医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

人類は今が一番卑怯になっているわけではない

2023年08月05日 | 神経
前回、SNSを使用すると頭が悪くなっていくで、「自殺した元女子プロレスラーは、こういう人間の習性やそれを利用したSNSのシステムの犠牲になってしまったと思います。」と書きましたが、その後ryuchellさんがSNSで中傷誹謗されたのを苦にして7月12日自殺しました。

これに対して、爆笑問題の太田光が7月16日、TBS系「サンデー・ジャポン」で、「人類は今が一番卑怯」と発言しました。しかし「人類は今が一番卑怯」というのは明らかに誤りです。前回お伝えしたように、「人類は原始時代から卑怯」なのです。

太田光は以前、「マウンティング(有意性の誇示)」をしたかったのでしょうか、国政選挙の特集番組で代議士に「いつ辞めるのですか?」などとつまらない質問をして批判された男です。

ホモサピエンスとして私たちが地球に登場した十数万年前、死因の10~15%は他人から殺されること、そして15~20%は餓死でした。十数万年前から私たちは他人からどう思われているか、たとえ無意識であっても常に気にかけていました。大勢から嫌われてしまうことは他人から殺されてしまうことを意味するし、酷いと感じるヒトから酷い目に遭うと思ったときには大声で言い立てて周囲の同情を買うことで相手に制裁を加えることができます。太古からのヒトのこのようなDNAの性質は現代に脈々と引き継がれているのです。

では何故、私たちは太田光のような者の言い分に引き寄せられてしまうのでしょうか?
その理由は「バカと無知」 (←お勧めです)に詳しく書かれています。

1つめ、相手の発言を評価するとき、私たちは実績よりも「自信」を参考にする。どれほどバカげた主張でも、相手が自信たっぷりだと思わず信じてしまう。(66ページ)

2つめ、ダニング・クルーガー効果といって「バカの問題は、自分がバカであることに気がついていないこと」(47ページ)

3つめ、問題なのは一見、自信たっぷりに振る舞っていても、内心は強い不安を抱えている者が会議の場にいることだ。このタイプは常に自尊心を高めなくてはならないので、話し合いの最中に頻繁に「マウンティング(有意性の誇示)」を行う。なぜなら、自分よりも劣った者がいることを確認すると自尊心が上昇するから。
誰でも思い当たるだろうが、こういうタイプはどこの会社にもいる。それが上司や役員になると、意思決定は悲惨なことになる。(64ページ)



このような間違ったこと(真実性)を公共の電波(公共性)で堂々と言い、それを信じさせてしまうのでは、公益が損なわれてしまいます。太田光は、この本の題名に最もふさわしい奴なのかもしれませんね。


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