今年も筍が出る時期となった。病の床にある母も小康状態となったので、我々若い者組みは例年のように筍バーベキューを楽しめる雰囲気となった。
やれやれ…と、いつもどおりに集まれて幸せ気分になれた。
若い者組と言ったけれど、息子、娘、娘婿、甥夫婦、妹夫婦、勿論自身の夫婦は、それなりに年を経た。食べる量もそれなりに。
しかし、この空気の美味しさのなか、青い空の下で戴くバーベキューはいつの間にか、たらふくお腹の中に入ってしまう。年なんだから、こんなに多くは要らないと私は思って生ま物が残るのを心配するが、なんの、なんの!
焼肉用の牛肉、豚肉、串焼きに鶏肉、そして下味のしてあるタン、牛、豚も。さらに海老、烏賊、ソーセージに加えて、餃子、たこ焼き、焼きそば。
野菜にはキャベツ、ピーマン、玉ねぎ、椎茸、エリンギ、茄子、カボチャ、さつま芋、茹でトウモロコシなど。
デザートには西瓜、苺、シンプルケーキ。
材料は持ち寄りで、大まかにはどんな物を用意すると決めていても、いろいろと集まって、結構たくさんの種類となる。
子どもたちはまだ良いのだが、中年以上の大人たちは完全に食べ過ぎ…と、自覚はあっても、つられて口に運ぶ。(仕方がないね。今日だけね。)……自分に言い聞かせながら。
格別美味しいのは焼き筍。
焼き芋に通ずる美味さがある。材料を調理する時に、出し汁の中に旨みが溶け出してしまうわけで、材料の旨みだけを味わうより、煮汁も啜って美味しく感ずるのがふつうである。
しかし焼く調理は、特に炭火の中でじわじわと材料に火が通っていくから、戴く時には、本当に美味しいものが口に運ばれるのだ。焼く調理法は美味しいはずだ。
食べるのに飽きると、竹トンボ、竹ぽっくりをその場で細工して貰って、それであそんだり、大縄跳びにバドミントンを車から持ち出してあそんだり…。幼稚園前の小さい子も交えて遊べるし、参加しなくても見て楽しむ術も覚える。
60年以上も前、食糧事情が日本中悪かった戦後の頃に、こちら方面で暮らしたこともあるので、懐かしい思い出体験にもつながる、ザリガニ取り……。老いても懐かしく子ども時代に戻れるような時を、大人たちは楽しんだ。
(いいね、田舎暮らしも…)。自然に親しみ自然の中で過ごしたことは、自身の豊かさと奥行きの深さを事あるごとに感じながら、今の暮らしに感じる。だからこそ、この小さな孫世代にも、僅かな時間にしろ、このような経験を積んで生きていって欲しいと思うのだ。こんな他愛のない経験が、孫たちの未来に大きな可能性をもたらすかもしれないと、思っているのである。
好い一日でした。後片付けもみんなですれば気持ちがいいね…。
妹夫婦、甥っこ夫婦に感謝、感謝で、親族の心の絆もまた強くつながっていくような時間を頂いた気がした。