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過剰な「優しさ」と「褒める」の違い『やさしさ過剰社会』

2024-09-07 07:41:34 | 世界の動きから見えるもの
優しさ」とは、「褒める」とは、人間社会に於いてとても難しい課題だ。相手の環境など感受性の違いで「優しい」と思われるのか「うざい」と思われるか。ただ子供の教育で「褒める教育」について、成果も何もないのに褒める親、何をやっても怒らない親は、今後姿勢態度を変えるべきで、忍耐力が欠ける軟弱で短気な人間に育つ、と言う。それには、欧米諸国にあるように怒りを全面に出すのではなく「子供に反省する機会と、考える余裕(なぜこれが悪いのか)を与えること、更に繰り返す場合には罰を与える」は今後親の言うことなど素直に聞く子供になる気がする。
『やさしさ過剰社会』榎本博明
「概要」子どもを叱れない親、部下を注意できない上司が世に溢れており、人を傷つけてはいけないという風潮があるようだが、背景には「子どもに嫌われたくない」「部下に訴えられたくない」といった思惑があるのではないだろうか。上っ面のやさしさが主流になり、あえて厳しいことも言う本物のやさしさが疎まれてしまう時代。
ー二十代から五十代の女性に調査した結果
「理想の恋人に求めるもの」優しい、自分と性格が・価値観が合う、容姿が良い
「理想の夫に求めるもの」優しいがダントツの一位、収入が良いが第3位となる
「優しさ」の裏側には
    「傷つけたくない」「嫌われたくない」「叱らないで褒める」
    「部下に訴えられたくない」「形だけでも無難に済めば良い」「褒めればうまくいく」
    「優しい上司と言われたい」「うるさいと言われない上司」「褒めていい気分にさせる」
「優しさ」がもたらす重苦い閉塞感「叱られたことがない、褒めて育てられた」
    叱られると凹みやる気を失う、気分が落ち込み怒った相手に腹が立つ
    自分を否定されたかと思い感情的に反応し、対処できなくなる
    「傷ついた」と訴える(教師vs生徒、上司vs部下)
    「回復力」「立ち直る力」が無く自立が難しい
    人にはうっかり注意もできない、反発を恐れ何もできなくなる
    何も言われないから自分勝手な行動をし、極端な場合は注意だけで暴力を振るう
ー「思いやり」他人を傷つけず自分も傷つけない
    「情け深い」表面的な行為、血縁以外には使わない など「うわべ」
    「本音を言えないのは優しい関係なのか」気を配ると言い出せない
ー「子供に対する親の優しさ」叱らない親は優しい
    子供を叱らない親が急増・褒めて育てる親:自己肯定感が低下し傷つきやすい
    褒めだけの子供:思い通りにいかないとすぐに凹み、挫折に弱い人間になる
        忍耐力がなく、逆境で頑張れない子供が増えている
    米国でも一時的に「褒める教育」が盛んになったが親の躾は厳しい
    フランスでは「親の言うことを素直に聞く」教育をしている、それは子供の頃からフラストレーションに耐えることは人生の核となるスキルだと教えている
    傷つけない叱り方:怒られた理由を考えさせ、理解を求め、反省させる。時には同じ失敗を繰り返さないように罰を与えている
ー「部下に対する上司の優しさ」
    「うざい上司」にならないように手を焼く上司が深刻:アドバイスでムカつく部下
    「ハラスメント」として訴える部下など従押は評判を気にするようになった
    「言葉に出さない優しさ」を演出する結果となる
    「自己主張をする人物を見苦しいと思う日本の社会」自己主張が苦手となる
    「自分の意見を押し付けない優しさ」(曖昧な表現の仕方になる)
「言いにくいことを言わないと言うのは、本当の優しさではない」「優しさに気付く、感じるは人の感受性次第」



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