山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

紅葉の戸隠散歩

2015-10-21 00:47:24 | 蕎麦、うどん、ラーメン
鮎のシ-ズンが終わった幼馴染のオ-ちやんと久しぶりに小さな旅に出ました。
今回の旅は北信五岳のひとつに登ることと温泉と戸隠蕎麦、ゆるゆるの旅になりそうです。
途中、鬼無里の「おに屋」さんに立ち寄ると、昨年もお見えになりましたね~と奥様から声をかけられてちょっと嬉しい。

 


この日は花番さんの二人の娘さんがいなくて、ご夫婦で接客されていた。
いかにも蕎麦打ち職人といった頑固一徹な風貌の親爺さんが言葉少なに苦手な接客をしているのも好感が持てた。
このお店はちょっとお高いけれど丹精込めて打たれた夏新そばの大盛り、一気にすすって堪能した。




戸隠の中社と奥社をのんびりと巡り、温泉に浸かってからこの日の宿「民宿○○○○」に落ち着いたのだけれど、これがナント大ハズレ!
ネットの空室状況では残室1になっていたので焦って予約したのに、なぜか12室ある部屋は3室しか埋ってなくてイヤ~な予感が、、、
土曜日だというのに食堂に入ると客は僕たちのほかに3人だけしかいなくて、またまた嫌な予感が増幅してくる、、、、、




僕たちが予約しておいたのは、宿の主人が打ったお蕎麦食べ放題の一番お高いプラン、、、でした、、、
飯縄山に登られたという隣の客と山の話に興じながら食事が進み、一枚目のお蕎麦をお願いするとまずまずのお蕎麦が、、、
一気に手繰ってすかさず2枚目、これはちょっと伸び気味?、、、、ナンカいや~な予感がして頭の芯がしびれ始める、、、、

3枚目をお願いすると「2回茹でたらなくなっちゃったんですよね~、もっと打っておけばよかったですね~」、、と若い主人が悪びれずにのたまう。
詫びの一言もなく、なんの対処もしようとしない宿の主人を見て、頭にカッと血が昇って猛然と抗議しようとするとオ-ちゃんが無言で首を横に振る
3人だけとはいえ客の前で恥をかかせるのも大人げない、ここは武士の情けと黙って引き下がるも騙されたという最悪の気分は最後まで収まらなかった。

これね、法律用語でいうと債務不履行、約束したことを完結しなかったのだから宿代を支払う必要はない!
もっと言うとね、これは完璧なフッシング詐欺ですわねえ、宿のサイトで『お蕎麦食べ放題』で客を釣っておいて2枚で品切れだなんて誰が納得するかい!
オ、モ、テ、ナ、シ、の心のこもったホスピタリティを見事なまでに裏切ってくれた宿、いやあこれは望んでも中々できない素晴らしい体験をさせて頂きました。



食事を終えて部屋に戻ると、今度は部屋の鍵が開けられない事態に、、、、
もうドアノブもガタガタで、10分以上も格闘してようやく部屋が開けられたと思ったら今度は鍵穴からキ-が抜けなくて
また10分以上も格闘しても結局抜けなくてキ-をつけたまま寝床に入った、これありえないでしょ普通!
宿の名は伏せますがね、この宿は部屋も食事も経営者もボロボロ、皆さんも宿選びにはくれぐれもご注意くださいね。





どうしたらこんなご飯が炊けるんだろうと思うほどのボソボソの朝ご飯にとどめの一撃を喰らって宿を立った。
すでに山に登る気力もなく、のんびり鏡池でも散策しようか、、、、、

車止めから散策路に一歩踏み入ると、、、、、、




そこには一面に色づいた広葉樹の空間が、、、




しみ入るような艶やかな朱




まばゆいほどの黄に、ざらついていた心もいつしか平穏を取り戻していた




鏡池に流れ込む沢の小さな水たまりには胸鰭に白線を引いた岩魚が仲良くペアリングしていた




キノコや木の実を探したり、岩魚のペアリングにじっと見入ったりして、のんびり1時間半もかけて静寂の森に浸った。
その名のとおり鏡池には左の西岳、右の戸隠山を鏡のように映していたが、水面がざわついているのが残念と言えば残念かな?




