片岡千恵蔵御大のギャングものっていうか、これはどちらかと言ったらやくざものかも知れない
松浦健郎さんが原案脚本で1961年製作のニュー東映カラー作品
ニュー東映については昨日書いてるから何にも言わないけど
千恵蔵御大で映画を作ってるから東映本体との差別化はないみたいですね
要は月8本の新作をイケイケドンドンで制作した上で東映番線とはまた違う直営館で上映していこうって言う欲張りなだけみたいですね
いちおう千恵蔵さんはGHQのお達しでポン刀での立ち回り映画の制作が出来なくなって何本か現代劇として多羅尾伴内シリーズとかもっておりましたが
ポン刀解禁されてもギャング映画を作り続けていたお方
そんなギャング映画の中で本作はある意味異色な作品だったと言えるのではないかな
いちおう戦後16年(映画製作は1961年ですから昭和36年ですから計算が合う勘定)のこの時代に毎月2万円ばかりを自分の部下で特攻で死んでいった兵士の遺族に渡しに行く
ある意味足長おじさんみたいな主人公ですが
なんとそんな戦争未亡人である淡島千景さんと恋仲になってみたり
親分の情婦である久保菜穂子さんにも岡惚れされてみたりと
今までの千恵蔵さんとは全く違う役で登場する映画でしたね
結局戦争未亡人の淡島千景さんとはいかんいかんと言いつつも関係をもってしまいますし・・・
ここまでギャングもの2作品見てるともうオープニングから拳銃バリバリの映画でしたが
この作品全く最後のクライマックスまで千恵蔵御大拳銃ももたない映画でしたね
まぁ戦後16年後でも日本人はある意味戦争を引きずって生きてきてるんですね
ある意味特攻の自戒を込めた作品でもあるようでして
それに男女の恋心を千恵蔵御大で見せてくるとこなんぞは
時代劇で散々千恵蔵御大作品を撮ってる佐々木康監督も戸惑われたんじゃないだろうか
何せクライマックスので銃撃戦もアットいう間に終わっちゃうし
この映画のクライマックスは親分殺しの罪を千恵蔵御大に着せて組を乗っ取ろうとするライバルである富田仲次郎さんの策略によるやくざ同士の模擬裁判がクライマックスだったようですね
ここでいろんなことだわかり結局銃撃になだれ込むものの
この銃撃自体も実は千恵蔵御大が被弾するというひとつの伏線に過ぎず・・・
ってことでラスト淡島千景さんとのラブよりは千恵蔵御大の死の方が良かったような気もしないでもないが
里見浩太朗さんの出番が少な過ぎな気もする作品でした
1961年製作、日本映画、東映作品
松浦健郎原作・脚本、佐々木康監督作品
出演:片岡千恵蔵、淡島千景、江原真二郎、里見浩太朗、三田佳子、久保菜穂子、ー福島卓、富田仲次郎、大村文武、宇佐美淳也、柳永二郎、花沢徳衛、北原しげみ、小川守、南廣、大東良、加藤浩、高田博、吉川英蘭、近藤秀子、菅沼正、杉義一、森弦太郎、大東俊二大東良、小塚十紀雄、曽根秀介、西村伊久子、堀口由紀子