@「信義ね。関口さんは、銀行員にしては珍しい考えの持ち主ですね」と経営者トップの発言。不景気になると融資側に対し銀行は姿勢態度を一変する。「貸し渋り・貸しはがし」と言われた強硬姿勢で自己保守に走り、融資側の立場など考慮しない。この小説はそんな銀行の慣行と頭取のスキャンダルでの広報の役割、銀行を守る為の行動、さらに人としての「信義」を問う、実際に起きた「プライムローン事件」「路チュー事件」を模索したビジネス小説だ。 現実、政治家、大手企業、官庁などに対する「信義」(政治家、上司、会社を守る「嘘」)が問われる事件事故が多い。それによって「嘘・疑惑」ストレスを持ったまま自殺した事件も多く、勇気を持って「告発」すべきだと誰もが思う。「悪いのは自分では無くその悪意を権力で責任を負わせた上司であり、政治家である」ことを自責はないと自覚すべきだ。
『告発者』江上剛
「概要」権謀術数が渦巻く出世争い。欲望、嫉妬、裏切りが引き起こす情報操作――メガバンクが生み出した「合併」の弊害に悩まされる広報部員・裕也のもとに、写真週刊誌が頭取のスキャンダルを入手したという情報が入る。事実確認に追われる彼が掴んだ驚愕の真相とは?密告者の狙いとは?銀行を知り尽くした著者だからこそ物し得た超リアル企業小説。
ー4社の銀行の統合による出世争いで起こる派閥間争い (内と外)
実質3社に統合されたが、昔からの社風は変わらず1社が何事も大盤振る舞いで赤字を抱える。そのトップを辞任させ統合させようと画策するなかでスキャンダルがメディアによって公開される。
ー事件事故に対する広報の役割と動き
広報担当での責任者の行動、1、当事者に直接連絡、2、統合する実質トップの社長に連絡、経営担当者を集合させ対策を練る。
ースキャンダルに対する取り組み
不倫相手は広報担当・裕也の元恋人で報道記者であることから話が彷徨う。その背景には銀行により貸し渋り・貸し剥がしをされた不動産会社の社長がその不倫相手の兄であり、倒産に追い込まれた兄は自殺未遂、植物人間となってしまう。