@「書くことは考えること、考えたことを伝えること」これからの時代、SNS、Xなどメール活用でもっと書くことが多くなるのではないだろうか。その時に必須なのが「正しい日本語」だ。ひと言のSNS、短いメール、長いエッセイ、論文など誤解されない、心が通う文章の作法が必要になるが、この書はとても参考になる。
『ていねいな文章全集』石黒圭
「概要」「手紙やメールや作文に困ったときに開いてほしい、”家庭の語学”な1冊です。」本書では、国立国語研究所の教授が、「雑な文章」を「ていねいな文章」へ書き換える方法を108課目、すべてbefore→after形式で徹底解説します。
Part① 「不正確な文章」を「正確な文章」へ。
「正しい日本語」とうり→とおり、うっとおしい→うっとうしい、きずけた→きづけた
マネージャー→マネジャー、モニタ→モニター、ネールサロン→ネイルサロン
ホットドック→ホットドッグ、シュミレーション→シミュレーション
「送り仮名」当った→当たった、捕えた→捕らえた
皆様振るってご参加ください→皆様、奮ってご参加ください
ポイントを的確に抑える→ポイント的確に押さえる
「・」は語単位の短い要素を結ぶ時、「、」は句単位の比較的長い要素を結ぶ時
「/」は英語の「OR」に相当する
「ー」ダッシュ、「・・・」リーダー、「:」コロン、「~」チルダ
回答が期待される問い:「質問」「疑問」「設問」
解決が期待されるテーマ:「課題」「難題」「案件」
意見交換の対象となる考え:「議論」「論点」「争点」
厄介で不都合な出来事:「トラブル」「障害」「事件」
「ら抜き言葉」決めれる→決められる、考えれる人→考えられる人
「さ入れ言葉」休まさせていただきます→休ませていただきます
Part② 「わかりにくい文章」を「わかりやすい文章」へ。
「。」がない文章は箇条書きなどに利用
「、」長い文章の時、「が」「」し」と連用中止の時
人物の名前で利用する「現」「前」「元」は前よりも前についていた人すべて
外国語(カタカナ)、専門用語の意味を理解
「オノマトべ」の正しいカタカナ(韓国語、ベトナム語も多い)
「ビジネス・オノマトべ」コツコツ、きちんと、どしどし、テキパキ、しっかり
「直喩」「隠喩」よう、みたい、あたかも、いわば、まるで
文書構成基本3つ「頭括型」「尾括型」「両括型」(言いたいことを配置する)
「なぜなら」「つまり」「中でも」で理由を考える文章構成
Part③ 「不快な文章」を「配慮のある文章」へ。
LGBTQへの配慮:ビジネスマン→ビジネスパーソン、お相手の方、パートナー
高齢者・障害者・人種差別・学歴差別用語に注意
尊敬語:いらっしゃる、なさる、召し上がる、下さる、ご覧になる、お求めになる
謙譲語:いたす、伺う、いただく、申し上げる、差し上げる、いただく、お目にかかる
メールのBCCの役割:複数の受取人が互いに知らない場合
拒否・拒絶表現:至難の業、厳しい、極めて困難、出来かねます、致しかねます
請けあい表現:なんとか、おそらく、できるかも、対応可能
謝罪文:事実の確認、真摯な反省、再発防止策の提示(3つの要素)
Part④ 「退屈な文章」を「工夫を凝らした文章」へ。
論文・レポートでは「私」をさけ、「する」「なる」にする
「モノ」が主語なら「に」、「コト」が主なら「で」
対象の「を」、限定の「で」、原因の「の」の原則
「です」「ます」の丁寧型、「だ」「する」の普通型は混ぜない
「思う」より「思われる」、「考える」より「考えられるが安易な表現
推量表現:そうだ、らしい、~ようだ、~みたいだ
「しかし」の文章でも使える「確かに」「勿論」