思い出横丁で新年会
とまりぎ
携帯電話の着信に気がつかず、数日後の二度目の電話にも気がつかなかった。
木曾在住の人からの電話だった。
パソコンメールを入れておけばいいだろうと思っていたが、何の連絡もない。
これは何か事情があるなと気がついたのは、しばらく経ってからだった。
電話を入れてみると、東京へ来ているとのこと。
早速仲間を集めたが、急なことで集ったのは4人。
新宿西口の思い出横丁へ行く。
臨時の中学同窓の新年会だ。
思い出横丁の緩い坂を下ると、線路通りと中央通りに挟まれて中華系の岐阜屋がある。
昔からあるのでつい忘れがちだが、腹が足りないときにはここへ入ったものだ。
ある雪の降る寒い晩だった。同じ中学の同級生と3人で岐阜屋へ入る前に小田急ハルクの前を歩いているとき、サッカーで鍛えた頑強なひとりが滑って転んだ。少し濡れたが怪我もなく岐阜屋へ入って全く何事もなかったように・・・
さすがだ。
そんなことを思い出していた。
特別味がいいというわけではないが、何でも安い。