ちょっと気になるいい事、言葉、最新技術

書籍、映画、旅、最新技術から選んだ心に残るもの。速読者向けは、青文字表示。内容は小学生でも理解できる表現使用

兄弟姉妹の絆「思いやり」が救う『13番目の物語』(上下巻)

2021-05-24 07:53:00 | ミステリー小説から見えるもの
家族の絆、特に双子兄弟姉妹には人様には理解できない異様な結びつきがある。考え方、生き様など感情が双方同時に理解できる能力があるのだろうか。この小説はその双子姉妹の絆が看取るまで生き続けた素晴らしさを物語る複雑な家族構成を持ったミステリアスな小説だ。現代は一人っ子が多く兄弟愛など未知の世界かもしれないがやはり兄弟姉妹は多い方が生きる上で心強い。
現代、一人っ子が多く一人で遊ぶが当たり前になっている、ネットの世界でも、そうなるとどうしても対人関係にぎこちなさが出て来る。「思いやり」を知らない世代が結果寂しさが募ることになる。「人を思う」のは当たり前のことだが徐々に社会ができない環境を作っていることが残念だ。
『13番目の物語』(上巻・下巻)
「概略」古書店で本に埋もれて働く目立たない自称伝記作家に、一通の手紙が届く。差出人は、謎に包まれた有名女流作家。手紙は、伝記作家を磁石のようにひきつけて離さなかった。なぜなら、すべてを語るという。手紙に導かれた先は、作家が孤独に住むヨークシャーの屋敷。そこで語られはじめたのは、驚くべき未完の物語だった…。
『上巻』
・古本屋で見つけた父の貴重な初版本「変化と絶望にまつわる十三の物語」著作者ヴァイダ・ウインター、それには最後の章十三の物語が空白となっていた。
・古本屋の娘マーガレット、伝記作家は有名女流作家(自称・ヴァイダ・ウインター)から呼び出しを受けて作家ウインターの自叙伝を作ることを約束される。老齢のウインターの過去、特に家族は複雑な過去がありウインター自身にも火傷が残る辛い過去が付き纏っていた
・昔から大きな屋敷にはウインター(アデライン)の母イザベルと兄のチャーリー、叔父ジョージと叔母マティルドが暮らしていたがイザベルは出産後に叔母を亡くし、叔父もそのショックで亡くなった。イザベルが年頃になると隣のマーチと結婚、双子の姉妹(アデラインとエメライン)を産んだ。だが、マーチが亡くなりイザベルが実家に戻ってチャーリーと三人で暮らし始める。イザベルは子供の世話に興味がなく姉妹は自由奔放の我儘な生活ぶりを繰り返し教養が全くなく育った。叔母マティルドが亡くなると屋敷の家政婦、庭師など多くが去り屋敷は埃まみれの幽霊屋敷化となる。
知恵遅れの双子の姉妹へ家庭教師へスターが送り込まれ教育が始まる。だが、アデラインだけはいつまでの反抗的で喜怒哀楽が無く、何かが妨げていると判断される。やがて医師と家庭教師は姉妹を別居させてしばらく様子を見ることにした。だが変調がなくある日へスターが医師の家に向かう途中で姉妹を見たと医師の家へ直行する。それは幽霊ではないか、医師と家庭教師との淫乱が噂され、その日からへスターは失踪してしまった。その後姉妹が一緒に暮らすことに戻った屋敷は埃だらけで異臭など荒れ放題となり、叔父チャーリーがいつの間にか消えていた
『下巻』
マーガレットは焼き尽くされた昔の屋敷を探索するとそこにはここで生まれたと言う一人の男性がいた。それはウインターに「本当のことを教えて」と予ねてから尋ねて居たと言う男性だった。ウインターの話によると双子、実は三人の子供が住んでおりその一人がエメラインの子で父親は園芸を手伝っていた青年だった。実は喧嘩の絶えないエメラインとアディラインにもう一人幻の少女がおり、ある日アディラインは嫉妬から赤ん坊を火事で始末しようとした所で喧嘩となりもう一人の幻の少女が赤ん坊を救い出し一人暮らしの女性に託した幸いエメラインは顔に火傷を多い助かったがアディラインは亡くなった。ところがもう一人の少女がアディラインとして生き抜くき小説家として大成、最後までエメラインを看取ることにしたのだった。幻の少女は極秘に女中と庭師に育てられて館に潜んでいたのだ。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