@妻を亡くした隠居主人、生きることに絶望しやる気が失せた、が目覚めるのは自分にできることを発見したことだ。丁稚奉公から苦労し下駄職人からお店の主人に上り詰めた成功者なのだ。 「自分に出来る事」とは今までにやってきたことが誰かのために役に立つことだ、と悟る。 隠居し、老後を楽しく出来るのは何か小さなことでも目的・目標があるからだ。 できる限り仕事を続ける事は生きる気力を持ち続けられる、ことになる。 老後でも仕事を続ける男7割、女4割とある。 詳細は
『居酒屋お夏』岡本さとる
目黒不動で居酒屋を営むお夏。化粧っ気はなく毒舌で、くそ婆ァと煙たがられているが、懐かしい味のする料理は評判だ。
・「ケチな飯」ヤクザになった新吉、時あるごとにお夏の居酒屋で「ケチな飯」を食べにくるようになり、好物は飯に醤油を落とし食べる。貧しい時に母親が食べさせてくれた思いをこの居酒屋に見つけた。お夏は「手前がぐれたのを世の中のせいにする奴はしみったれさ」と言いながら新吉が親方の邪魔者殺しの命を行動に移さないように仕向ける。
・「おちゃけ」お店の用心棒に奉公にきた娘がいつも美味しい茶を入れてくれる。実は借金がある義兄が娘を売ることで金を手に入れようと動く。用心棒は義兄の借金の為とは言え娘を売り飛ばすことを許せず、借金取りが義兄を狙い動くように仕掛けた。恋心をもった用心棒は自分が義兄を罠にしたことを知られたくないため旅に出る。
・「朝粥」苦労してお店の主人になった夫婦が朝粥を食べにきた。その後隠居し、よく2人が朝粥を楽しみで食べるようになったが、ある日から姿を見せなくなり皆が心配すると、妻が亡くなり一人彷徨っていた。みんなが元気にしたいと旦那を遊び事に誘うがどれも元気がなく、ある時下駄の緒が切れた娘を見つけ直してあげると、旦那の男ぶりを褒め、「男の盛りはまだまだこれからでございますよ」の一言で仕事を続けたいと意欲を見せ元気になる。
・「二人で二合」夜鷹の女が仲間の夜鷹が殺されるのを目撃する。それは盗人が隠した金を掘り起こし夜鷹に見つかったことで殺害した。実は殺害したのは金に欲を出した町方の同心と御用聞きの男。お夏の仲間で夜鷹と仲間を匿い、犯人に仕掛ける。それは埋められた残りの金の場所におびき寄せ、盗人たちが2人を殺したと見せることだった。
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