いちよう:二千和会だより

 会報「いちよう」を通して、人生がさらに豊かに広がるよう「今も青春!」の心がけで楽しく交流しながら散策しましょう。

一族集合(2)

2010年05月11日 | SO-Color

 このGWを利用して、都下にいる白寿の姑を見舞いました。車3台で集まりました。今年8月の誕生日に、百歳になります。病院に併設の介護施設です。シャガールのイメージの絵が、玄関ロビーに掛けられていました。やっぱり、絵画は観る人たちの心を豊かにしてくれるものです。


 しばしの間姑に交え、触れあう時を持ったことを大変嬉しく思いました。姑から、将来の明るさと元気さを頂きました。勇気を頂きました。さすが、夫の母親だ、しっかり老人力を蓄えている、と納得もしました。

 お祖母ちゃん本人にとっての、子どもも、孫も、曾孫も、孫の夫(孫の結婚式には老いていてもう列席しなかった。遠くて会う機会も少なかった。)も、母と話を交わすことが出来て、大いに感激しました。

 

 しょっちゅう会っているわけではないので、「長女Mの上の子ども◎ちゃん、下の子ども☆ちゃんよ…」とか、「次女Cの子どもの△ちゃん、○ちゃん」と一々指差しして紹介すると、孫の名前の方はすぐ判って「Mか!」「あ~C…」と頷いて納得してくれましたが、さすが曾孫は紹介しなくては判りません。

 

 久しぶりだったので、私たちを判らなくても、忘れてしまっても驚かない…と覚悟していました。しかし、確かな母は、孫以上は、判ってくれていました!!
 更に嬉しかったのは、曾孫たちと握手して「みんな、いい子だ!」「みんな良い子だ!」「みんな好い子だ」と、力強く言うのです。
 「お祖母ちゃんの良いとこを受け継いでいるからよ。みんな良い子…なのはネ。」…と、思わず背中をさすってしまいました。暖かい、しかし痩せた小さな背中になっていました。

 こちらの病院では、「3か月になるから、そろそろ別の施設を探して移って下さい」とは言われないのかしら? 
 本当に弱い者にとって、哀しい辛い法律です。実母の場合は、そう言われてはいますが、新しい所が見つからないし、心が休まる親切な優しい皆さんがお世話してくださるので、新しい施設が満員なのを幸いに、長く同じところに滞在してしまっていますけれど……。ちょくちょく移ったり新しい環境に慣れずに不安を抱きながらでは、命も縮まってしまいます。

 姑のように長生きして、しっかりと自分のことも出来て、物事が判るお年寄りになりたいものです。


  以下は「健康ライフ」からの抜粋です。

 百寿者は1950年には全国で97人でした。2003年には2万561人と、約200倍に急増しています。2003年の100歳到達率(百寿者の同年出生数で割る)は175人に一人になりました。

 かつて、百寿者は遺伝的エリート集団と考えられていました。近年の報告でそれが必ずしもそうではなく、心身ともに弱くても、100歳に到達できるという結果が出ています。

 全国47都道府県で、百寿者の人数が最も多いのは東京都です。その百寿者を全国の代表と考えて、調査した結果があります。

身体機能
 日常生活に必要な基本動作(食事、着替え、トイレ、入浴、歩行など)ができ、自立できている人は約2割、ほぼ寝たきりは約4割でした。栄養状態の指標である血清アルブミン値は低く、低栄養であり、百寿者の多くは虚弱でした。

視聴覚・認知機能
 問題がない割合は視覚で約3割、聴覚で約2割でした。認知機能で認知症が認められないのは約2割でした。

 百寿者と聞くと、自立した元気な高齢者と考えられることが多いですが、寝たきりや認知症の割合も多く、理想的な老いの困難さを示しています。
  
 70~80代の高齢者は日常生活の自立の度合いが低くなると、幸福感が低下する関係が見られることが多いようですが、百寿者は、身体的に衰えていても幸福感は大きいようです。その感情は、ほかの人より長く生きているということ、つまり生き残り競争に勝利したということから生じていると考えられます。100歳ということで、周囲の人から称賛を受ける機会も多く、良い感情をもつ機会が増えてくることも影響していると考えられます。


以上の百寿者調査から浮かび上がった百寿達成の条件は、

病気百寿者は糖尿病の罹患率が低く、動脈硬化の進行も遅かった。
生活習慣:飲酒率はあまり変化がないが、喫煙率はかなり低い。
性格:男性は神経症傾向が高い(健康に注意し、病院にかかることが多い)
   女性は外向性(対人交流がおおく、ストレスが発散しやすい)と誠実性(さまざまな場面で成功につながる)が高い。
   男女とも調和性が低い(マイペースである)。

ということになります。

 百寿を達成したけれど、認知症の割合が高いことを避けるには、身体機能の低下(=認知機能の低下)を防ぐために食生活を重視(特にたんぱく質)することが指摘されています。
 また、認知機能を高めるために周りが過保護にしないこともあげられています。 
                              (参考:健康ライフ 通巻19338号)