いちよう:二千和会だより

 会報「いちよう」を通して、人生がさらに豊かに広がるよう「今も青春!」の心がけで楽しく交流しながら散策しましょう。

二千和会と『いちよう』

2010年04月25日 | SO-Color

八重桜 (イチヨウ・ウコン・アマヤドリ)

 24日の今日は、久しぶりの春の陽気になった。前回UPした時の話題のひとつに「ウコンザクラ」が図書館脇・小学校の小道を歩いていくと咲いていると、報告したが今、桜はどんなふうに咲いているか見たくなった。
 ぶらりと散歩してみた。咲いている。
 写真はその前日の23日だったので、打って変った肌寒さで、曇りがちで光りが足りない感じの写真となった。

 ウコンザクラは綺麗に咲いていたけれど、その日は寒かったのでサクラも寒そう…。 咲いてから日が経過しているので咲き始めの緑色が、やや桜色、赤味を帯びてきていた。日が経つにつれ赤く染まってくるのだ。

  

 ウコンザクラの背景に見える桜色の花は、何処にでも見られる普通の八重桜。

 昔、千葉大文理学部キャンパスがあった懐かしの場所。千葉大キャンパスは、もうここには無い。ここからほど近い場所―40年くらい前になるが、以前の東大生産技術研究所が移転したので、その跡地に移転して各学部が散らばっていた千葉大は纏まった形になった。
 文理学部跡地には、小学校や図書館、公民館、結構広い公園とちょっとした野球練習場、そして国鉄の官舎、千葉大宿舎(公務員官舎)や千葉大留学生会館と、学校給食保健センターなどにその広い一帯が住民使用となった。
 ウコンザクラは留学生会館の門扉に近い所に育っている。桜はその頃ここにはなかったと思うが、この辺の桜を見上げると、ひと昔前を偲んでしまう心が私にはある。年月を感じるかもしれないが、私の中では私の青春時代とつながっていくのだろうか。不思議な感覚に包まれてくる。

 この八重桜の名は「アマヤドリ」。
 4年前小石川植物園にお花見をかねての文学散歩の際に写真に納めたもの。2006年4月8日。小石川植物園でのお花見散歩時に、雷が鳴り土砂降りにあった。そして東屋で肩を寄せ合い仲良くお花見弁当を食べた後、からりと晴れた空の下に、「雨宿り」という美しく咲いた八重桜を見つけてみんな歓喜したのだった。…このことも懐かしい。

 

  この八重桜は、会報の名前にもなっている“イチヨウ”だ。この2006年は桜の開花が早くて、ソメイヨシノは散っていきつつで、八重桜が満開。今年2010年は4月17,8日ごろにようやく八重桜が見ごろとなったので、如何に今年は寒いかがこんなところでも証明している。

 なぜこの桜が一葉? 実は花芯に一本緑色の芯が見えると思うが、これが葉として「一葉」と名付けられたという。
 この桜イチヨウが咲くころに会報1号を編集・発行することが出来た。伊藤会長は会報発行を喜ばれて、樋口一葉をイメージされるし、ちょうど八重桜のイチヨウが咲きだしたことをヒントに会報の命名を、『いちよう』とされた。
 ちなみに二千和会(にちわかい)の命名は、記念すべき二千年に県立高校の開放講座「東京文学歴史散歩」が開かれたということと、ちょうど山田俊雄先生のご指導で、最終講義の日、尾崎紅葉の旧居跡を見学したことによることが大きい。
 尾崎紅葉を中心とする俳人たちが、紅葉の家に集まり「十千万堂(とちまんどう)派」として一派をなしていたという場所。「十千万堂」の「千」と二千年をダブらせて、『二千和会(にちわかい)』としてはどうかと、副会長(長田)が提案した。その真意《にちわかい》は、《日々、若い》としていきましょうの気持ちも込められているつもりであった。
 会としての立ち上げの具体的きっかけとお骨折りをして下さったのは松岡さんで、田中さんが、集まっている皆さんの心・気持ちを纏めてくださったと記憶する。
 あの時から、もうかれこれ十年の歴史を重ねてきたのだと、そして八重桜「いちよう」を見るにつけその頃を思い巡らせ、なんだか感慨に耽る一日となってしまった。

  

晴れた日と曇った日の桜の表情がこんなにも違う……。