山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

10円の価値?

2010-12-21 01:40:28 | 独り言
              近所に小さな古本屋さんがありましてね
              初めて入ったときにはちょっとビックリしたんですよね。
              
              だって文庫本が1冊10円だなんて信じられませんでしたから
              てっきり100円だと思って4冊選んで400円渡したら40円ですよって
              1冊100円で売れたらいいんだけれどねえってオバチャンが            
              
              僕は未だにアナログ人間なものだから
              ケイタイメ-ルもよう打てませんし勿論ゲ-ムもワンセグも、、、
              電車ではもっぱら読書、だから本代がバカにならなくてね。


              
              



              『食堂かたつむり』(小川 糸著、ポプラ文庫)
              
              同棲していた恋人にすべてを持ち去られた衝撃で倫子は声を失ってしまいます。
              山間のふる里に戻った傷心の倫子は手造りで改築した小さな食堂を始めます。
   
              そこは一日一組だけのお客様をもてなすメニュ-のない小さな食堂 
              前もってお客様の要望を聞き、その土地の野菜や果物、キノコや魚介類で
              時には優しい、時にはあたたかく、時にはメリハリの効いた心のこもった料理を

              その料理は高校生の恋を芽生えさせ、閉ざしてしまった未亡人の心をほぐし
              施設に送られる老人と家族との絆を深め、拒食症の孤独なウサギを蘇らせる



              心をこめた料理にはホントにこんなチカラがあるのかもしれませんね。
              
              僕ももう少し極めなくちゃな !


              一行一行をとても繊細にあたたかな筆致で描かれた一冊に出逢えて
              ちょっと嬉しいひと時、なんと価値ある10円ではありませんか。

              
            

                            
              優しい気持ちを感じたいとき、お勧めしたい一冊でした。




コメント (18)
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