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現代に活かしたい、江戸藩主たちの財政赤字に対する政策『中興の祖の研究』

2023-06-17 08:00:22 | 歴史から学ぶ
「質素倹約」「教育」「開墾・産物開発」など財政赤字になくてはならない政策を江戸時代の藩主らは様々な難問に対し必死に改革し、「中興の祖」として史実に残る実績を遺した、とある。現代でも是非政治家が「少子高齢化」「国民負担増が続く赤字国債」など国民が直面している課題に通用する改革案(政策・行動・実績)を見せて欲しいものだ。
『中興の祖の研究』童門冬二
「概要」今、企業をはじめとする日本の組織は、新たな時代に対応するために生まれ変わることが必要とされている。しかし、それに向かって懸命に努力をしている組織もある一方で、「改革」に失敗すること、そして「変わること」そのものを恐れて、旧態依然のままの組織も多いのもまた確かである。本書は、逆境にさらされながらも果敢に挑み、危機を突破した名君たちの実践から、現代にも通用する「組織改革」のヒントを探る。
「組織を甦らせるリーダーの条件」その為の「説明責任」
    「痛み(負担)だけでなく、参加する事に喜びとやりがいを感じる事」
    「関係者を納得させる・参加意識・寄与度・貢献度」
    「モラールを起こし高める」「夢(理念)、目的がわかりやすい事」「分権と責任」
ー八代将軍徳川吉宗の改革
    赤字の克服(心の赤字を含む:他人のことを考える優しさ、思いやり、温もりの回復)
    少子化防止・食糧増産:農業技術の改良と高度化(外国の技術・機器・品種導入)
        少子化対策の結果:522万人の人口増加
    江戸奉行に伊勢山田奉行から大岡越前を登用(農業指導含む権限)
    大奥のリストラ(美人を選出させ親元に返す:美しければすぐにでも嫁入りできる)
    数値での人材評価と対策(財政の理解した人材登用):合理的で科学的な判断を尊重
    短期改革と長期改革で優先順位と財政案件を重視
    「目安箱」で中間役人等の人事評価・庭番には監視・諜報目的である人材を抜擢
        「休まず・遅れず・仕事せず」を調査
    大人の遊郭・歓楽施設などを移転、縮小、庶民が楽しめる隅田川湖畔等に桜
    庶民・老人等への養生所(養育園)を建設
ー上杉鷹山(出羽米沢藩・九代藩主)
    3つの壁:物の壁:物理的な壁、仕組みの壁(制度的な壁)、心の壁(意識の壁)
    赤字体制への改革・地方改革(地産地消にて収益を確保・質素倹約)
        行事の見直し減らす、参勤交代の行列を減らす、食事は1汁1菜、着物は木綿
        音信贈答は禁止、女中は九人、生産物の見直し、不可価値の創造、
        緊急事態下での身分見直し、教育・研修重視(興譲館)
        金貸し商人に対しての詳細な財政・返金説明
        蔵の備蓄(天明の大飢饉)で一人も飢餓死するものが無かった
    七人の重臣の反対言上に対する真偽を養父・家臣たちと確認し裁断
        ほとんどが重臣の怠慢的行為を無視した不平不満に過ぎなかった
        七人に対する厳しい裁断(2名に切腹、2名に隠居閉門、3名に閉門知行取上げ)
ー細川重賢(肥後熊本藩・六代目藩主)
    「改革は決して焦らず、時間をかけて一歩一歩着実に進めることが大切」
    「一歩前へ歩いたことは絶対に後戻りはしないこと」
    倹約・信楽信仰・教育・人材登用(奇人:堀平太左衛門を全権を持った家老に任ずる)
    幹部職における文献と責任を明確に責任ある行動を取らせた
    「時習館」における教育費用は全て藩が負担する「将来の投資効果」を持たせた
ー毛利重就(長州藩・七代目藩主)
    「撫育方」領地開墾(石高増)、港の藩管理(3つの港)=商人感覚での収益増
    港の周りに遊郭・芝居小屋などで収益増(収益増の源開発)
ー松平頼恭(讃岐高松藩・五代目藩主) 水戸徳川光圀の兄が初代藩主
    「撒き餌」にてブレーンを選別しながら育てる方法を採用(植物学者など)
    塩田開発・砂糖・綿製品開発など民の力を活かし、人材育成
ー前田綱紀(加賀藩・五代目藩主)
    「文化振興」「美術工芸品」「細工所」など名工を集め物作り「百工比照」集団育成
    「尊経閣庫」あらゆる書の収集・保管、学者・文人の育成(幕府儒官:木下順庵等)



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