年の瀬はまんざらでもないですよね。
一抹の寂しさもあるにはあるけれど新たな希望も綯い交ぜになっているから。
そして、
真綿にくるんでずっとずっと大切にしまっておきたいような懐かしい友の顔
や友と過ごしたあの頃の思い出が蘇るほんのりとした季節でもあるのです。
今年もまた『ゆず湯に使ってくれ』と、ふる里のKOちゃんから沢山のゆず
が届きました。もうかれこれ55年、だって3歳の頃から野山で遊んだ幼な
じみですからね。泣かしたり泣かされたり、若き日に共に源流を攻めた信頼
のおける仲でもありました。爽やかな柚子の香りに満たされたお風呂で今夜
の僕はほっかほかのいい気持ちです。そして湯上りには、あの頃いつも食べ
ていた柚子の砂糖づけが欲しくなるのです。
学生時代、ずっと行動を共にしていたKSから山形の冬の香りが届きました。
哲研の部室に入り浸ってあまり講義にも出なかった僕は、彼のお蔭で卒業で
きたようなものでした。そんな彼には足を向けては眠ることなどできる筈も
ないのですが、北枕を嫌う僕は相変わらず北国に住む彼にシッカリと足を向
けて爆睡しておると言う訳なんですね。
米沢藩校出身の気骨ある彼は大学院を出て迷わず県庁に入職し役人らしか
らぬ役人として職務を全うしています。一箱のリンゴは来年の春まで味わえ
ます。
広島と言ったら牡蠣ですわね。送ってくれたのは勿論KNさんです。
まるで神隠しにでもあったかのように忽然と姿を消したNさんは何と
広島へとさらわれていっておりました。僕の山釣りの最強の相棒とし
て岩を這い藪を漕ぎ野宿を共にした日々を想うとやるせないほどに恋
しくなってしまうのです。生ガキ、香草焼き、カキフライ、やっぱり
牡蠣は旨いっすね。食事制限中の僕は一度にこれしか食べられません
YSは毎年必ず、正月を祝うお酒を送ってくれるのです。
大学の哲研の1年後輩なのだけれど、我ら先輩を遥かに凌ぐ読書量を
誇り、議論をすればいつの間にかアイツのペ-スに嵌り、酒を呑めば
俺たちのサイフの紐をほどくのは必ずアイツだったという憎めない
後輩で、会社員などという真っ当な仕事になんぞ絶対に就けるはずが
ないと思っていたら案の定、栃木の実家で商いの店を開いていました。
この大吟醸は新年最初の一口のために大事にとっておきます。
こうして年に何度か贈り物をいただく時、古き友や懐かしい記憶が蘇
ります。ともに過ごした一時期が、濃密であればあるほど蘇る想い出
にも切なさが募ります。決してあの頃に戻れないという絶望的な切な
さとでもいうのでしょうか?
でも、それはせんないこと。
僕の人生の中で彼らを始めすべての方々との出会いが運命的な
出会いであったということ
ささやかな僕の歴史の証人であってくれるということ
このことを心に刻みつつ更に絆を深めていきたいと思いを強くして
いる次第です。
一抹の寂しさもあるにはあるけれど新たな希望も綯い交ぜになっているから。
そして、
真綿にくるんでずっとずっと大切にしまっておきたいような懐かしい友の顔
や友と過ごしたあの頃の思い出が蘇るほんのりとした季節でもあるのです。
今年もまた『ゆず湯に使ってくれ』と、ふる里のKOちゃんから沢山のゆず
が届きました。もうかれこれ55年、だって3歳の頃から野山で遊んだ幼な
じみですからね。泣かしたり泣かされたり、若き日に共に源流を攻めた信頼
のおける仲でもありました。爽やかな柚子の香りに満たされたお風呂で今夜
の僕はほっかほかのいい気持ちです。そして湯上りには、あの頃いつも食べ
ていた柚子の砂糖づけが欲しくなるのです。
学生時代、ずっと行動を共にしていたKSから山形の冬の香りが届きました。
哲研の部室に入り浸ってあまり講義にも出なかった僕は、彼のお蔭で卒業で
きたようなものでした。そんな彼には足を向けては眠ることなどできる筈も
ないのですが、北枕を嫌う僕は相変わらず北国に住む彼にシッカリと足を向
けて爆睡しておると言う訳なんですね。
米沢藩校出身の気骨ある彼は大学院を出て迷わず県庁に入職し役人らしか
らぬ役人として職務を全うしています。一箱のリンゴは来年の春まで味わえ
ます。
広島と言ったら牡蠣ですわね。送ってくれたのは勿論KNさんです。
まるで神隠しにでもあったかのように忽然と姿を消したNさんは何と
広島へとさらわれていっておりました。僕の山釣りの最強の相棒とし
て岩を這い藪を漕ぎ野宿を共にした日々を想うとやるせないほどに恋
しくなってしまうのです。生ガキ、香草焼き、カキフライ、やっぱり
牡蠣は旨いっすね。食事制限中の僕は一度にこれしか食べられません
YSは毎年必ず、正月を祝うお酒を送ってくれるのです。
大学の哲研の1年後輩なのだけれど、我ら先輩を遥かに凌ぐ読書量を
誇り、議論をすればいつの間にかアイツのペ-スに嵌り、酒を呑めば
俺たちのサイフの紐をほどくのは必ずアイツだったという憎めない
後輩で、会社員などという真っ当な仕事になんぞ絶対に就けるはずが
ないと思っていたら案の定、栃木の実家で商いの店を開いていました。
この大吟醸は新年最初の一口のために大事にとっておきます。
こうして年に何度か贈り物をいただく時、古き友や懐かしい記憶が蘇
ります。ともに過ごした一時期が、濃密であればあるほど蘇る想い出
にも切なさが募ります。決してあの頃に戻れないという絶望的な切な
さとでもいうのでしょうか?
でも、それはせんないこと。
僕の人生の中で彼らを始めすべての方々との出会いが運命的な
出会いであったということ
ささやかな僕の歴史の証人であってくれるということ
このことを心に刻みつつ更に絆を深めていきたいと思いを強くして
いる次第です。