素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

大神(おおみわ)神社へ

2013年01月04日 | 日記
 御神体である三輪山を、三ツ鳥居を通して拝するという、古代の信仰形態を伝える神社としてよく知られ、日本最古の神社とも言われている。テレビや新聞などでも時々取り上げられていて訪れたい神社の1つとして引き出しに入っていたが、いつも大鳥居を横目に見ながら通り過ぎていた。

 ついでではなかなか立ち寄れないので今日はピンポイントで大神神社に初詣とねらいを定めて出かけた。JRの駅にある情報誌“旅のこよみ”には例年三が日で約50万人が訪れたいそう賑わうと紹介されていたが、今日はましだろうと思っていた。南阪奈道路から桜井市を目指したが近づくにつれ大渋滞、車が進まなくなった。甘く考えて下調べをあまりしてこなかったが、このままではだめだという直感がはたらき右折して渋滞の列からはずれた。後は動物的勘と運のみで天理教の敷地に設けられている臨時駐車場にたどりついた。大神神社までは歩いて10分ほどで「ここに停めるのが一番賢い選択」という風に係の人に言われた。選択したわけでなくたまたま行き着いただけなので苦笑いするしかない。結果オーライとしておいた。

 参道に入ると情景が一変した。露店がズラリと並び、人人人の行列である。祭神の大物主大神は家内安全、商売繁盛、建築安全、災難除けをはじめとする生活の守護神として、長い歴史の中で脈々と地域に根ざして崇敬を集めてきたことを実感した。

   祈祷殿へ歩を進めると「願えば叶う大絵馬」や「なでうさぎ」が設置されている。さらに奥のほうには病気平癒・身体健康の神様「狭井神社」や智恵の神様「久延彦神社」などもあり、しっかり巡れば結構時間がかかる。

 「狭井神社」と「久延彦神社」の途中にある展望台からの大和平野の景色はすばらしかった。粉雪のちらつく天候であったが、うっすらとけぶった感じがなんともいえない趣をかもしだしていた。


 白川義員(よしかず)さんの言葉がよみがえる。

「自然と全く隔絶された人工社会に沈潜したまま、大自然が演じる壮大なドラマに感動する機会もなければ、衝撃を受ける体験もなく、自然とは無縁の根なし草となって漂っているところに、現代社会の荒廃の根源を見るように思うのです」(『永遠の日本』序より)
コメント
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