いつしか静寂の神が現れて、ふっとひと吹きして雲を蹴散らし水面を凪らせて見事な鏡をプレゼントしてくれた。
正面の戸隠山は2000mにも満たない山ではあるが、蟻の戸渡りや剣の刃渡りの幅30センチのナイフリッジは
北アルプスの大キレットに匹敵する難易度で落ちたら確実に即死と言われているそうである。




鏡池をひと廻りしてみると、、、




同じポイントを




ちょっと視点を変えて眺めるだけで




こんなに風景が違って見える、おもしろいですね。




鏡池の散策に満足して、戸隠中社の一番はずれのお蕎麦屋さんの暖簾をくぐって最後のお蕎麦を頂いた

 


夏新そばの細切り、小気味よい歯ごたえに満足して小さな旅を終えた。






<業務連絡>
焚火を囲んで語り合いたいと思います。
誠に勝手ながら日程は12月5日(土)か12日(土)とさせて頂きます(多分5日かな)
場所は大河原の橋の下、時間は午後5~6時頃
できれば酒肴1品、自分用の酒、少々の薪をご持参いただければ幸いです(薪はさる方に準備してもらえることになりました)
現在、大河原は流れが変わってしまい、車で河原におりられず路駐となりますが焚火会には支障ありません。
当日、僕らは朝からうらたんで鱒を釣り、燻製や一夜干し、ソテ-や塩焼きの準備をし
神の川で少々の流木を集め、いやしの湯で体を温めてから会場に向かう予定です。
うらたんからのご参加でも、大河原からのご参加でもどちらでもOKです。
馬刺しの手配の都合がありますので最終的な参加表明は11月末までにメ-ルを頂ければ幸いです。
事前に5日と12日の都合のよい日をお知らせ頂ければなるべく対処したいと思います。
日程が決まり次第、当欄にてお知らせしますが、メ-ルなどで個別にご連絡することはしませんので悪しからず。
3名集まれば決行の予定です。
3~4名ならば濃密に語り合い、大勢ならば賑やかに楽しみたいと思います。
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七五三

2015-10-12 23:25:37 | 川飯.B級グルメ
早いもので、上の孫が3歳になりました。
11月のお宮参りの前に写真館で家族写真を撮りました。




本日の主役はこの子、可愛いドレスを着てご満悦、やはり女の子なんですねえ!
1年前は意思の疎通がやっとだったのに今では会話も完璧、成長の速さに驚くばかりです。
下の子も1歳1か月、この間までヨチヨチ歩きだったのに今はもうところかまわず走り回っています。







2週間ぶりに少しだけ山を歩きました。
出会ったのは、登山の下見に来ていた小学校の先生二人とキノコ採りのおじさん二人だけ。

今日のテ-マは、ふるさとの山でご飯を炊いて食べること。
いつものダイニングで、いやぁ、おいしゅうございました!
涼しくなって山ビルが出没しなくなるこの季節は呑んだあとの昼寝もまた心地よいのです。





今日はシンプルにこれだけ!





疲れた時には山でのんびり作る山飯がいいですね。
遠くの山を眺め、紫煙をくゆらせながらご飯が炊けるのを待つ時間が好きです。







夕方、オ-ちゃんが岐阜の付知川で釣った鮎を届けてくれました。
一番下の鮎はちょうど30センチ、鮎の尺物を見たのは久しぶりのことでした。




尺物は明日じっくり味わうことにして今日は24センチ、
30分かけてじっくり焼いて、ふわふわの塩焼きと日本酒のマッチングを堪能致しました。




今日は食べてばっかりの幸せな一日でございました。

さて、そろそろお蕎麦の季節になりましたねえ!

