夙に有名な二・二六事件で、時の総理大臣は岡田啓介
彼を襲撃した栗原中尉率いる約300の将兵たちだけを描いた作品
実録路線映画の走りと言えるのかも知れません、岡田啓介大臣だけはなぜか義弟の秘書である杉尾海軍大佐を首相と間違えて射殺して首相官邸を乗っ取り籠城するものの、
女中部屋の押し入れに間一髪で隠れた首相はそのまま女中二人に守られており
なんと娘婿の秘書が首相の死顔を見て誰が死んだかをしり、そして女中部屋に隠れてることを知り
いかにこのクーデター兵士たちからこの官邸から首相をいかにして脱出させるかっていうだけのお話
なんですが、これが実に緊張感を孕んだ脱出サスペンス映画としてよく出来た作品で
この昭和37年というと1964年の東京オリンピック開催の二年前で
この時代東京オリンピックによって各家庭にTV受信機が完備されたことにより
映画館に足を運ぶ人たちが減少していく前で
各社直営館に二本立て2週で映画代わりっていうことで月4本の映画を作っていた時代
東映さんだけは第二東映を作り、直営館にもう一つスクリーン劇場を作ってイケイケドンドンでなんと月8本もの映画を作っていた時代
いちおうニュー東映というロゴですが第二東映の発展した社名でしたが
翌々年には先程の理由から消滅してしまうんですが
そんな勢いの中で作られてるがほとんど手抜きなしということで
主演も高倉健さんですからねぇ
健さんは首相を官邸から脱出させようとする憲兵曹長でこの原作を書いた人物を演じてる
神田隆が上役ではあるもののことなかれを選んでしまうので憲兵隊がクーデター兵士たちとの衝突だけは避けられた
首相救出に同僚憲兵の山麟さんと今井俊二さんの三人だけで計画練るもののことの成就が望めませんので
首相秘書に相談に行き、ここで首相をどう脱出させるかに悩んでいた民間人と憲兵との2組が合体し
岡田首相の救出を成功させるものの
織本順吉さんが演じる反乱軍の一人の曹長が首相暗殺の成功に疑問を持っており
余計映画としてもイヤが上に緊張感を煽ってくれる
この時代にこのような映画として面白い作品が作られていたんですね
一応健さん映画っていうこともあってパッケージ化されてる作品だったんですね
1962製作、日本映画、東映作品
小林恒夫監督作品
出演:高倉健、三國連太郎、江原真二郎、柳永二郎、志摩栄、星美智子、中山昭二、久保菜穂子、中原ひとみ、今井俊二、山本麟一、河野秋武、千葉真一、 大村文武、北山達也、亀石征一郎、北川恵一、織本順吉、岡本四郎、江川宇礼雄、神田隆、須藤健