保育園でお世話になっている孫のひとりから、ご招待を受けた。
「敬老会」なのだ。娘はいつも傍でお世話になっているお姑さんKesayoさんに毎年出席をお願いしていたが、「今回は保育園での最後の機会だから遠いけれどお母さん、出られますか」と尋ねて来た。「ではお願い! 行きますよ」と返事を出した。
前日の晩から孫の家に出向いた。小学校3年生のお兄ちゃんMiraiくんが熱を出してその10日は学校から早退していて、大きなマスクで迎えられた。
ここの小学校では、6年生の1学級で、2人の新型インフルエンザ・ウイルスが検出され、学級閉鎖をしているという。
3年生 Mirai くんも風邪気味で、37.7℃あったので、学校を早退していたのだ。
今年は最後の「敬老会」と、私も呼んでくれた年下の孫Karenちゃんはピンシャンしていた。
お兄ちゃんも結構元気で、頭が痛いとは言っていたが、翌日の午後は36.6℃で平熱となって、ホッとした。
さて、保育園で催してくれる敬老会、当日の11日だ。
講堂(普段はお昼寝室にもなる)には、敬老席と園児席、舞台も用意されていた。
最初は園長先生のお話。そして年長さんが敬老会のメインの歌を披露してくれた。
♪ 100まで生きたら良いのだろうな
大きなケーキにロウソクを
100本立てて食べるんだ
どんどん大きくなるからね
そのうち必ず追いつくよ
おじいちゃんもおばあちゃんも
元気で待っていてね ♪
0歳児から1歳児のクラス。あどけない表情で、司会の保母さんは「キラキラと手のひらを歌に合わせて動かせるようになった…」と、まだ哺乳瓶を離せない子もいる幼児たちに眼をやりながら話した。
かわいい……。みんなこんな時代の子たちを育ててきた、お祖父さんお祖母さんは、思わず頬笑みを持って一様に慈愛の目をむけた。
ピアノが鳴っても、キョトンとしている子がいたり、それなりに振りをつけて踊ったり、自分のシャツの裾を口に持っていってお腹を見せてしまったり…。
何をしても可愛い。保母さんもここまでするのに苦労が多かったろうと思ったりしてしまう。可愛いからなんでもしてあげてしまうことも判るなぁ~。
年老いた私の母は子どもが大好きだ。子どもが見舞いに来ると、それだけでご機嫌になる母だが、私の気持ちもだんだん年老いてきているなぁ~。
子どもを見れば元気な若いころの「お母さん時代」に簡単に帰ってしまえる自分を発見して嬉しかった。
合唱(斉唱)があり、打楽器を持って歌い、それに合わせて手拍子もして、お祭り姿の踊りを見させてもらった…このひととき。
年長になれば、来年は小学校というわけで、もう立派になんでもできるようになったと、子の成長を見ては拍手を送る。
Karenは、「パパとママの両方のお祖母ちゃんがくるのよ」と、友達に話しては楽しみに今日の日を待っていてくれたという。
子どもたちの可愛い演技を見せてもらったお礼に、お祖父さん、お祖母さんが隠し芸のご披露。
お一人は腹話術で、お一人は“孫”という曲で踊りを見せてくださった。
「昨年は盆踊りのように、多数の方が舞台に上がってぶっつけ本番で踊ったのよ」と、Kesayoさんが教えて下さる。
Kesayoさんも、なんでもなさるが、「大正琴など出し物としては良かったわね…」と、その準備をして来なかったのが、ちょっぴり心残りのようだった。
「そう言えばね、Karenのママは、昨年の春(謝恩会かな?)に保母さんの誰もがピアノの弾き手にお願いできず、ピアノを弾いたのよ」と、Kesayoさんが自慢するような感じで教えてくださった。
園児と同じ献立のお弁当を戴く。保育園の調理師さんが、老人にも合うものをと、腕を奮って下さった。
屏風折りの箸置き、色紙の張り付け箸袋、折り紙のコースター、版押しの名札立て、そしてお魚の目を描いたランチョンマットなど、みんな園児の手作りで、これら作品はお持ち帰り下さいとの案内があった。
格別に美味しいお弁当だった。