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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ

2024年10月14日 | 映画

三連休に帰省していた息子と「ジョーカー」の続編「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」(Joker: Folie a Deux)を見に行きました。

息子ともども前作がとても気に入っていたので、本作をとても楽しみにしていました。正直に言えば、前作があまりにすばらしかったので、それを上回る感動はなかったのですが、後からじわじわと考えさせられる作品でした。

今回は、世界の歌姫レディ・ガガがハーレイクイン役で登場しているとあって、ミュージカル仕立てとなっていて、主演の二人の魅力が存分に堪能できましたし、本作の魅力である、ダークでアートな世界観も健在でした。

ビリー・ジョエルのMy Lifeがカーラジオでかかっていたので、本作の舞台は1970~80年頃と想像しましたが、私は本作で描かれているストーリーに、現代のネット社会に通じるものを感じました。

救いのない時代に、人々はジョーカーを悪のヒーローとしてあがめ、過大に英雄視してきましたが、いったん何か気に入らないことが起きると、突然ジョーカーを奈落の底へと突き落とし、容赦のない暴力を浴びせるのです。

そして、愛によって結ばれたはずのハーレイクインでさえも、ジョーカーの言動が自分の求めていたものと違っていたという理由で、いとも簡単に離れていったことに、現代における「愛することの軽さ」を思いました。

そして私は、本作はジョーカーとハーレイクインの物語でも、アーサーとリーの物語でもなく、ホアキン・フェニックスとレディ・ガガの物語になっている、と思いました。

ハーレイクインは、精神不安定な放火魔ではなく、自由で才能あふれるアーティストに見えましたし、ジョーカーは、病的で気味の悪い殺人鬼ではなく、思慮深いインテリに見えてしまいました。

だから、(監督が意図したように)この二人が互いの中にある狂気に惹かれたのではなく、お互いの才能や個性を尊重して惹かれ合っているように、私には見えました。

映画は、ミュージカル仕立てになっていましたが、高らかに歌い上げるのではなく、あくまでセリフのようにささやくように歌っていたのが印象的でした。

スティービー・ワンダーの For Once in My Life、ジャズの名曲 Bewitched、カーペンターズの Close to You など、だいぶアレンジされていましたが、よく知っている歌、好きな歌がたくさん登場していて楽しめました。


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2 コメント

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Unknown (ごみつ)
2024-10-16 00:47:30
こんばんは。

私も数日前、鑑賞してきました!劇場で映画を見るの久しぶりでしたが、この作品だけは絶対に劇場で見たかったんですよね。

この続編は、けっこうビックリしますよね。賛否両論になりそうです。

ミュージカルになっていたのは、個人的には楽しめましたが、受け付けない人もいっぱいいそうです。
あとあのラスト、この作品の決着のつけかたが、私の中でもまだ評価出来ずにいます。

監督の「ジョーカー」の続編、ハーレイクインとの関係の描写なんかへの答えの出し方に全面的に賛成したい自分もいるし、「これはちょっと違うんじゃ・・」って思ってる自分もいます。

私もなるべく早く記事にしますね。(^o^;)
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Unknown (latifa)
2024-10-16 09:44:55
セレンディピティさん、こんにちは!
さっそく映画館行かれたのねー。
たまたま帰省中だった息子君と一緒にだなんて、いいなー!羨ましいなー!

結構賛否両論というのは噂で聞いています。
薄目で、下の方の文章はまだ読んでなくて、映画を見たら改めて読ませて頂きますね♪
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