世田谷区議会議員・田中優子の活動日誌

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世田谷区における畦畔(けいはん)の問題

2008年12月21日 | 政治&社会情勢
先の区議会(11月28日)の一般質問で、うちの会派のおおば正明
議員が取り上げた「世田谷区における畦畔(けいはん)および時効
取得について」の問題。

「一緒に勉強してきて大変な問題だということがわかった」、「詳細は
後日」とお断りしましたが、どういうことか、簡単に説明したいと思い
ます。

上記(写真)パネルは、おおば議員が議場で使ったもの。

「畦畔(けいはん)」というのは、田んぼと田んぼの間に通っている
茶色の部分の通路、つまり「あぜ道」のことなんですね。

この「あぜ道の何が問題か?」というと、

区民の皆さんがご存知ないままご自分の土地の中に紛れ込んでいる
(可能性がある)ということなんです。

この「畦畔(けいはん)」は、平成16年3月末までは国のもの(国有地)
でした。

そして、そこに住んで10年もしくは20年で、申請すればただで自分の
土地となりました(取得時効。ただし、取得に伴う税金は発生します)

ですが、平成16年4月以降は、国有地から区有地となり(国から区へ
移管され)…、

区には「取得時効」という制度がないので、自分の土地に「畦畔」が
含まれていたらその分のお金を区に払わなければならなくなりました。

でも、「国有地が区有地になること」、それにより「取得時効(ただで
もらえる)制度がなくなること」、は区民の方々には知らされず、
ある日突然、「あなたの土地には畦畔(けいはん)が含まれています
から、○百万円払って下さい」と言われる。

そして、「そんなことは知らなかった。知らされていなかった。国有地
だったら取得時効が出来たのに、いつのまにか区のものになっていて
お金を払えとは、冗談じゃない!」と、裁判が起きているのです。

(話がわかりやすくなるような表現にしていますが、大雑把に言うと
こういうことなんです)

目黒区では、将来的に道路の代替地になりそうな場所のみを選んで
区に移管しているので、宅地に「畦畔(けいはん)」が含まれることは
ほとんどないようです。

つまり、目黒区民は、自分の土地に「畦畔(けいはん)」があっても、
国有地なので取得時効制度が使える(ただで自分のものになる)
のに、世田谷区民はそれが出来ない、という状況なのです。

しかも、その「畦畔(けいはん)」、世田谷区内のものを合計すると
狛江市に相当する面積になるらしいのです。

それだけ広いから、「道路代替地の可能性があるものだけを選ぶ」と
いう作業が出来なかった、のかもしれませんが、それは世田谷区民
にとってはすごい迷惑な話ですよね。

だから、裁判になっている…。

その裁判で、世田谷区は一審では勝訴し、二審で敗訴、そして今回、
最高裁に上告したのですが、うちの会派では、区民の感覚、区民の
立場で考えれば、世田谷区がやったことってひどいよね、となります。

世田谷区内に狛江市ほどの「畦畔(けいはん)」が存在しています。
あなたの土地にも含まれているかもしれません。

この際、「最高裁の判決を聞いた方がいいだろう」ということで、上告
したこと自体に会派として反対はしませんでしたが、うちの会派では、
おそらく世田谷区が敗訴するだろう、と思っています。

「畦畔(けいはん)」の問題、まだまだ奥が深いのですが、説明が
長くなってしまったので、大変大雑把ですが、この辺にしておきます。

もし、何か気になることがありましたら、ご連絡下さい。


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