志太泉オフィシャルブログ

静岡県藤枝市の地酒の蔵元。志太泉酒造のブログ。違う角度から見た日本酒の現在とは

酒蔵と猫

2006-03-20 23:30:12 | にゃんかっぷ
 ブログをご覧の皆様の中には、にゃんかっぷ情報を求めてこちらに迷いこんできた方もおられるかもしれません。にゃんかっぷについては、オフィシャルサイトでも書きましたがまた少しずつブログでも補完していきます。
 まず、なぜ猫のカップ酒かという疑問をお持ちの方も多いでしょう。オフシャルでも書いたとおり、名前だけでも『ワンカップ大○』に対抗して『にゃんかっぷしだいづみ』という大風呂敷な理由もありますが、私自身が酒蔵にいる猫というのがすごく好きだったという事も理由です。
 酒造りにとって、かつて猫は欠かせない存在でした。酒米には、当然のように鼠が集まってきます。猫は気が向くとにゃおと鳴いて鼠を追い払ったり、たまには、鼠を捕ったりしましたが、ほとんどの冬の日は、米を蒸す釜の近くの煙道の上の暖炉のように暖かい場所にころがったり、蔵の屋根瓦の日の当たる場所で寝ていたりしていました。終戦後に猫がどこかに行ってしまった時は、鼠が増えて困り果てました。猫が欲しいとおおげさにいえば笛や太鼓を使っていろいろな人に頼んだところ、初亀醸造の故橋本富蔵氏が当時とても珍しかった自動車で猫を届けてくれ、本当に助かったという事もあったが伝えられています。スコットランドで蒸留所には麦を守るための倉庫番の猫の写真というのを見たことありますが、とても堂々した猫でした。対照的に静岡の酒蔵にいる猫というのは、私の小さな時の記憶の中では、しっぽを高く上げて飄々と自由に歩いていくイメージがあります。カップのデザインにも少しそんなモチーフがあるかなと感じています。
 今は殺鼠剤が普及した事により、蔵では猫はやめています。その代わりに、なぜか、冬によく野良猫が挨拶にやってきます。やっぱり酒の出来が気になるのでしょうか?
コメント (2)
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