素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

昨日の夕刊には示唆に富む意見が2つあった。その2つめは

2013年01月16日 | 日記
 1つめは玉木研二さんの「按針という教材」を例にとっての新総合科目の提案であった。2つめは早稲田大政治経済学術院教授・図書館長の飯島昇藏さんの寄稿である。タイトルは『センター試験リスニング廃止を~「国際標準テスト」導入にメリット』となっている。筆者のハートを伝えたいので要約せずに記す。

 大学入試センター試験の実施が近づいてきた。「入試時期の在り方」に関する東京大の最終報告書は、「学部段階では4月入学を廃止して秋季入学へ全面移行する」という画期的で衝撃的な提言をしている一方、「日本人志願者を対象とする入試日程は現行どおり」として、センター試験が高校教育期間中に実施されてきた積年の弊害にはほとんど「見ざる、聞かざる、言わざる」を決め込んでいる。

 高校教育を著しくゆがめ、その主体性と独立性を掘り崩してきた側面を否定できない試験の導入と実施に、最も積極的で責任のあった大学は、その負の遺産を清算する社会的責任を果たしていない。それなのに今度は「教育の国際化」を旗印に、秋入学(と5月ないし6月卒業)の導入によって大学教育界のみならず産業界、否、社会全体に混乱と迷惑をもたらそうとしている。

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 筆者は昨年7月に本紙で、秋入学導入の折には高校卒業直後にセンター試験を移すべしという私見を公にした。秋入学導入が教育の国際化を名目に叫ばれているので、ここでは英語教育に関連してセンター試験の英語リスニング試験の廃止を提案したい。従来よりも半年成長して学生になる者の英語力は、当然それだけ高まっていなくては、国際(英語)化したキャンパスにふさわしくない。

 センター試験のさまざまな問題点、とりわけ最近導入された英語のリスニング試験の問題点は多方面で指摘されてきた。後者について、たとえばそのレベルのあまりの低さが慨嘆されているし、試験当日の機器の故障による再受験者の数は毎年大きく報道されている。

 そこで現行のリスニング試験を廃止し、各大学が「TOEFL」や「IELTS」、「Cambridge」のような既存の英語能力試験を採用するよう提案したい。たとえばTOEFL(iBT)利用のメリットとして、英語の総合的能力測定可能性、国際標準、成績有効期間2年、などがある。読解力、聴解力、作文力、スピーチ力に関して受験生の英語力の判定が可能であるし、受験生の論理力と教養と文法力も試されるはずである。

 国際標準に関しては説明を要しないが、2年間の成績有効期間を活用すれば、その間に英語で授業を行う世界中の大学の入学試験に無料で応募できる。大学入学時のTOEFLの成績を保存させ、大学卒業後の就職活動時にも、産業界がTOEFLを受験させるならば、その学生の学生時代の勉強の量と質も一目瞭然であろう。

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 デメリットは受験料が高いことである。センター試験のリスニング試験廃止によって浮く公的資金の一部をTOEFLなどの受験1回分の補助に利用するのはどうであろうか。メリットはデメリットをはるかに凌駕するはずである。関係各位の熟考と英断と実行を期待する。


 英語に関しては門外漢なのでよくわからないが説得力を感じるのである。全国共通一次テストやセンター試験を経験していない世代に属する私だが、もし生まれてくるのが10年以上遅ければ私のようなタイプは無残な結果であろうといつもこの時期になると思ってきた。実際にはわからないが感覚的には良くない、面白くないに尽きる。そのあたりを当該の人たちが「見ざる」「聞かざる」「言わざる」ではなく、きちっと総括してほしい。

 枝葉を切ったり、つないだりするようなものに改革という名は値しない。もっと根こそぎ掘り返し、新しい苗を植え、しっかりと管理して大きく育てる。という気構えで熟考、英断、実行する改革を私も期待する。


              
コメント
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