信州のお蕎麦屋さん巡り、やりたいですねえ!









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雨の飛騨山脈を歩く

2015-10-01 00:35:09 | 山歩き.散歩
シルバ-ウィ-ク後半に30年ぶりに飛騨山脈を歩いてきました。
今年の計画はことごとく雨に阻まれて中止や延期を強いられたわけですが
最後のチャンスかと日程を短縮して入った飛騨山脈では久方ぶりに新鮮な感動を味あうことができました。

今回の山行は黒部最源流で岩魚を釣ること、30年ぶりに大好きな黒部五郎と雲の平を訪ねること
黒五命の僕は愛車のナンバ-さえも黒部五郎にしている次第でございます。




午前6時、新穂高の登山口のポストに登山計画を投函して林道を進みます。
1日目の行程は双六小屋まで、殆ど登りの登山道を8時間あまり歩きます。




6時間ほど登って鏡平、快晴のこの日は鏡池の前に悠然と槍が聳えます。




山荘でカレ-ライスとかき氷を頂いて大休止
これからまだ急登を控えているので生ビ-ルは双六までお預けです。

 


弓折乗越への途中で眺めた鏡平、いい雰囲気ではありませんか?



 
急登を喘ぎあえぎヘロヘロになりながら弓折乗越へ、なんせここまでに1000mの高度を稼ぐ訳ですからねえ。
眼前には威圧されるような槍の偉容が、左の稜線が西鎌尾根、右が東鎌尾根、19歳で初めて登った僕は槍沢ル-トでした。




弓折乗越を越えても更に登りが続き、ようやく双六小屋が目に入るとほっとするのです。
ここまで抜きつ抜かれつ歩いていた方が何と75歳と79歳の老夫婦、健脚ですねえと話しかけると
年を取っていくワシらは今が一番若いんだから今を楽しまないといかんのですよと、、、、、
年を言い訳にしないで今を存分に楽しまなければと、この老夫婦に教えられた次第です。




午後3時に双六小屋に辿り着くと、先ずは何をおいても生ビ-ルですよねえ一気に2ハイでようやく一息つきました~!
昨日まで布団2組に5人の激混みだった小屋も、この日は12畳の部屋に5人だけ、ゆったり熟睡できそうです。
同部屋の5人と食事の後も、ツマミを出し合って談話室でまた生ビ-ル、結局初日は夕焼けも朝焼けも逃してしまいました。

 





2日目も快晴で気分爽快です。
この日は、三俣蓮華に登り、最源流で岩魚と遊び、雲の平を目指す8時間の行程で殆どが登りです。




2時間ほど歩いて、最後の急登を登り詰めると、、、、、




三俣蓮華から眺める360度の大展望に思わず、すっげ~と何度も叫んでしまいます。




右に槍、大喰、穂高連峰




正面が鷲羽、左の深い峪がこれから釣る黒部最源流、左奥が黒岳(水晶岳)




黒部最源流から左の急登を登り詰めて祖父岳の中腹を巻いてハイマツ帯を下ると
今日の宿泊地になる雲の平の広大な台地が開けています、その左奥が薬師岳。




更に左に目を転じると、僕の大好きな黒部五郎、広大なカ-ルとお花畑は神の遊びし庭園(僕もあそこで神と遊ぶ予定です)




真後ろには笠、カッコイイ!




三俣蓮華を下って行くと大きく羽を広げた鷲羽岳、すっげ~!
その鞍部の平に三俣山荘が、そこから湯俣川へと伊藤新道が続いています。
山荘で話を聞くと、2日前に3人、前日に4人、今日は少なくとも2人の釣り師が源流に入っているとのことでした、、、




山荘から30分ほど下って渡渉点に立って眺めると一人が釣り登り、一人が釣り下っています。
二人ともフライマンで距離は上下流とも2~300m、こりゃもうダメですわ!




