山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

北アの峪でテン泊釣行

2014-09-11 00:40:44 | フライフィッシング
山の天気はなんとも覚束ない。
体調不良を10日も引きずっている。
こんなことでは9月もまた棒に振ってしまう。
天気予報は芳しくないけれど意を決して北アルプスの峪に突入を試みる。

突入前夜は土砂降りの中で野宿をした。
相変わらず食欲もなく夕食はおでんの大根ふた切れ、酒も呑めず。
翌朝はサンドウィッチ一切れ、端からシャリバテでエンスト寸前の体調で歩き始めた。
今回の相棒はいつものヒロキチちゃんと飯山の寅さん、この二人が一緒なら僕が倒れてもナントかしてくれる。

登山道には今を盛りとチタケがニョキニョキ、誘惑には勝てず僕も一瞬だけ元気を取り戻してチタケ摘みを楽しんだ。





二人に遅れること30分、息も絶え絶えに目的の峪に辿りつけた。
なのに、なんと先行者多数、テン泊も二組、聞くと毎日攻められていて釣果も芳しくないようで、、、





狭いテン場に寝床をしつらえる、自然の空気に包まれたいならこれが一番いい。
先行者は下山してこの夜のテン泊は我らだけになった、土砂降りになったら男3人抱き合ってやり過ごせばええのだ。





力持ちの寅さんとヒロキチちゃんは夜通し燃やせるだけの薪木を寝床に担ぎ上げる。





昼食を取ってから今夜の食料調達に峪を釣りあがる。
やる気満々の寅さんとは対照的に昼食も取れなかった僕は
峪を遡行する気力もなく途中までの行程をマイペ-スで釣った。





荒々しい峪を釣りあがるヒロキチちゃん、寅さんも後を追って
魚止めの更に上まで釣りあがるのを僕は只々眺めているだけであった。





釣果はド貧果、31センチをヒロキチちゃんが、28センチを寅さんが仕留めた。





大物3尾を宴会用の刺身とタタキとバタ-ソテ-にする。
残りの3尾は一晩焼き枯らして岩魚茶漬けにすると極上品になる!





野営は焚火があってこそほっとする。
寅さんのトレ-ドマ-クのこうもり傘はストックにもなれば雨宿りにも活躍するギアでいかにもフウテンの寅さんらしくて笑えるのだ。





北アルプスの大自然に身を置いてようやく僕もビ-ルが喉を通るまでに回復したようだ。





酒肴は岩魚の刺身、岩魚のタタキ、ミョウガとオオバの梅肉和え、そして寅さん自家製の極上スモ-クサ-モン。
このあとも次から次へとあきれるほどに宴会料理が並んだけれど僕はとんと記憶がない。


 



明日のチタケそうめん用に麺つゆを仕込んでおく、一日寝かせたら旨くなるぞい!





焚火がいい感じになってきた。
岩魚の焼き枯らしは極上の岩魚茶漬けになる!





午後10時過ぎ、目を覚ますと月が雲に霞んで夜空が明るくなっている。
このあと、さっと雲が晴れて満天の星とス-パ-ム-ンの競演となった。
他に誰もいない北アルプスの峪でひとり天体ショ-に浸る幸せを何に例えたらいいのだろうか?





ふと目をやるとヒロキチちゃんが半眠りの状態で気持ちよさそうにスイングしている。
眠れないのかと問いかけると、こんな夜は幸せすぎて眠ってしまうのがもったいなくてと返してくれた。
ロマンチストなのは僕も寅さんもヒロキチちゃんも、自然を愛する男たちにも共通する心根なのだろうか?





思いのほか夜が暖かくて午前8時までぐっすり眠って気持ちよく目覚めた。





何度か起きだして焚火を守ってくれた寅さんのお蔭で、、、、





岩魚は程よい焼き枯らしに仕上がった。





ヒロキチちゃんが淹れてくれたコ-ヒ-の後で2時間ほど釣りあがる。





僕は早々に竿を畳んで、水中や岩を忙しなく動いて餌をついばむカワネズミや辺りの風景を眺めて楽しんだ。





ヒロキチちゃんの夢であった岩魚の焼き枯らしが美味しく仕上がった。
岩魚茶漬けは次回にしてそのままかぶりついた、実に旨し!
岩魚の命を頂いて自然の与えてくれる恵みに心から感謝した。





今年もまたチタケそうめんで旅を締めくくることができたことが何よりも嬉しい。





火の始末をして、ゴミひとつなく片づけてテン場を後にする。




名残惜しいけれど、旅の終わりはいつも心地よい疲労感と痺れるような哀愁が心と体を震わせる。

旅の良さはこれに尽きるとつくづく思えてくる。

ご一緒していただいた寅さん、ヒロキチちゃん、心に残る旅をありがとう。

そして、ようやく僕も元気を取り戻すことができました!

コメント (26)
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