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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、店舗型レンタル店の残日録。

任侠興亡史 組長と代貸

2018-12-30 21:52:08 | 邦画
BSの日本映画専門チャンネルの鶴田浩二劇場でOAされた
東映の現代やくざモノ映画の一本、鶴田浩二主演の"組長シリーズ"の三作目
一応タイトルに"組長"がつけられてるもののお話としてはそれぞれ独立していますので
どこから見ても問題外
ってことで日本映画専門チャンネルでも12月にこの作品
1月では1作目の「日本暴力団 組長」をOAすると言った寸法

昭和40年代、東映を筆頭に色んな現代ヤクザ映画が作られてきてますが
この時代の背広やくざ映画は戦争というか戦後復興期をパターン化して通過してこないと
プロットが出来ないようですね
なんと東映東京作品だと思えるのに脚本は笠原和夫と長田紀生

笠原和夫作品にしてはなんだかものすごく人間が描けていないような
どこかヤクザ映画と言うかフランスノアール映画みたいな作りに多少の違和感を感じてしまうし
なんか彼らが隠れるモーテルが"69モーテル"っていう遊びは好きですが
殆ど誰もきづかないかな
そんな遊びをいれた映画を作ったのは降旗康男ですが
本編クレジットには寺西国光さんが並記されてる
しちゃってるのかも知れませんね。

鶴田浩二が主演なだけに任侠とタイトルに付いてるものの鶴田浩二演じる元組長は堅気になったとは言え残侠の匂いが演技ににじみでちゃってる
またタイトルにある"代貸"っていうのは違う落ち目の組の鶴田と兄弟分で
最終的に裏切る大木実のことなのかなも
でも彼の裏切りにはプロットとしては葛藤の"か"の字も感じられないってのが
1時間40分も尺があるのにねぇ

共演陣では胸患ってる待田京介が一人良い味だしてるだけで
二番手である佐藤允の演技にはどこか生彩がないと言う体たらく
工藤明子さんどうしちゃったんでしょうか女の情感が微塵もでてきていない
この映画の演出の殆どは降旗監督ではなくて寺西国光さんがってこととだったのか
でもallcinemaさんにもDVDパッケージにも降旗康男一人の明記なんですが

カーチェイスだって明らかに廃車寸前の車だったし
いいとこ無しの映画ですねぇ

ハードボイルドを狙ったのでしょうけど所詮古い任侠から抜け出せなくて
東映任侠路線の衰退と言うか文字通り"興亡"を映画自体が描きだしてしまったという感じでしたね。
任侠路線を支えて来て最終的に「仁義なき戦い」が制作されるまでの笠原和夫のジレンマが映画で表現されてしまっていたかに見えてしまうのですが・・・

1970年製作、日本映画、東映作品
降旗康男・寺西国光監督作品、笠原和夫・長田紀生共同脚本
出演:鶴田浩二、丹波哲郎、待田京介、佐藤允、沢村忠、工藤明子、遠藤辰雄、室田日出男、山本麟一、大木実
コメント
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