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人の異常な欲望から全て始まり事件が起こる『13・67』

2021-10-16 08:01:01 | ミステリー小説から見えるもの
@警官の捜査、調査における様々な行動はそれぞれの感性かもしれない。適材適所という言葉もあるがやはり綿密な操作には一般の人以上のセンサー(特技)がなくては務まらない。6つの短編犯罪ミステリー小説はストーリー性も、警察官の解くための流れも素晴らしく、どの小説も犯行現場の描写は素晴らしい。犯罪の根源はいずれも「金・権力・地位・名誉」など人の欲、貪欲さから全て始まっていることで、「人間の欲望」は収まるところを知らないのは残念だ。それだけ人間は愚かなのか・・・
『13・67』陳浩基
「概要」華文(中国語)ミステリー傑作。現在(2013年)から1967年へ、1人の名刑事の警察人生を遡りながら、香港社会の変化(アイデンティティ、生活・風景、警察=権力)をたどる本格ミステリー。雨傘革命(14年)を経た今、67年の左派勢力(中国側)による反英暴動から中国返還など、香港社会の節目ごとに物語を配する構成により、市民と権力のあいだで揺れ動く香港警察のアイデンティティを問う社会派ミステリーとしても読み応え十分。 6つの短編小説
1.黑與白之間的真實 (黒と白のあいだの真実)
上司(犯人を知る)の病床を犯人の餌食に仕掛けを作る。母親違いの子への執念、親の相続権への執念、決して親子の関係は裏切れない。金と権力に欲が出た親近者たちの殺戮。
2.囚徒道義 (任侠のジレンマ)
二つの巨塔のマフィアを如何に挑発し、摘発、潰していくか。囮捜査の騙しは身内から事件を偽装させる。「囚人ジレンマ」敵同士のいがみ合い告発は刑期を軽くすることで自白する。
3.最長的一日 The Longest Day (クワンのいちばん長い日)
マフィアの知能犯が病棟から脱走、同時に起こった硫酸爆弾事件に混同した警察は人手不足で定年するクワンも偵察・調査に乗り出す。脱走した受刑犯は多くの内通者を利用し、病院で他人になりすまし療養していた。両方の事件はいずれもつながりがあり囮脱走を図るための悪知恵だった。
4.泰美斯的天秤 The Balance of Themis (テミスの天秤)
マフィアの主犯者の一人を包囲し、突入した。主犯者等は皆殺害されたがそこにいた多くの人質も犯人によって殺害された。事件後調査すると皮膚技なメモが見つかり警察内に内通者がいた事が発覚、疑わし警官を免職にした。ところがメモ等から分かったことは突入の前に如何にしてメモを主犯者に渡し、本部の命令を無視して突入したのか。実はその前に若い女性が警官によって殺害されていた。
5.Borrowed Place (借りた場所に)
警察内部調査をするイギリス人の家族に息子を誘拐したという電話があり、クワンが秘密裏に動き出す。ところが途中からその誘拐犯の行動に不信と思われる異常行動があると感じ誘拐犯を追跡した。だが誘拐は失敗し家に戻ると息子とを介護人が夕方に何事もなく戻ってくる。クワンはこれはこれは偽装犯罪で目的は内部調査書を盗み出すことだったと判る。その内部調査書とは警官の身元調査で特に賄賂・贈与を受けた警官等のリストだった。
6.Borrowed Time (借りた時間に)
香港の中国返還前、イギリス人、香港警察vs労働者(中国支援)が勃発。内乱を勃発させ社会を複雑化させる囮の爆破事件を起こす。それをいち早く察知した若き警察はそのアジトと共犯者を操作する。爆破はイギリスからの貴賓者を狙いイギリスの統治下の不備を拡散させる目的だった。