること)!となったのだ。
面白かったのは、華材を集めるところから始まったのだ。それも、花屋で簡単に欲しい物を選んで買い揃えるというものではないのだ。
華材集めは何処まで行ったかは、はっきり覚えていない。しかし、車を使って少し遠く人里離れた山にまで行ったように思う。
一応若いころに草月流を、あるときは勅使河原霞さんが直に教えにいらしたり、若い陶芸家(後にかなり有名な作家に成長されたという方)もその弟子の中にいらしたり、今思うとそうそうたるメンバーがいたような教室だった。しかし2~3年程度で止めてしまったが、少しはたしなみはあった。
そこで「真しん」になる材料や「副え」になるものを、山で自然に生えているものを選んで採るのだ。配慮して立派に育てた花ではない。これで生け花を?と、心配になるような…。
これはインターネットから拝借した画像である
知らないことはおそろしいことかも知れない。そういえばそれも昔見た映画のなかで、山から枝や花を取ってきて活けるシーンの記憶がある。司葉子が演じていた。そしてその生け花を見て「誰が活けたか?凄い感覚の持ち主だ」と活け手を偉い先生が認めるという場面があった。自然を切り取ってこの狭い空間にそれぞれの花や木を生き生きと美しく飾る…これが生け花の真髄なのかも?
またまた横道に反れたが、この嫌っていたドクダミを、お師匠さんがそれは見事に活けたのだ。素晴らしい華材なんだと初めてそのとき思った。活ける人の姿勢ではあるが、「その花の良さを見いだして飾る」ことこそ、生け花なんだと思い知らされた。