渡渉点から5分ほど下って、ロッドをセットして、15分ほど岩に腰かけてボ~っとしながら一服、やる気が湧きません。
岩に腰かけたまま目の前の流れに無造作にフライを流すと、、、なんと岩魚がアタックしてくるではありませんか。
やおら立ち上がって、やる気モ-ド全開で2度3度とフライを打ち込むと、、、、、、




最初に出たのがこの1尾、その後も次々に出てほんの15分で6尾、尺上も1尾、なんですかこれ~?
先行者がすぐそこにいるっていうのに、こんな簡単に釣れちゃっていいのかしら~?
釣れるのは嬉しいけれど、こんなに簡単に釣れるのって面白くないですよねえ、ヤ~メた!




釣りは早々に切り上げて雲の平に向かいます。
谷底の源流から祖父岳の中腹までの急登がめっちゃきついのです、、、その証拠をお見せ致しましょう。

垂直に感じてしまう岩ゴロを20分ほど登ると、、、ほらね、左に槍、右に三俣山荘が突如として姿を現します。




そしてまた10分、、、




また10分、、、




また10分登ると槍がで~ん! わかります?  もうヘロヘロです。




更に祖父岳の中腹を巻くこと2時間、そして更に30分ほど
ハイマツ帯を30分くぐり抜けると、雲の平の向こうの山に滝雲がかかっているのが見えました。




目の前には水晶が、やはり水晶は雲の平から眺めるのが一番ですよねえ!




雲の平の木道を山荘に向かってひたすら歩きます、、、ビ-ル、ビ-ル、ビ-ル、ビ-ル、、、




山荘が見えたぞ~!
もう日本庭園も、スイス庭園も、ギリシャ庭園も後回し




真っ先にビ-ルですわビ-ル!

 


この日も小屋はスッカスカ、ゆったり寝られるのは幸せですねえ!









3日目、今日はちょっと早起きして朝焼けだけでも眺めたい!




4日間は晴天予報だったのに、3日目の今日から雨続きに替わってしまった。




薬師沢で釣ってから太郎平小屋に向かう予定を急きょ変更して鏡平に向かうことにする。




歩き始めて1時間も立たないうちに雨が落ちてきた。








この3日間で、黒部源流の紅葉も一気に鮮やかさを増している。




結局、黒五には登れなかったけれど眺められただけで十分です。




鷲羽も見納めです




帰りもこんな岩ゴロの急登の連続です






雨の中を7時間、ようやく鏡平が見えました




雨の中の鏡平、しっとりといい雰囲気を醸しています。




乾燥室で衣服を乾かしてからビ-ル、今日もぐっすり眠れそうです。







4日目は4時間下るだけ、楽ちんです。




夜半から続いた土砂降りも午前7時半には小降りに変わったので下山開始です。






登山道はどこもかしこも沢状態を呈していますが、山と割り切れば雨の山歩きも乙なものでございます。






左俣も増水して釣りにはなりません。








締めくくりは、平湯の森で湯につかり、筋肉をほぐしてからビ-ル

 



年を言い訳にしないで、一番若い今を存分に楽しもう!

自分の目と五感は、どんな映像をも遥かに凌ぐ、だから壮大な自然を自分の目で見続けよう!

今もし、この星が滅亡するとしたらどうするだろうか?
もし、自分が現代版ノアの箱舟に乗る権利を得られたらどうするだろうか?
ノアの箱舟に乗って宇宙を彷徨い、辿り着いた未知の星で巨大なド-ムの中で生きながらえたいだろうか?
それよりも、この星で、美しいこの国で、旨い酒と食を味わいながら最後を迎えたいと思う。

ありえないことだけれど、そんなことを考えながら歩き、自分なりに覚悟を決めた山旅でもありました!
コメント (36)
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