@「企業戦略」本書は戦争からの学びを多く取り上げ企業戦略としている。それは3つの世界、物理的、心理的、それと知的側面から組み立てるというものだ。基本は「孫子」の5事7計:道・天・地・将・法/有道・有能・天地・法令・兵衆・士卒・賞罰であり、それと現代における知的(知識、理論、知恵)を噛み合わせる事だということだ。端的にいうと「自分を知り、相手を知り、迷いがない事」下記の事例の言葉がその内容だ。
・思慮が足りなく決死の勇気だけで戦うようなリーダーは殺される
・勇気がなく生き延びようとするリーダーは捕虜にされる
・短気なリーダーは侮られて計略に引っかかる
・清廉潔白なリーダーは罠に陥る
・兵士を厚く労わるリーダーは兵士の世話で苦労する
『戦略の不条理』菊澤研宗
「概要」良質で安い製品をつくるだけでは勝てないのはなぜか。それは「物理的世界」のみに偏った「戦略の不条理」に陥っているからだ。本書では、孫子、クラウゼヴィッツなどの軍事戦略と最新の経済学理論を手がかりに、「物理的世界」「心理的世界」「知識的世界」へ働きかける多元的な経営戦略「キュービック・グランド・ストラテジー」を提示する。
ー「戦争論」でも物理的世界と心理的世界での展開があると、解く
物理的世界:直接アプローチ(完全合理性追求)
クラウゼヴィッツ流戦略(椅子、机、身体など)暴力・武力で完全支配
心理的世界:間接アプローチ(実在性を前提にした展開の戦略)
リデルハート流(人間お心理、心的状態)非暴力・非武装力
ロンメル将軍(指揮を高めマインド・キル)とヒトラー(武力での確執)
知的世界:知識、理論、ブランド権利などの無形の実在世界(人間の知性)
ローマ軍(大軍と勢力)とスペイン・ハンニバル(意表を突く戦略)
プロセインとナポレオン(領土の一部譲渡でフランスの安泰確保)
ー「戦略の不条理」とは
3つの世界が相互作用しながら相互に同じ方向に変化する場合
3つの世界が相互に独立して全く異なる方向に変化する場合
2つの世界が相互に作用しながら変化するが1つだけ独立して変化する場合
・キュビック・グランド・ストラテジー(立体的多角戦略)の必然性となる
ー孫子の戦略論
5事7計:道・天・地・将・法/有道・有能・天地・法令・兵衆・士卒・賞罰)
百戦して100勝することではなく戦わないで勝つことが最善である
・こちらの兵力が敵の10倍であるなら敵を包囲壊滅する
・5倍であるなら積極的に攻めて攻めまくる
・2倍なら正面と背後から攻める
・兵力が互角なら敵の不意をつく奇策も必要(騙し合い)
・こちらが的より劣っている場合は正面対決を避け守りを固める
・兵力に差がありすぎる場合は退却し決戦しない
