@この小説は回復が見込めない病気になった子供たちを抱えた家族と医師の判断が絡み合ったミステリー小説だ。現代における焦点は、法的に違法だとされる医者の自殺幇助(安楽死)に関して多くの問題が隠されている事だ。一部法的に認められた諸外国もあるが、その医師による自殺幇助は、本人の意思、家族の意思、病気の回復性有無など、病気で常に辛い苦痛を伴い生きている様から解放してあげることをどのように、誰が判断できるだろうか。現代、医療の発達で植物人間として生かされる人が増えている状況は、今後さらに安楽死の問題は重要視されるだろう。さらに尊厳死というものも重要だ。 詳細はこのサイトへ
『マーダー・プラン』(上下巻)ジョナサン・ケラーマン
<上巻>
医師メイトは、安楽死の幇助をしていることから「ドクター死(デス)」という異名で知られていた。その彼が、自らが考案した「死の装置」の上で発見された。それも、体を切り裂かれ、血を抜かれた無残な状態で……。LA市警の敏腕刑事マイロは、親友で臨床心理医のアレックスとともに殺人犯を追いはじめるがーー。
・殺害されたメイト医師は果たして善意の人なのか、連続殺人鬼なのかをマイロ刑事とアレックス臨床心理医が探索を始める 犯人の的は絞られる それはメイトの息子、妻を亡くしたリチャードとその息子、メイトの元弁護士・・・・
・メイト氏は大学で科学の学位を持ち、石油会社で化学者として働き、その後40歳で病院でインターン、46歳の時に開業医としてライセンスを取得していた。
・オランダでは医師が死者の2%に対して幇助しており、医師の25%が生きられる状態ではない患者を、患者の同意無しで安楽死させることを認めている
・安楽死に対して様々組織も設立され、非合法的な幇助は違法だと対立が頻繁に起こっていた
・ハーバード大学では高齢患者の身内の59.3%が医師による幇助自殺を合法化を支持しており、老人はわずか39.9%しか同意していないという。 アメリカ国民の3分の2は幇助死を是認しており、絶え間ない痛みに悩まされているがん患者の88%はその問題に興味がなく、医師がその問題を持ち出せば信頼を損なうと感じていた。 「治療という名の下で行われている虐待をこの目で見ました。真の思いやりは、植物状態を作り出すことではありません。科学者たちが額を寄せて考え、苦しみを定量化する測定基準を作り出すことです」
・死亡学の進歩では顔の僅かな動きを観察し、心臓と神経系がどちらも睇視したように思える徴候で、その代表的なものが、唇がかなり緩んでくることと結びつていた、同時発生的な痙攣のような目の動きである
<下巻>
・容疑者を絞り込むとFBI特別捜査官が他の連続殺害事件の容疑者の説明し、捜査を継続すると方向があり、一連の事件との関係を複雑化させた。 ある日、別の捜査官が訪ねてきてあの時の特別捜査官は既に退社しており、精神的に煩いを伴っているとの報告を受け、さらに混乱する。
・ある日、自殺した妻の夫、リチャードがある男にメイト殺しを依頼し、金を払ったという証言が出てくる。さらに連続殺時事件である男が病院でインターを繰り返しながら、病人も亡くなり、行方不明となる。それはFBI特別捜査官として捜査していた人物とわかる。実は捜査官の病の娘が誰かに殺害されたと知り、極秘に、しかも必死に探していた。
・メイト殺しの目撃者としていた人物がある日、癌の娘を連れ出し殺害の計画をしていたが、山荘にいるところを誰かに射殺される。 それは多分捜査官の恨みで殺された・・・
・この本の結末はリチャードの家族が妻の自殺に追い込まれたことを最後に追及していることだ。痩せほそった娘の堕落が妻の所為として家族がバラバラとなり、夫リチャードが妻を攻め体調不良(極端な体重増量)を苦に自殺に追い込んでしまった。
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